喉の痛みにサヨナラ!治療と予防は?#804

意外とつらい「喉の痛み」

今回は、喉の痛みという部分にフォーカスを当ててまとめてみたいと思います。

先日、自分の知り合いで、葛根湯が喉の痛みに効く、と伝えているのを見て、訂正したということがあります。

葛根湯は風邪の時に良い、ということはvoicyでもしばしばお伝えしているかと思いますが、実は喉が痛いときには避けた方が良い漢方になります。

今回は風邪などとは少し違う、喉の痛みについてまとめて行きます。

喉が痛むのは感染症によるものがほとんど

まず前提として、やはり喉に痛みの症状が出るのは、何らかの感染症によるものが大半です。

その次に挙げられるのが、エアコンのような乾燥した空気、そしてアレルギー、喫煙という順になります。

また、歌いすぎや大声の出しすぎのような、喉を酷使することで痛むことも当然あります。

次にまれなケースとして、胃酸が逆流していて、喉まで荒れているとか、栄養不足や免疫力の低下などもあります。

そして、いずれの場合でも治すためには、喉を使わずに、休むことが最優先になります。

使わずにしっかりと休むうえで、ぬるま湯で喉を潤して炎症を抑えるとか、アズデンのような喉用のスプレータイプのお薬を使う、ハチミツの入った温かい飲み物を飲むなどがあります。

軽いケアとしては、温かいお湯やお茶からの蒸気を吸い込むのも、喉の保湿のような形になるためおすすめです。

もし、飲み込むときに痛みが強まる場合などは、溶連菌や扁桃炎のような、単なる喉の痛みだけではない可能性があり、専用の抗菌薬が必要になることもありますので、その場合はお医者さんに診てもらってください。

葛根湯は炎症に逆効果

今回取り上げたきっかけとなった葛根湯ですが、葛根湯は簡単に言うと体を温めることをして、初期の風邪などを治していくというお薬です。

そして、炎症が起きているということは、体の奥が熱を持っている状態と言えますので、葛根湯を飲んでしまうと、より熱を高めることになるため、不向きなのです。

漢方の考え方ですので少し難しいですが、簡単に言うと熱に対して熱を使うようなことになり、治りにくくなるのです。

ですので、炎症が起きている場合は、銀翹散(ぎんぎょうさん)のような、体の熱を冷やし、取り除く作用のある漢方が向いています。

うがいは水道水で十分

ちなみに、喉の痛みの予防というと、うがいが有名だと思います。

しかし、うがい薬を使ってしまうと、喉の粘膜にある良い菌も全て殺菌してしまい、逆に感染症になりやすくなるという見方があります。

ですので、うがいをする場合は水道水で十分で、前述したそれ以外のケアも含めて行うようにするのがベストです。

もし、どうしても気分的にも何か使ってうがいをしたいという場合は、先述のアズレンのようなお薬であれば、炎症を抑える成分でできているため、炎症を引き起こす悪い菌にのみ作用しますので、安全に使用できます。

次に予防としては、部屋の湿度も50%から60%が望ましいです。

これからでいうと梅雨の時期になるため、除湿が必要になることも多いので一概には言えませんが、目安として知っておくと良いかと思います。

そして、保湿やアレルギー物質の予防として役立つマスクを使うとか、普段から十分に水分補給、栄養補給、そして睡眠をとることも大切になりますので、気を付けていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属