吉田聡について
はじめまして。「相談されたい薬剤師」の吉田聡です。
私は、これまで薬剤師として20年以上、のべ30万人以上の患者さまと向き合ってまいりました。お持ちいただいた処方せんをもとに薬をご用意するとともに、お困りの症状に合わせてお一人お一人に最適な薬のご提供も行っています。
薬のご提供のほかにも、日頃の体の不調やお薬のお悩みなども相談していただいたり、健康維持のお手伝いや体調管理のサポートも行っています。当薬局では、「処方せんの薬を出すこと」だけではなく、みなさんの体調管理や健康相談でもお手伝いしたいと考えています。
ぜひ、ささいなことでも気軽にご相談ください。ご自身の健康のために、お医者さんよりも身近な相談相手として、今よりももっと薬剤師を活用していただければ嬉しいです。
薬剤師としての原点
薬剤師としての原点は、毎日40個以上の薬を飲んでいた祖父
薬剤師としての私の原点は「祖父」の存在です。私が中学生のときに祖父の体が悪くなって、毎日たくさんの薬を飲んでいました。朝18種類、昼12種類、夜15種類を一日で服用していたほどです。
「薬で腹一杯やわ。うまいもんなんも食われへん」と漏らしていた祖父。それまでは、食べることが大好きだったのに…と子ども心に疑問を感じたことをはっきり覚えています。その後、お腹一杯になるまで薬を飲んでも祖父の病気は改善することなく、しばらくして亡くなりました。
薬の種類や数を一人一人の状況に合わせて最適化したい
今振り返ると、そんな祖父の存在が私が薬剤師になったきっかけだったかもしれません。薬剤師となり、薬の効能だけでなく、体の中でどのように吸収されて効くのか、副作用がどう出るかということまで学んできました。今の自分であれば、祖父に「薬の副作用が強く出ている」と伝え、状況を少しは改善できたでしょう。
実際、私は薬剤師は「薬を減らすことから考えることができる唯一の医療職」だと思っています。日本は医薬分業で「医師は診断・治療の専門家」「薬剤師は薬の専門家」と専門が分けられています。そのため、医師は治療のためには薬を「増やす」方向で処方を考えがちですが、症状の改善を図るための薬でも、副作用が起きる可能性もあるのです。
私は薬剤師の役割として「治療効果を維持しながらも、もっと薬を減らすことができる」「治療効果と副作用のリスクを適切に判断すれば、薬の種類や数も最適化できる」と考えています。そのため、開業をするときに自分の薬局には「なくすりーな」という名前をつけました。「なくすりーな」は、私の願いを込めた名前で「なくす」「くすり」「いいな」を掛けあわせたものです。
「薬剤師の知識」をもっと利用してほしい
多くの人は、薬剤師のことを実はあまりよく知らないかもしれません。どちらかといえば「医師からの処方せんを受け取って、そのまま薬を詰める人」という認識が一般的ではないでしょうか?
そもそも医師と薬剤師は全く違う専門性を持っています。医師は、おもに病気の症状・診断・治療について学んでいるのに対し、薬剤師は、主に薬の効能から体の中での吸収や副作用などについて学びます。だから、同じ患者さんを見たとしても、見解が違うことがあります。
わかりやすく例えると、病院に入院している患者さんがいたとして、その方が「吐き気」を訴えてきたときに、まず「吐き気止めを処方する」のが医師の考え方。一方で、処方されている「薬の副作用ではないか?」とまず疑うのが薬剤師です。
また、私が薬剤師になってから「処方された薬を全部は飲めていない」「それをお医者さんには言えない」といったことを患者さんからよく聞くことがあります。怒られるわけではないはずですが、なんとなく伝えられないようです。
しかし、医療全体の観点からから考えると、飲まない薬が延々と処方されているのは大きな無駄につながること。そんなときこそ、「薬剤師をもっと利用してほしい」と思うのです。処方された薬がどうしても飲めないなら、別の薬で統一できないか。別の飲み方に変えられないか。薬について誰よりも知識を持つ薬剤師だからこそ、アドバイスできることは実はたくさんあります。
大切なのは「一人一人の生活に根ざした」アドバイス
「薬や病気」ではなく「患者さん自身」に向き合う
治療効果を維持しながらも薬が減らすことができれば、医療費の負担も減りますし、多くの方にとっては嬉しいことかもしれません。しかし、必ずしも「すべての方にとって正解とは限らない」とも考えています。
たとえば、高血圧の薬。これは、病気そのものを直すものではありません。高血圧の場合は、血圧を薬で下げることによって、血管が脆くなることを防ぎ、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの命に関わる病気を防いでくれます。逆に、薬をやめてしまえば血圧が元通りに上がってしまい、命に関わる病気になるかもしれません。だから、よく質問されるのは、「血圧の薬って一度飲んだら一生飲まなきゃいけないの?」と言うことです。
