目に炎症が起きた時
目に身に覚えのない違和感がある、妙に痛い、という経験をした方は多いと思います。
いわゆる「ものもらい」のことです。
ものもらいは地域ごとで呼び方が違うものの一つで、東京をはじめとした関東圏では「ものもらい」、関西圏では「めばちこ」、愛知や三重などの中部では「めいぼ」、北海道では「めっぱ」など、様々な呼び名があります。
ちなみに、関東で呼ばれている「ものもらい」とは、3件の他の人の家を回って米をもらい、それを食べると治るという言い伝えから来ています。
そしてものもらいは、一年の中では夏に患者さんが増えるという特徴があります。
今回はこのものもらいについて詳しく触れていきたいと思います。
何らかの雑菌に感染して起こる感染症
ものもらいとは、何らかの雑菌に感染して起こる感染症の一つです。
とびひなどのように他人に感染させる力はありませんが、目の周りに付着した雑菌が、涙や汗を介して目に入ってしまい、炎症を起こします。
最初はゴロゴロとした違和感から始まり、進行するとかゆみが起き、さらに瞬きをするごとに痛みが出てくるようになります。
ものもらいが夏場に多いのは、単純に汗をかくことが増えるためです。
顔の汗によって目元が不衛生になりやすく、また汗も目に入りやすくなるためです。
目への刺激を減らして対処
ものもらいになったときは、痛みのない初期であれば目への刺激を減らしてみてください。
例えば普段コンタクトレンズを使っているのであれば、少しの間はメガネにして眼球への負担を減らすとか、仕事や家事などを休める環境であれば、しばらく目を温めるなどして目への刺激を減らすようにしてみてください。
もし、すでに痛みが出ている場合は逆に冷やして炎症を抑えてください。
普通の炎症には変わらないため、痛み止めが充分効きます。お薬も市販の目薬で治療ができます。
ものもらいへは、抗菌薬と書いてある目薬が最適です。
製品名でいうと、「ロート抗菌目薬EX」、「サンテ抗菌新目薬」などがあります。
これらを使えば数日で治っていきます。
ちなみに、抗菌薬の入った医療用医薬品の目薬は市販されていません。
つまり、零売されていないため、もし万が一ものもらいが大きくなったり、悪化してしまった場合や市販の目薬が効かない場合は眼科のお医者さんに診てもらってください。
専用の目薬を処方してもらったり、膿がたまっていれば膿を出したり、ステロイドのお薬を注入したりといった処置が必要になることがあります。
清潔にしておくこと・雑菌に気を付けること
ものもらいの予防は、とにかく目を清潔にしておくことと、雑菌に気を付けることに尽きます。
covid-19予防にもつながりますが、目をむやみに触らないようにして、もし触るときはきちんと手を洗って手指を消毒することを意識してください。
これは例えば普段からコンタクトレンズを使用している方は特に注意が必要で、レンズの入れ替え時に手指の消毒が甘いと簡単にものもらいを発症します。
またアイメイクの素材が合わずに炎症が起きたり、メイクを落とさないで寝てしまう場合も、雑菌が繁殖しやすくものもらいのリスクが高まります。
さらにまつ毛のメイクの時に、生え際までやってしまってメイクが目に入ることでも発症します。
ちなみに、普段から温めるくせをつけて、炎症を軽いうちにひかせるというのも予防になります。
最後は基本的なことですが、普段から体調を整えて免疫力を高めておくのも大切です。
栄養と睡眠をとることはもちろん、ストレスをためないとか、普段から目を使いすぎないといったことも予防になりますので、ぜひ普段から気を付けてください。