GWでも熱中症?まだ夏じゃないのに注意は必要?#706

時期を問わず水分補給を

先日普通に買い物してたところ、何か熱っぽい感じがしたため、水分を取ったところ一気に楽になったという事がありました。

発熱の感じがあったため、一瞬はコロナやインフルエンザの可能性を疑いましたが、水を飲んで楽になったという事は、おそらく熱中症になりかけていたのかもしれません。

今年は全国的に4月や5月も暖かく、桜の開花も全国的に早いため、気温が高く熱中症のリスクが高い年、と言えるかもしれません。

ですので、時期を問わず、水分補給を欠かさずこまめに行って、熱中症対策をしていってください。

熱中症については321回で触れていますが、ここで今一度まとめて行きますので、是非今から意識して防いで行きましょう。

1度・2度・3度の段階

熱中症は3段階あり、数字が大きくなるごとに症状が悪化していきます。

ですので1番軽いのが1度の熱中症で、軽いめまいや立ち眩み、少し熱っぽいような症状が出ますが、人によっては1度の段階でこむら返りのような熱けいれんを起こす場合もあります。

2度になるとだるさや頭痛、吐き気と言った症状も出て来て、3度になると意識がもうろうと、ぐったりとして、受け答えもできない状況になるため救急車が必要になります。

対処としては、軽度であればスポーツドリンクやOS-1のような経口補水液を飲んで、日陰で氷などを使って首筋やわきの下、鼠径部と言った場所を冷やして体温を下げてください。

救急車を呼ぶ目安としては、自力で動けそうであれば、自分で病院に行くか、コンビニなどに避難してスポーツドリンクや経口補水液を買うと言ったことをしてください。

もし動けそうに無い場合は、その場で救急車を呼ぶか、他の人に助けを求めてください。

熱中症と言っても、動けないほど重度な場合になると後遺症が残る可能性があったり、そのまま亡くなることも珍しくないため、自力で処置が出来なければ場合は遠慮せずに救急車を呼ぶようにしてください。

体が暑さに慣れていない

これを踏まえて、今年現在、5月のゴールデンウイークですが、これは実際に例年になく高い気温になっていると言えますが、気温以上に注意すべき点が、体が時期的に暑さに慣れていない、という点です。

時間とともに、体が暑さに慣れて行くことを「暑熱順化」と言い、気温が高く、暑い日に自然と汗を分泌させて、体から熱を逃がしていくという働きをします。

天気予報で20℃台後半と言うと、今の時期から考えるとかなり暑く感じますが、実際に夏に暑さを強く感じて熱中症のリスクが高まるのは30℃を超える程になってからだと思います。

それは粗熱順化によって、体が暑い環境に順応しているため、20℃台程度では問題なく過ごせているのです。

逆に言えば、今の時期はまだ体が暑さに慣れていないため、汗をかく働きがまだ不十分で、熱が体にこもりやすくなっています。

そこで、この時期に気温が平年よりも上がってしまうと、熱中症になるリスクも同時に上がっていくという事です。

水分・塩分をきちんと補給すること

体が暑さに慣れていくのが一番良いですが、やはりまずはきちんと熱中症対策をしていくのが安全で確実です。

水分と塩分の補給は特に大切で、室内に居て特に汗をかいていなくても、喉が渇いていなくても、意外に水分や塩分が体外に出ている可能性があるため、まず水分補給は欠かさずに、忘れずに行ってください。

塩分は汗をかいているときや運動時に補給してください。

塩分補給はスポーツドリンクでも大丈夫ですが、普通のスポーツドリンクは糖分が多いため、気になる場合は無糖のスポーツドリンクを使ったり、塩タブレットを食べるとか、食塩そのものを少し舐めるだけでも充分補給になります。

ちなみに経口補水液は、急激に失われた水分を補給するのには最適ですが、普段の水分補給には適していないため、常備するのはおすすめですが、普段から飲むことはおすすめしません。

普段から汗をかいて暑さに慣れされる

最後に、この暑さに体が慣れるのも一つの手ですが、そこで意識したいのが普段から汗をかいていくという点です。

軽く運動をしたり、普段からシャワーではなく湯船に浸かるなどをして、汗をかく習慣を付けると、自律神経が整って体温調節もスムーズになるため、結果として熱中症のリスクが下がっていきます。

普段からサウナに入ったり激しい運動を習慣づけるという事ではなく、少しでも大丈夫なので、汗をかくことを意識するのが、熱中症予防の一つになりますので是非試してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属