ニキビの予防や対策は?#695

ニキビにおすすめの対策・お薬

今回は、少し前の美肌やコラーゲンの回に関連して、ニキビについてのお話しです。

実は当薬局の周辺には、偶然ですが4件ぐらい皮膚科さんが集まっており、皮膚科関連のお薬が結構出る特徴があります。

そんな中で、ニキビのお話しになることが多々ありますので、今回はそのニキビについて少し触れて行きたいと思います。

ニキビは顔に出来る発疹の一つ

ニキビとはいわゆる顔にできる発疹の一つになります。

位置で言うとおでこや頬、口の周りと言った顔で、およそ10代から20代にかけてよく見られます。

たまに、二十歳を超えるまではニキビで、二十歳を超えたら吹き出物と呼び名が変わるという言い草がありますがニキビも吹き出物も区別はなく、同じ物と考えて差し支えありません。

ニキビは正式な病名では、尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と言います。

顔だけではなく背中や胸にも、ニキビのような発疹が出来ることがあると思いますが、それは正式には毛嚢炎と言い、厳密に言うとニキビとは違う病になります。

ニキビの症状

ニキビの症状を簡単に説明すると、思春期あたりから毛穴から皮脂がたくさん出るようになり、毛穴に詰まります。

これがニキビの原型で、白い感じになっているのが一番最初の症状になります。

そこに、普段であれば排出されるはずの老廃物が行き場を失って貯まると、黒くなってきて黒ニキビになります。

その状態で、皮脂の中にあるアクネ菌という菌が増えると炎症が起き、赤くなって赤ニキビになります。

赤ニキビだと炎症が起きているので、触ると少し痛い感じがあります。

最後にその炎症がさらに悪化して激しくなると、てっぺん部分に白い膿が出て、黄色い感じになり、黄色ニキビになります。

黄色ニキビは、内部で炎症を起こす物質がどんどん広がり、治った後でもいわゆるニキビ跡になってしまいます。

跡になると元に戻すのは非常に難しく、時間がかかりますので、やはり早いうちに対処するのが大切になります。

ニキビは潰さずに洗顔で治す

ニキビができると、どうにか自分で潰してしまうという方が多いと思いますが、ニキビを潰すのはお肌に穴を開ける事とほぼ同じことです。

つまりニキビの悪化や化膿を促すことになり、ニキビが広がりやすくなるとか痕が残ることに繋がるため、ニキビを手で潰すことはおすすめしません。

ですので、まずは洗顔と保湿でケアしていくことを意識してください。

ニキビができるきっかけは、皮脂が詰まることですので、まずは洗顔をして詰まった皮脂や汚れを落としてきれいにします。

洗いすぎるのは逆効果ですが、こまめにきちんと皮脂を落として行けばニキビは治っていきます。

1日に何度も洗ったり、お肌に合わない強い洗顔料などを使うと、皮脂が落ちすぎてしまい、お肌が乾燥します。

肌が乾燥すると、潤いを保つために皮脂を分泌させるため、毛穴がより詰まりやすくなりニキビのリスクが高まりますので洗いすぎないように注意してください。

次に大切なのが保湿で、皮脂は乾燥することで出てきますので、化粧水やクリームを使って自分で保湿することで余分な皮脂を抑えられます。

ただ、すでに炎症が起きている赤ニキビや、進行して膿が出ている黄ニキビは、炎症を抑える薬や抗菌薬を使うのがおすすめです。

特に、それらに効果のあるお薬はあまり市販されていないため、気になる場合は皮膚科さんに行くのも検討してみてください。

お肌への刺激を避けて保湿を欠かさないこと

最後にニキビの予防についてですが、一番大切なのはお肌への刺激を避けることです。

例えばお肌に合わない強い洗顔料や日焼け止めなどはお肌に大敵になるので、何らかの違和感があったり、刺激が強いと感じるときはすぐに使うのを辞めることをおすすめします。

次に、偏った食生活が続くことでもニキビができますが、現在も研究が続けられているものの依然としてはっきりした原因は分かっていません。

ただ、お菓子などの糖質が多くなり、血糖値が上がるとあるホルモンが分泌され、それによって皮脂が出過ぎてしまうという説があります。

また、脂質のものを食べ過ぎたら当然、体内に余分な脂が貯まるため、自然と皮脂も出やすくなることは明らかです。

そしてやはり、お肌の調子という意味ではストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れも大いに影響を受けます。

それらをきちんと対策することがニキビ予防につながりますので、ストレス対策などは日ごろから意識してしていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属