夏本番前にスタート!夏バテしない体の作り方!#907

7月半ばになり、全国的に暑さが強まってきています。

最近、患者さんとお話ししていてよく聞くのが、昔より確実に暑くなりましたよね」という言葉です。

とにかく暑い、湿度が高くてしんどい、という患者さんが多く、実際に自分の小さい頃の夏と比べて、最近の暑さは一段と厳しく、しかも持続的に感じるようになりました。

患者さんでも夏バテや夏風邪で体調を崩す方が多いですので、今回は今一度、夏バテについてまとめて行きたいと思います。

夏バテの症状と改善策

夏バテとは、高温多湿の気候によって自律神経の乱れを引き起こし、食欲不振・倦怠感・胃もたれ・疲れやすさといった症状が現れることです。深刻なものだと、免疫力が落ちて夏風邪や体調不良につながるというケースこともあります。

夏バテの回復には、睡眠と食事が何よりも大切になり、最優先なのはしっかり休むことです。

無理に動かずに睡眠時間を確保することを意識して、例えば熱帯夜では節約せずに体を冷やしすぎない程度にエアコンを使って、快適に眠れる環境を作ってください。

食事では、食欲が落ちたときはそうめんや豆腐、ヨーグルトなど食べやすく消化に良いものを中心に食べて、少しずつ食べられるようになったら、卵や納豆、豚肉、レバーなど、タンパク質やビタミンB群を含む食材を取り入れていくと、より効率よく回復できます。

また、暑いからと言って冷たい飲み物ばかりに偏ると内臓を冷やしてしまうので、常温の水や麦茶、スポーツドリンクなどを適度に取り入れるとなお良いです。

日々の生活リズムと習慣がカギに

夏バテ予防についてですが、まずは自律神経を乱さない生活リズムが大切になります。

規則正しい起床、食事、就寝のタイミングを作るのが最も理想ですが、難しい場合は朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びるだけでも、体内時計がリセットされるため、効果があります。

また、冷房の使い方にも注意が必要で、可能であれば室温は26から28度を目安にして、自分用の扇風機なども活用して快適な環境を整えてください。

そして一般的なことになりますが、運動不足も自律神経の乱れの原因になるため、軽いストレッチやウォーキングなどで、血流を促す動きをするのもおすすめです。

お風呂はぬるめのお湯で10分から15分ほど浸かると、リラックス効果とともに自律神経も整っていきます。

夏バテに効果的な食材・漢方

夏に摂りたい食材としては、トマト・きゅうり・なす・ピーマンなどの「夏野菜」があります。

これらには水分やミネラルが豊富に含まれており、体にこもった熱を冷ましたり、汗で失われがちな栄養素を補う役割があります。

疲労回復には、クエン酸を含む梅干しやレモンなども効果的ですので、レモンドレッシングなどで夏野菜を食べるのはとてもおすすめです。

漢方薬では、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や、清暑益気湯(せいしょえっきとう)が夏バテ対策として使われることが多く、市販薬や医療機関でも取り扱いがあります。

ちなみにお酒も、睡眠の質を下げてしまう可能性があるため、出来るだけ週に1日か2日は飲まない日を作って、体の回復にあてることをおすすめします。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属