今年も気象病・天気痛の季節が
5月も後半を迎え、6月に入って行きます。
6月は夏のような暑さが訪れたかと思えば急に雨が降ったりと、気圧や気温、湿度の変化が激しい時期になります。
このような気象の変化によって引き起こされる体調不良は、俗に気象病と呼ばれるものです。
厳密には病気ではなく、気圧や気温、湿度などの環境の変動によって引き起こされる不調の総称で、代表的な症状としては、気圧が下がることで起こる天気痛とも言われる頭痛や、めまい、肩こり、関節痛、古傷の痛み、倦怠感や気分の落ち込みなどがあります。
特に、梅雨入り前後の時期は、低気圧と高湿度が続くため、体調を崩しやすくなる傾向があります。
voicyでも度々取り上げておりますが、今回は今一度、季節の変わり目となる気象病についてまとめて行きたいと思います。
自律神経がカギ―「気象病」の原因とは
気象病が起こるの大きな原因は、急激な天候の変化によって、自律神経が乱れるということです。
耳の奥にある内耳は、気圧の変化を感知する器官ですが、そこが急激に刺激されてしまい、自律神経に影響が出ます。
自律神経は呼吸や心拍、体温調整などを意識せずにコントロールしている神経で、これが乱れることで、血流が悪化したり、ホルモンバランスが崩れたりと、様々な不調が現れます。
特に、梅雨の時期は日照時間が少なくなるのも大きな要因で、日光を浴びる時間が減ることで、セロトニンの分泌が減り、気分の落ち込みや軽度のうつ症状を引き起こす要因となります。
例えば、北海道の釧路市や霧の街として知られるロンドンなど、日照時間が短い地域ではうつ病の発症率が高いとも言われています。
気象病の見極めを
気象病の対策についてですが、まずは自分の体調不良が、気象によるものなのか見極めるのが大切です。
回復しない疲労や寝不足といった症状が起きた際、天気予報程度でも良いので天気を気にしてみて、もしかしたら気圧が関係しているかもしれない、と疑ってみるのも一つです。
もう少し踏み込んでみると、体調不良が起きた日の天候を記録してみると、何らかの共通点が見えてくることもあります。
ちなみに最近では、天気や気圧の急変を通知してくれるアプリも登場しており、体調管理に役立ちます。
天気と体調不良が関連していることが分かり、今後の気象変化をある程度分かれば、事前にお薬を飲むとか、休みを取るなど、影響が出ないようにやり過ごせるため、大きな予防が期待できます。
自律神経を整える生活習慣を
気象病の治療についてですが、前述のように自律神経の乱れが直接的な要因ですので、対症療法として自分に起きている不調に合わせた市販薬等を準備して、使うのがベストです。
一つだけポイントになるのが、漢方の五苓散(ごれいさん)というもので、小林製薬でテイラックというお薬は、天気や気象に由来する不調に効くとされていますので、もし興味があったら検討してみてください。
その他だと、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)というものもあります。
どちらも副作用があるため、まずは相談して症状を伝えてみてください。
もし、単なる体調不良などではなく、不安が大きくなるとか、うつ状態の可能性がある場合は、出来るだけ早めに心療内科さん等に行くのがおすすめです。
最後に気象病の予防についてですが、やはり自律神経を安定させる生活リズムが重要です。
例えば有名ですが、朝起きたらすぐにカーテンを開けて、朝日を浴びるのも、朝日を浴びることで体内時計がリセットされて、夜の眠りのリズムも整いやすくなり、回復していきます。
セロトニンも出るため気分の安定にも効果的ですが、前述のように天気が悪い日が続くのが梅雨時期ですので、難しいこともあります。
ただ、毎日同じ時間に起きて、食事や入眠をするとか、軽いストレッチやウォーキングといった適度な運動でも、自律神経を整えるのに役立ちますので、無理のない範囲で決めて、続けていくのが大切です。
先ほどと重なりますが、気象病は予防や予見が重要で、例えば偏頭痛の症状が出る方は、頭痛日記を付けるのも手です。
痛みが起きた時の天候や一日の行動などをまとめておくと、今後、今日は頭が痛くなりそうだから薬を飲んでおく、という風に察知ができる可能性がありますので、もし心当たりがあれば、試してみてください。