頭痛も色々!原因と対策は?#704

頭が痛む原因と、その対策

先日、患者さんと頭痛の話になりました。

頻繁に起こるらしく、月に3回か4回ほど、痛み止めを飲んでいるものの、痛み止めを飲み過ぎるのも体に悪いため本当に調子が悪い時や辛い時だけ飲むようにしているとのことで、お薬以外で何か対策は無いかと言う話をしました。

今回はこのお話しから、頭痛について取り上げていきたいと思います。

頭痛の種類

よく起こる頭痛は大きく分けて3種類あり、まず有名なのが偏頭痛だと思います。

文字通り、頭の全体ではなく頭の一部に痛みが出るため、「偏」頭痛と言いますが、場合によっては全体的に痛みが出る偏頭痛と言うのもあります。

痛みの特徴としては、ずっと痛むのではなく、脈打つように小刻みに痛みが出るとか、体を大きく動かしたりすると痛みが強まる、音や光と言った刺激に敏感になるという症状があります。

また人によっては突然目の前に、ギザギザとした光るものが現れてそれから痛みが出る、という事が起こります。

これは閃輝暗点(せんきあんてん)と言い、これが起こるのも偏頭痛である証拠の一つです。

次に多いのが緊張型頭痛で、偏頭痛は全体の4分1程度の割合ですが、緊張型頭痛は全体の4分の3と、偏頭痛よりも起こりやすいタイプになります。

緊張型頭痛は、頭囲をずっと締め付けられるような、ずきずきとした痛みが特徴で、首や肩の筋肉のコリなどが原因で頭痛が起きています。

これは週に何回か起こるというものではなく、起きるときは毎日定期的に痛みが出るという場合もあります。

痛みの度合いとしては、偏頭痛は痛みが重くて活動しにくくなることがありますが、緊張型頭痛はそこまで重く痛みが出ることはほぼありません。

最後の3つ目が、群発頭痛です。

前者二つに比べると稀なケースですが、痛みの感覚で言うと目の奥をいきなり何かで突き刺されたような、えぐられるような激しい痛みが起き、反射的に涙や鼻水、目の充血と言った症状も出てきます。

回数で言うと年に1回か2回程度と、それほど頻繁に起こることはありませんが、一度起こると長引くことが多く、場合によっては1か月ほど、激しい痛みが起きたままになるというケースもあります。

頭痛とともに手足のしびれ等の症状があれば救急車を

以上の3つの頭痛とは別に、脳内で何らかのトラブルがあって起きている頭痛もあり、その場合は救急車を呼んで素早い処置が必要になります。

見分け方としては、突然鈍器で思い切り殴られたような痛みや、何かに頭を揺さぶられるような感覚があったり、痛みと同時にろれつが回らなくなるとか手足が突然しびれてきた、と言うような症状が起きると非常に危険なサインとなります。

頭を少し振ったりゆすってみると痛みが増す時も、危険ですのですぐに救急車を呼んでください。

頭痛日記をつける・痛い場所を冷やす

以上が簡単に、頭痛の種類と痛みについての説明です。

ただ、文章でまとめもかなり分かりづらく、実際に起こったときにどれなのか自分で把握するのはやはり難しいです。

そこで意外と有用なのが、頭痛日記です。頭痛日記は、携帯のアプリでも配信されているほど便利です。

日記ですので、頭痛が起きた日にしていた行動や天気、痛みが起きた時間と言ったものを細かく記録するという事です。

記録していって、後から見返した時に、天気が悪い日に頭痛が起きやすいとか、何をしているときに頭痛が起きやすい、と言う風に傾向がある程度掴めるため、頭痛の原因を探りやすくなるのです。

例えば偏頭痛であれば、事前に起こりそうだと分かっていれば、予防的にお薬を飲むという事もできるようになります。

特に頭痛のお薬は、痛み止めが切れたらまた痛みが出るという、薬物乱用頭痛の可能性もあり、基本的には月に10回以上お薬を飲むと薬物乱用頭痛のリスクが高まるため、コメントでも頂いたように、頭痛のお薬は出来れば何回も使わない方が良いです。

もしそれ以上の回数、痛みが出ることがあれば頭痛外来できちんと検査してみてください。

ちなみに偏頭痛の場合は、痛い部分を冷やすと痛みが和らいで楽になることがあります。

偏頭痛は頭の血管が何らかの原因で広がり、それが神経に触れて痛みが出ているため、冷やすことで血管が引き締まって元に戻るため、一時的に楽になります。

ですので逆に言えば温めると血管が広がるため、温めると痛みが増すというようなときは偏頭痛の可能性が高いです。

他にはコーヒーや緑茶のようなカフェイン系の飲み物を飲むと楽になるのも、偏頭痛の可能性が高いです。

あまり多く飲むとカフェインによる悪影響が出るので難しいですが、もし心当たりがあれば試してみてください。

緊張型頭痛は痛みが出てから痛み止めを

次に緊張型頭痛の場合は、痛み止めは予防的に飲むのは避けた方が良いです。

偏頭痛は早めに飲むのが望ましいですが、緊張型頭痛は頻度が高くお薬を飲む回数が増えやすいため、予防的にお薬を使うことはせず、強めに痛みが出たときに緊急で使うのが最善です。

予防としては、筋肉のコリが原因になっていることが多いため、ストレッチやマッサージ、お風呂に入って筋肉のコリをほぐすということをしてみてください。

言い換えれば、冷えると筋肉がさらに固まってしまうため、冷やすと痛みが強くなる恐れがあります。

最後の群発頭痛は、救急車を呼ぶほど急を要することはないですが、自分で出来る対策は無いため、早めに頭痛外来に相談に行ってください。

睡眠と食事に注意

ちなみに、ストレスや疲労はもちろん大敵ですが、人によっては寝過ぎたら頭が痛くなるということもあります。

また食べた食べ物によって偏頭痛が起きるというケースもあります。

例えばチョコレートやチーズ、赤ワインやヨーグルトには、偏頭痛を起こしやすい成分が入っていることが明らかになっています。

いずれも健康に悪いわけではなく、食べない方が良いという意味では無いですが、偏頭痛が起きやすい方は前述の頭痛日記などをつけてみて、何を食べたかメモしてみてください。

緊張型頭痛は前述のように筋肉の緊張が大きいため、長時間同じ姿勢を取らずにこまめにストレッチしたり、姿勢を変えて筋肉がこらないようにするのは良い予防になります。

これは首を少し曲げるとか、両肩を回す程度の、座ってできるものでも大丈夫なので、試してみて下さい。

寝具の枕によっても、筋肉がリラックスできるか変わって来るため、もし心当たりがあれば変えてみるのも手です。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属