手遅れになりやすい膵臓(すいぞう)がん
今年初め、個人的にいくつかの検査を受けましたが、その中で一つだけ、定期的に別途で検査を受けようと決めたのが、膵臓(すいぞう)です。
膵臓は主に脂肪分の分解や血糖値のコントロールに働く臓器ですが、この膵臓で起こるがんは、体のがんの中でもひと際厄介で危険という特徴があります。
今回はこの膵臓と膵臓がんについて、詳しくご紹介してみたいと思います。
発見が遅れやすく進行が早い膵臓がん
膵臓がんは、医療業界ではサイレントキラーと呼ばれるほど、厄介で危険な病気になっています。
その理由は、初期症状が少なく発見が遅れやすい上に、進行が極めて速いためです。
肝臓の不調にも通じますが、黄疸が出て来るとか、体重が不自然に減る、食欲が無くなると言ったサインは起こりますので、そうしたサインを見逃さないことは非常に重要になります。
また例えば、背中やお腹の不自然な痛みも、最初はふとした違和感程度で気のせいかと思いがちですが、徐々に酷くなるのも大きなサインですので、すぐにお医者さんに相談してみてください。
さらに言うと、膵臓がんは膵臓のどこに出来るかで症状が変わるのも特徴で、消化液などが分泌される、膵臓の頭の部分にがんが出来た場合は、前述の黄疸などの症状が出やすく、膵臓の真ん中から尾の部分にがんが出来た場合はお腹や背中の痛みとして現れることが多いです。
こうしたことが起こるのは、膵臓の部位によって、圧迫する神経が違うことが一因です。
そして膵臓がんは予後もかなり悪い方になり、膵臓がんと診断された場合、5年生存率は10%未満とされています。
これは単純計算で言うと、膵臓がんと診断された人のうち、5年後に無事に生きているのは10人に一人程度ということになります。
治療法も一般的な放射線治療、抗がん剤治療、そして外科手術に限られます。
早期発見が最も重要
がんの予防は、膵臓に限らず非常に難しいです。
そもそも実は、人間の体は毎日のようにがんが出来ているのですが、慢性的に残って発症することはまずありません。
それは免疫機能が働いているためです。
免疫機能によって、体の健康を維持しているので、一言で言えば免疫力を維持することに尽きます。
ですが、年齢を重ねるとそもそもの免疫機能が低下してくるため、どれだけ気を付けていても、自然とがん細胞を処分することが出来ずに、発症してしまうということがあるのです。
さらに言うと遺伝によって、がんが増殖しやすく、発症しやすいということも当然あり得ます。
やはり早期に発見して、何らかの治療法で取り除く、と言うのが最も重要と言えます。
膵臓がんもエコー検査やCT検査で発見できますが、膵臓がんは極めて進行が早く、半年も経てば取り返しがつかないほど進行していたということもあります。
だからと言って半年に1度よりも多いペースで何度も検査をするのは、現実的ではないと思います。
ですので、まずは自分のがんのリスクを改めて考え直してみてください。
食生活や生活リズムの見直しはもちろん、親戚に膵臓がんがいるかどうかを確認することも一つです。
検査は不安であれば最低年に1回、腹部CTをとるのがおすすめです。
小さい物であれば、がんかどうかの判断が付かないですが、もし小さい物でも影らしきものが見えた場合は、進行していないか確認するためにこまめに撮るのを検討しても良いかと思います。
初期のがんや、小さい悪性の嚢胞であることが分かれば、すぐに外科手術で取り除くことも可能ですので、注意してみてください。