夜間早朝の高血圧に注意!睡眠時無呼吸症候群#893

睡眠時無呼吸症候群を発症した可能性が

今回は睡眠時無呼吸症候群についてのお話ですが、実は自分が発症した可能性があります。

先日、ゴールデンウィークの最終日、5月6日の夜に、頭に血が上ったような「のぼせ感」がずっと続いていて、やや違和感があったのが始まりです。特に長風呂をした等では無く、不自然な感じがありました。

少し遊び疲れたのかもと思って就寝したところ、1時間半ほどで突然目が覚めて、動悸を感じました。

胸の痛みなどはありませんが、血圧を測ると215という数字でした。

普段から服用している血圧の薬はもちろん飲んでいましたが、原因不明の高血圧に大きな不安を覚え、病院を受診することにしました。

その日以降も、ぼーっとする感じがしたり、動悸している気がする割に心拍数は特に異常がない、おかしい感じが連日続き、検査に行きました。

その結果、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある、となったのです。

ちなみに体質として昔から寝付きが良く、すぐに寝てしまうほうで、睡眠時無呼吸症候群の自覚が全く無く、診断された時は驚きました。

睡眠時無呼吸症候群とは?代表的な症状とリスク

睡眠時無呼吸症候群は、以前もvoicyで取り上げたことがありますが、簡単に言うと睡眠時に呼吸が止まってしまうという病気です。

まず典型的な症状としては、大きないびき、いびきが突然止まる、日中に強い眠気を感じる、集中力が低下する、などがあります。

また、朝起きたときの頭痛や口の渇きがあり、これは睡眠中の口呼吸による水分喪失が関係していると言われます。

睡眠時無呼吸症候群の厄介な点は、文字通り睡眠中に起きている症状ですので非常に自覚しにくく、家族やパートナーからの指摘がないと気づきにくいという点です。

治療をせずに放置しておくと、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、高血圧、不整脈などの循環器系疾患のリスクが高まるとされています。

ちなみに自分の経験から、睡眠時無呼吸症候群では血圧が急激に上がるというのも、症状の一つなのだと気づきました。

無呼吸になると、興奮を促す交感神経が刺激され、睡眠しているにもかかわらず交感神経が働き、血圧が急激に変動します。その結果、心臓など循環器に負担がかかるのです。

普段から血圧についてお薬を飲んだり、治療を続けているのに、朝の血圧は高いとか、夜に血圧が上がっているというときは、睡眠時無呼吸症候群が起きているサインかもしれませんので、注意してみてください。

自宅でできる検査キットが

今回の検査についてですが、入院ではなく、自宅でできる検査キットというもので行いました。

指先に装着する体内の酸素飽和度を測るSpO2センサーと、鼻の呼吸状態を測るチューブ、そして記録用の小型モニターを手首などに装着して、一晩眠るという方法で、もちろん初めての体験でしたが、意外と大変ではなく、眠りにつけました。

自分ではこれまで、日中に眠気を感じることもなく、いびきについても家族から特に指摘を受けたこともありませんでした。

睡眠だけではなく、血圧調整も睡眠時無呼吸症候群のサインなのだと分かったのが、とても印象的でした。

高血圧が睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれない

日中の不自然な眠気などはもちろんですが、例えば薬を飲んでいても血圧が下がらないとか、朝だけ血圧が高い、といったケースは、睡眠中の無呼吸が原因になっている可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群の治療は、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)やマウスピース、レーザーを用いた外科的な処置などがあります。

治療法については、以前の回でも詳しくまとめておりますので、是非そちらも参考にしてみてください。

何よりも早めの対応が大切ですので、もし心当たりがあれば早めにお医者さんに相談していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属