熱中症に関して知っておくべき事っ!#321

Voicy更新しましたっ!

今回は、今から知っておきたい「熱中症」についてのお話。

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5月でも「熱中症」に

今回は熱中症についてです。

まだ5月末ですが、北海道では30度を超える日々が続き、亡くなられた方もいました。

これからの本格的な夏に備えて、熱中症予防をして行きましょう。

 

熱中症の3段階の症状

熱中症の症状を簡単におさらいすると、1度、2度、3度の3つの段階に分かれています。

足の「こむら返り」のような筋肉のけいれん、痛みが出るものです。

これを熱けいれんと言い、熱中症の大きなサインとなる症状です。

なぜこうしたことが起こるのかというと、汗によって体内の水分と塩分が失われるためです。

筋肉を動かすには塩分のようなミネラルが必要ですので、急激に大量の汗をかくことでミネラルが一気に失われてしまい、筋肉の動きが一気に悪くなる、という事が起きます。

そこから一段階進んで2度になると、めまいや立ちくらみと同時にだるさ・倦怠感、頭痛や吐き気が現れ、この状態を「熱疲労」とか「熱疲弊」と呼ぶことがあります。

最も危険なのが3度で、意識がもうろうとして呼びかけても返事がない、まともに受けごたえ出来ないような状況です。最悪倒れて、意識が完全に失われる、全身がけいれんすることもあり、こうなると一刻を争う危険な状態です。

 

熱中症の時の発熱

ちなみに、熱中症の時の熱や体温ですが、当然ながら体温は高まります。

ただし、前項で1度に該当する症状の時は、熱が無く平熱のままという事もあります。

つまり熱中症の症状があるけど、体温はあまり変わらず平熱、もしくは微熱程度ということがあります。

熱の高さに関わらず、めまいや立ちくらみがする場合は、日陰に入って水分を取るなど、きちんとケアをするようにしてください。

 

もし熱中症になってしまったら

熱中症になってしまったら、熱中症かもと思ったら、まずは日陰、もしくは建物の中に入ってください。

少しめまいがするぐらいの1度の時は、室内や日陰などの涼しい場所に移動して、経口補水液かスポーツドリンクを飲んで様子を見てみてください

出来ればOS-1のような経口補水液がベストですが、1度であればスポーツドリンクでも大丈夫です塩分が失われている状態なので、塩分の補給は忘れないで下さい。

体に風を送って冷やすとか、冷たいものを当てるのはもちろん有効です。

冷やす場合は、首筋、脇の下、鼠径部という太ももの付け根あたりがおすすめです。

あとベルトなどのような体を締め付けているものを緩めて、風通しを良くするのも非常に便利です。

 

2度、3度の場合は素早い処置を

2度の場合、頭痛や吐き気なども来て立っているのが難しくなってきたようなときは、病院に行くことを選択肢に入れてください。病院に行くか、自分で対処できるかをまず判断してください。

目安としては、自力で水分・塩分が取れるかどうかです。

2度だと疲労感が非常に強く、動くのがかなり制限されるので、日陰のベンチなどがあって横になれるのであれば、横になって休むのでも大丈夫です。横になる時は、足を頭よりも高い位置にするとおすすめです。

ただ吐き気もある場合があり、経口補水液を飲んでも戻してしまうとか、なかなか受け付けない時があります。これでは水分補給ができないため、必ず病院に行ってください。

3度は意識がもうろうとしている、呼びかけても返事がないという状態で、意識障害となるためすぐに救急車を呼んでください。

病院に連れて行くのではなく、119番で救急隊員の方に連絡をしてください。救急車が来るまでは、とにかく風を送ったり氷をあてるなどで冷やしてあげてください。

 

熱中症を防ぐために

熱中症の予防は、水分と塩分補給に尽きます。

ポイントは、1日中室内にいる場合はお水でもお茶でも大丈夫ですが、お昼の一番厳しい時に外に出たり、激しい運動をして汗を沢山かくようなときは、コーヒーやコーラのようなカフェインが入っているものは避けてください。

カフェインには排尿を促す作用があるため、体から水分を奪う原因になりますので、普通のお水、もしくはスポーツドリンクを飲んでください

量の目安はコップ1杯を250mlぐらいとして、1日8杯ほど飲んでください。8杯飲むと大体2リットルぐらいになります。

500mlのペットボトルで4本になりますが、大切なのは一気に飲むのではなくこまめに飲むことですので、小分けにして飲んでください。

また、熱中症は喉の渇きに関わらず、水分がどんどん抜けて行くため、喉が渇いていなくても飲む、ことに注意してください。

暑さで喉が渇くという事は危険な状態なのでこまめに、暑い日は特に意識して、多めに水を飲むようにしましょう。

最後に、前回も少し触れたかと思いますが、家の中にいるだけでも熱中症になることはあります

例えば料理中のキッチンは特に熱が発生して、こもりやすいので、長時間何らかの作業をするなどで熱中症になることはあります。

 

親指の爪を押してみて、体内の水分量を測る

自分が熱中症かどうかを確認する方法があり、親指の爪を指で押して、色が元に戻るまで2秒以上かかると、体の水分量が少なくなっている表れです。

普通の時の親指の爪は、少しピンクがかっていると思いますが、押してみると少し白く色が変わると思います。そこからピンク色に戻るまでの時間で水分量をある程度確認できます。

あともう一つ、脇の下に汗をかいているかどうかです。

通常、脇の下は汗をかきやすい部分で、汗をかいていることが普通ですが、水分量が大きく低下していて、汗をかけない時は脇の下が乾くことがあります

この場合は熱中症の一歩手前ですので、水分と塩分を両方ともとってください。

ちなみに、最近はおいしい経口補水液というのが売っていて、特に塩分などが不足していない普通の時に飲んでも、おいしく感じるというものが売られています。

これまでも何回か出てきている経口補水液のOS-1は、水分と塩分が足りていない時や体が欲しているときに飲むと、本当においしく、体に染み渡るように飲めますが、そうではない普通の時にはとても飲めないものです。

OS-1は、水分などを本当に体が欲しているかどうかがわかるのもメリットなので、出来るだけこれを使うようにしましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属