ようやくピークは越えた?夏の感染症#738

依然として多い「風邪」の患者さん

今年は全国的に非常に暑く、8月後半でも猛暑日となった地域が後を絶ちません。

しかし、依然として当薬局には、風邪の症状で来られる方が結構多い印象です。

咳や鼻水、発熱といった症状で来られる患者さんが多く、時期で言うと7月ごろから現在までその傾向にあります。

今回はこの夏の感染症と、コロナの最新情報も含めてお伝えしていきたいと思います。

新型コロナウイルスの現状

まず始めに、現在の新型コロナウイルスについてですが、全数検査が無くなったのが5月で、無くなったことによっていわゆる「波」の数え方が難しくなったという現状があります。

5月以降は1週間ごとで、1医療機関当たりで1日どれぐらいのコロナの患者数が出ているか、という計測方法になりました。

これで見ると、5類に変わった直後当たりでは3.5人で微増していたのが、7月ぐらいになると一気に伸び、7月末には15.1と、4倍ぐらいにまで増えています。

そこから8月に入ると減少に転じ、8月2週目には14.1になりました。

ただ14.1人でも比較的多いほうですので、お盆明けの数字が出てくる現在は、もしかしたらまだ増える可能性はあると言えます。

夏風邪はプール熱と溶連菌に注意

次に、以前取り上げた夏風邪の現状ですが、体感ですが今年の手足口病は7月の始めにピークが来てから、現在は減少傾向にあるため少しずつ落ち着いてくるかと思います。

ただプール熱と溶連菌は、相変わらず感染力が非常に強く、タオルの使い回しなどで感染することが多いため、お子さんが居る方は特に注意してください。

これらの夏風邪は、特別な感染対策はあまりなく、前述のようにタオルの使い回しをしないなどを除けば、手洗い消毒や換気といった基本的な感染対策が主になります。

コロナは一応はピークアウトしているものの、夏風邪は未だ強く流行していますので、気をつけてください。

長引く市販薬の品薄

最後に、万が一コロナに感染してしまった場合ですが、治療薬はコストもかかる上にそもそも使いにくいため、使えない場合も多いです。

その場合は市販の風邪薬を使って症状を治して、免疫力で治していくことが主ですが、市販の風邪薬もまだ品薄ですので、もしものときは薬局に行く前に電話などで連絡をして、在庫があるかを聞いてから行くようにすると無駄足にならないのでおすすめです。

何かに感染したかも、と思われる場合は、まず病院や薬局に電話やラインで相談をしてから、診察を受けるようにするのがベストです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属