結論から言うと、薬を減らすことはできるけども、それには生活習慣を改善する必要があります。しかし多くの人は、そんなに簡単に生活習慣を改善することができないからこそ薬を飲み続けている現状もあります。たとえ健康になるためとは言っても、食べたいものも食べられず、自分にとって厳しい生活改善が必要なら、薬を飲む生活でも構わない、むしろ楽しみを奪われるくらいなら、生ている意味がない、と考える人もいるかもしれません。ですから、私は患者さんの「薬や病気」に向き合うというよりも、むしろ「患者さん」自身と向き合うことを心掛けています。
「その人のライフスタイル」に沿った提案をしていく
私が大切にしているのは、患者さんの「価値観」や「本当にのぞむ生き方」の実現に薬や健康の側面からサポートしていくことです。そのプロセスの中で、薬を減らしたり、適切な量にすることは大きな軸ではありますが、お一人お一人のライフスタイルや価値観も見捉えながら「最適化」していくことがもっとも大切であると考えます。
たとえば、病気を完全に治すには、薬を飲み続けることが重要になります。一時的に治ると安心してお薬を止めてしまう方が多い中で、患者さんの生活習慣や性格まで把握し、その患者さんが継続できる方法でお薬をご提案するなどしています。
そのためにも、地域コミュニティでのなかで、日々お客さまとのコミニュケーションをしっかりとり、関係性を築いていきながら、薬の専門家としての役割を果たしていけたらと思っています。
薬剤師の仕事の本質は「お客さまを健康に導くこと」
さまざまな職場での経験からたどり着いた答え
私はこれまで、さまざまな場所、さまざまな立場で、薬剤師としての仕事をしてきました。大学卒業後、新卒で北海道のドラッグストアに勤めはじめてから、ご縁あって北海道内でのさまざまなドラッグストア・薬局で働き、長年、薬局長として勤めて現在は自分自身で薬局を開業するに至っています。
そもそも薬剤師は、ドラッグストア、薬局、大学病院など幅広い場所で働く機会があるのですが、私は、一通りの場所で働き、薬剤師としてのキャリアを築いてきました。これまでの経験を通じてわかったことは、薬剤師の“本質的な役割”は処方せんにしたがって薬を用意することではなく「患者さんを健康に導くこと」なのだ、ということでした。
「薬をわたす」だけではない、薬剤師の3つの役割
日本では、薬剤師も医師も、共に医療について大学で6年間学びますが、医薬分業として「医師は診断・治療の専門家」「薬剤師は薬の専門家」と専門が分けられています。その背景には医師の処方の誤りの発見や、薬害防止など医療の安全を図ることがあります。つまり、薬剤師は医師とは違った視点を持つ医療の専門家なのです。
薬局は「病院から出ている薬をもらうための場所」だけではありません。薬剤師は、医師とは違う視点を持った医療の専門家。実は薬に関することから情報提供まで幅広い役割を担っており、もっとみなさんに活用していただける存在なのです。具体的には、「薬を正しく作る役割」「薬の効き目を視る役割」「幅広く情報提供する役割」という役割があると考えています。なくすりーなでは、この3つで貢献したいと考えています。
薬を通じて「健康」をトータルでサポート
現在、私は自分自身で薬局を開業し、お客さまから直接ご相談を受ける日々です。「お話を聞いて薬をアドバイスする」ということは、薬剤師としてもっともやりがいを感じる瞬間でもあります。
余談ですが、私は薬局を開業してからさまざまな資格を取得しました。「禁煙支援士」「うつ病支援セラピスト」「催眠療法士」など20種類以上にのぼります。資格取得で箔を付けようと思ったわけではなく、日々訪れるさまざまな患者さまの困りごとに多角的にアプローチできるようになりたいと必死に勉強した結果です。これらの資格の知識があったおかげで、薬や健康に関する問題について包括的にアドバイスできるようになりました。
私は現在、薬局に訪れてくださる地域の方々の他にも、より多くの方に自分の持っている経験や知識を役立てたいと考え、「Voicy(音声プラットフォーム)」やブログで、日々アップデートしている薬やの健康の情報について広く配信しています。ご興味のある方は、ぜひ覗いてみてください。
吉田聡の情報発信
症状別の対処法・Voicy
薬や健康について、多くの方がお悩みのテーマについて、薬剤師・吉田聡がコラム記事でわかりやすく解説。また、薬剤師・吉田聡がVoicyで、毎週気になるテーマのお悩み相談にお答えしています。無料でどなたでも手軽にご利用いただけます。ぜひ、チェックしてください。
健康相談イベント
当薬局では定期的に健康相談イベントを開催しています。日々の健康を維持するための役立つ知識を薬剤師・吉田聡がお伝えしています。参加は無料。ご希望のイベントをお選びのうえ、ぜひお気軽にお申し込みください。