先日、妻が大学病院までがん検査に行きました。
実は3年前に子宮がんにかかっており、手術で全摘出をしていました。
がんそのものは初期でしたので、全摘出で事なきを得ましたが、現在でも定期的に検診に行き、確認をしています。
これはがんの再発や、2次がんという問題が起こり得るためです。
今回はがんについて、今一度まとめて行きたいと思います。
がんの仕組み
がんとは、私たちの体の中で繰り返されている新陳代謝の過程で、細胞が突然エラーを起こし、本来の働きとは異なる、異常な細胞ができることで始まる病です。
そして、異常な細胞が増殖することで、周囲の組織を壊したり、他の臓器へそうした細胞が転移し、増えていきます。
この細胞のエラーは、実は1日あたり約5000個も生まれているとされていますが、免疫機能がその異常細胞を排除してくれているため、基本的には増殖しないのです。
しかし、加齢とともに免疫力は低下することで、エラー細胞を処理しきれなくなり、がんとなって発症します。
現在の日本では、統計上2人に1人が一生に一度はがんになるとされており、決して特別な人だけがかかる病気ではないのです。
がんの症状と治療法はさまざま
がんは、その種類やできた場所によって症状や性質、治療法が大きく異なります。
胃に出来た胃がんであれば食欲不振から始まり、乳がんならしこりがサインになることが多いです。
またがんの治療法も、手術・抗がん剤・放射線治療が基本ですが、がんの種類によっては、重粒子線治療やホルモン療法、免疫療法など、さまざまな方法があります。特に免疫療法は、免疫機能を強化することでがん細胞を攻撃する治療で、オプジーボ(ニボルマブ)といった薬が代表例として知られています。
ただ、いずれの治療も共通して重要になるのが、早期発見と早期治療です。
がんは早い段階で見つかれば、手術で完全に取り除くことができ、治る可能性が高くなりますので、定期的な検診が非常に重要になります。
しかし、治療が成功しても気をつけたいのが、がんの再発と二次がんのリスクです。
「再発」と「二次がん」の違い
今回の本題となる、がんの再発と二次がんについてですが、まずがんの再発は、一度治療で取り除いたがんが、同じ場所や近くのリンパ節、さらには骨や肺など他の部位に再び現れる、という状態です。
乳がんであれば、手術後に同じ乳房か反対側の乳房、骨などに生まれ、再発することがあります。再発には局所再発、リンパ節転移、遠隔転移があり、がんの種類によって再発のしやすさや場所も異なります。
一方、二次がんは、最初のがんとは異なる全く別のがんが新たに発生するという状態です
たとえば、胃がんの治療を受けた人が数年後に大腸がんになるといったケースは代表例になります。
一般的ながん検診やフォローアップ、経過観察では、再発を重視しすぎるあまりに、数年後などに全く別の場所で起きた二次がんを見落とす危険性もあるため、定期的な検診、健康チェックを忘れないことが重要です。
5年生存率という言葉について
ちなみに、がんにおいてしばしば言われるのが、5年生存率という言葉です。
簡単に言うと、がんと診断されてから5年後に生存しているという方の割合です。
これは、がんの種類によって大きく差があるため一概には言えませんが、乳がんや子宮頸がんで早期の発見と治療であれば、5年後には90%以上の方が問題無く生存しているとされています。
一方ですい臓がんのような、早期発見が難しいがんであれば、5年生存率は10%から20%ほどになります。
これはあくまでも割合を示した言葉であり、完治から10年後に別の部位でがんができたというケースもありますので、やはり定期的な検診が必要になります。
免疫の維持ががん予防に
がんは、完全に防ぐことはできず、解明されていないことも多いですが、リスクを減らすことは可能です。
例えば代表的なものは、禁煙と節度ある飲酒で、特にたばこはほぼすべてのがんのリスクを高めることが知られており、飲酒も肝臓がんや消化器系のがんのリスク要因となります。
しかし一方で、ストレスも免疫には悪影響で、ストレスから体力が低下してがんが発症しやすくなる可能性もあります。
実際に、ストレスもがんの発症リスクに関わっていると考えられていますので、例えば音楽を聴いたり、趣味を楽しんだり、手軽にできるストレス解消法をいくつも持つことが有効です。
また笑うことも免疫力を高める効果があります。
そしてやはり、がんと向き合う上で欠かせないのは、定期検診です。
治療後5年間は再発のリスクが高く、定期的なフォローアップが推奨されており、たとえ5年を過ぎても、体調の変化には敏感に反応し、必要に応じて受診することが大切です。
がんは治療して終わりではなく、その後の生活全体で向き合っていくことが、真のがん対策につながりますので、是非定期的に検診していただければと思います。