お子さんの正しい鼻血の止め方
先日、保育園に勤めている方から、お昼寝中に突然鼻血が出た子がいて、なかなか止まりませんでした、といったコメントを頂きました。
鼻血が出たときは無理に抑えずに、下を向いて出るのを受ける、と聞きましたが、実際はどのように対処したらよいのでしょうか、というコメントです。
お子さんだと鼻血が出ることは珍しくないですが、初めて目の当たりにするとかなり焦ると思います。
今回はこの鼻血について、詳しくまとめていきたいと思います。
鼻から血が出る場所
鼻血はほとんどのケースでは、鼻の入り口近く、指の第一関節が入るぐらいまでの範囲から血が出てきます。
その辺りは、キーゼルバッハ部位と呼ばれることもあり、この辺には血管が集中している場所でもあります。
つまり、指が届きやすく、そして血管も集まっているため、少しの傷がつくだけで出血しやすいということです。
ですので子の位置から出血している場合は、止めることも簡単ですので、あまり問題はありませんが、この位置に傷がついていないのに鼻血が出る場合は、鼻の奥のほうから出血していることになります。
およそ10分以上鼻血が出続けていると、奥から出血している可能性が高いため、そうしたときは病院に連れて行ってお医者さんに診てもらってください。
鼻血の原因
鼻から血が出る原因ですが、最も多いのは、前述のように指で鼻の穴の中を触ったり、かいてしまって傷がついて出血するとか、鼻の奥から血が出る場合は、転ぶなどの衝撃を受けて鼻の骨を折るとか、稀なケースで菅鼻の上のほうに何らかの腫瘍があってそこから出ているなどもあります。
病としては、動脈硬化や高血圧によって血管がもろくなり、それによって急に鼻から血が出るということもあります。
肝臓や血液、血管の病気がある場合でも、鼻血が出るという症状が起きますが、これはそうした病気によって血液を固まらせる成分が著しく減り、ほんのわずかな傷でも血管から血が漏れやすくなり、結果として鼻血となって現れるのです。
また、別の何らかの病気によって、血液を固まりづらくするお薬を飲んでいる場合でも同様に、鼻血が出やすくなっていきます。
お子さんの場合で鼻血が出るのは、チョコレートやナッツ系のお菓子を食べすぎると出ることがあります。
チョコレートやナッツにはカフェインが多いため、興奮して血圧が高まり、その結果血が出やすくなり、鼻血が出ることにつながります。
鼻血が出たときの対処
今回のコメントのきっかけとなった、鼻血が出たときの対処ですが、まずは落ちついてください。
鼻血は突然出ることが多い上に、量が多いことも珍しくなく、一度出ると焦ってしまいやすいので、まずは無駄に焦らずに落ちついて一つ一つ対処するようにしてください。
一呼吸おいて落ち着いたら、次は座って少しうつむく感じの姿勢を取って、小鼻のちょっと上の部分を5分ほどしっかりと抑えます。
5分ほど抑えていると止まることがほとんどですが、まだ出ているようならもう5分程抑えて、それでも出ていれば病院に行ってください。
鼻血が出ると、ティッシュを詰めるという方が非常に多いですが、ティッシュを詰めてもすぐに止まることは無い上に、ティッシュによって鼻の粘膜を不用意に傷つけ、血が止まるのを遅らせることにつながります。
さらに、血が止まったと思って詰めていたティッシュを抜く際、出来たかさぶたをはがしてしまい、また血が出るということも起こりますので、ティッシュを詰めるのは避けてください。
また、鼻血が出ると上を向いたり、仰向けに横になるという対処法もありますが、これも良くない対処になります。
上を向いたり仰向けになることで、鼻血が外に出ず、喉のほうに流れて飲み込むことになりますが、年齢によっては喉につまり、窒息する恐れがあります。
血を飲み込むことは特に問題ありませんが、上手く飲み込めないとのどに詰まる危険があるため、おすすめできません。
他には冷やすと早く止まる、と言われることもありますが、血が出ている状態では冷やしても早く止まることはないため、冷やす意味はありません。
危険な鼻血の場合
少し繰り返しになりますが、前述したキーゼルバッハ部位ではない部位からの鼻血は、大きな血管が切れて出血している可能性があるため、そもそもの量が多く抑えても全く止まる気配がないとき、10分ほど抑えても出続けるような場合はお医者さんに診てもらってください。
また、鼻と同時に歯茎などのような、別の場所からも出血しているケースがあり、その場合はお薬が関係している可能性が高いので、病院でお医者さんによる処置が必要です。
もし、明らかに大量出血しているような場合、顔が青ざめきているような際は、重大な事態ですので救急車を呼ぶことも検討してください。