夏の終わりは蚊に注意!#739

夏の終わり頃にこそ注意したい「蚊」

今回は、夏の終わりにこそ気を付けたい「蚊」のお話です。

蚊は、夏の強烈な暑さに非常に弱いため、30℃を超えるような暑い時期には働きが落ちるという特徴があります。

言い換えれば、暑さが落ち着いた今の時期、具体的に言うと22℃から30℃の気温が最も活発に働く時期になります。

個人的にも今年は特に気にしていなかったのに、先日突然4か所ほど一気に刺されたということがありました。

もしかしたら夏の暑さが落ち着き、蚊が活発になっているかも、ということで、今回は蚊について取り上げてみたいと思います。

人を刺すのは産卵期のメスだけ

まず、蚊が人を刺して血を吸うのは、産卵期のメスのみの習性です。

オスはほかの虫のように、花の蜜や樹液で栄養を摂りますが、産卵期のメスの蚊は、人間の血から栄養を摂ります。

人の体温や汗、吐く息に含まれる二酸化炭素によって人間を感知して近づいてきて、刺してきます。

蚊は人を刺すうえに血液にも影響を及ぼすため、病気を運ぶ媒介にもなり、例えばデング熱は日本でも数年前に一部地域で流行したり、アフリカなどではマラリアもあります。

特に有名で、現在もワクチンの接種義務があるのが日本脳炎という病で、現在も少なからず患者さんが居る厄介な病になります。

刺されやすい人・刺されにくい人の特徴

次に、蚊に刺されやすい人と刺されにくい人の特徴ですが、まず具体的な理由は不明ですが、血液型がO型の方は刺されやすく、逆に刺されにくいのはA型と言われています。

汗をかく量が多い方や体温が高い方も、汗に含まれる乳酸などに蚊が寄ってきたり、蚊に感知されやすいため、刺されやすいことが分かっています。

また、蜂が黒い服に寄って来るのと同じように、色が濃い服の人のほうが刺されやすいことも明らかになっています。

これは蚊が白と黒の2色だけを判別でき、黒いほうに寄って来る習性があるためです。

そして前項でも触れたように、蚊は人間が出す二酸化炭素から感知することもできますが、人間はお酒を飲むとアルコールを代謝する際に二酸化炭素をの排出量が増えるため、外でお酒を飲んだ後は蚊が寄って来る可能性が高いです。

蚊の対策はスプレーがベスト

蚊の対策は室内であれば蚊取り線香でも良いですが、外に出る場合は虫除けスプレーを使うのが簡単で安全ですのでおすすめです。

ディートという成分が含まれているもので、一昔前には危ないと言われていたこともありますが、現在は安全性が確立していることが認められているので、安全に使うことができます。

スプレーをする場所は首元や顔がベストで、この位置はほかの部位に比べて体温が高く、また肌も露出しているため、特に刺されやすいところになるためです。

他には前項のように、白など色の薄い服を着るとか、外でお酒を飲むのを控えるのも有効ですが、ハンディファンによって顔に風を送るのも、風圧で物理的に蚊を寄せ付けなくなるため対策の一つになります。

かゆみ止めと炎症を抑えるステロイドが入っているお薬がおすすめ

最後に、蚊に刺されてしまった場合ですが、かゆみ止めが無い場合はできるだけかかずに、氷や流水で冷やして、早めにお薬を塗って対処してください。

お薬は市販のムヒやウナクールといった有名なかゆみ止め製品で問題なく治って行きます。

まれに、刺されたことによって炎症が強く起き、腫れる場合もありますが、その場合はステロイドが入っているドルマイコーチ軟膏や、医療用だとリンデロンVGといったものが最適ですので、家に一つ常備しておくと便利かと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属