ジリジリ太陽に勝つ!日焼けと上手に付き合うための極意#911

強い陽射しと日焼けの対策を

連日、全国的に暑い日が続いており、陽射しや日焼けで悩む方も多いと思います。

例えば最近では、日傘を使う人も増えていますが、昔と比べてただ暑いだけではなく、肌に突き刺さるような日差しの強さを感じる方も多いはずです。

今回はこの陽射しと日焼けについて、今一度まとめて行きたいと思います。

日焼けの仕組み

まず、一般的に言う日焼けとは、紫外線によって肌がダメージを受けた状態で、いわば軽いやけどを起こしているようなものです。

紫外線には、肌の表面に炎症を起こすUVB(B波)と、肌の奥深くにまで届いてシワやたるみの原因となるUVA(A波)の2種類があり、特にUVBは赤みやヒリヒリとした痛みを伴う炎症を引き起こし、一方のUVAはコラーゲンやエラスチンなど肌の弾力を保つ成分を傷つけ、老化を進行させてしまうという特徴があります。

そして、日焼けをすると肌が黒くなるのは、紫外線から肌を守るために、メラニン色素が生成されるためです。本来、メラニンとは身体を守るための大切な機能ですが、長期間蓄積されるとシミやくすみとして定着します。

紫外線は免疫力にも影響が

また、紫外線は免疫力にも影響を与えてしまい、紫外線による炎症が続くと身体は修復にエネルギーを使うため、外部からのウイルスや細菌への抵抗力が弱まります。

さらに、紫外線から白内障や皮膚がんといった深刻な病にも影響があります。

紫外線は太陽光ですので、曇りの日や室内でもガラスを通してUVAに当たるため、念入りな紫外線は充分効果的です。

ピークとしては6月から8月ですが、UVAは冬場でも多く降り注いでいるため、特に午前10時から午後2時は注意が必要な時間帯となります。

日焼けしてしまった時の対処と回復法

もし、日焼けしたと感じた時は、まずはそれ以上紫外線を浴びないように、日陰や屋内に避難します。そして、肌に赤みや痛みが出ている場合は、冷水や冷たいタオルで優しく冷やして、炎症を和らげます。

その際、氷や保冷剤を直接当てるのは刺激が強すぎるため避けてください。

炎症が落ち着いてきたら、低刺激の化粧水や保湿ジェルで水分を補い、保湿をします。日焼けは肌の水分を奪うため、内側からの水分補給も重要で、回復を早めるためにはビタミンCやビタミンEがあると便利です

もし広範囲にひどい日焼けをしたり、水ぶくれや強い痛みがある場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

ちなみに、日焼けと似た症状を引き起こす熱中症との見分けも大切で、発熱・吐き気・だるさなどの症状があるときは、単なる日焼けだと思わずに、医療機関に相談していただければと思います。

紫外線対策と日焼け止めアイテムの選び方・使い方

最後に日焼け対策についてですが、大前提として必要なのが、直接日差しを浴びないことです。

帽子やサングラスを活用して、衣類で肌を覆うのがベストですが、真夏に長袖を着続けるのは難しいと思います。

そこで頼りになるのが日焼け止めアイテムで、日焼け止めアイテムは、紫外線を吸収して防ぐ紫外線吸収剤と、反射・散乱させて防ぐ紫外線散乱剤の2種類があります。

吸収剤は化学物質が主ですが、散乱剤は化学物質が無いいわゆるノンケミカル製品ですので、敏感肌の方には散乱剤タイプがおすすめです。

そして、日焼け止めアイテムについている、SPFとPAという2つの指標があります。

まずSPFはUVBを防ぐ効果を、PAはUVAを防ぐ効果を表しており、SPFの数値が高いほど効果が長持ちして、PAの+の量が多いほど日焼け止めとしての効果が強いという違いがあります。

ですので、日常生活ではSPF30PA++程度で十分ですが、海や山などの屋外で長時間過ごすという場合には、SPF50+・PA+++以上の製品を選ぶと安心です。

使用する際に重要なのは、十分な量を塗ることと、こまめな塗り直しです。

顔全体に塗る場合、目安は500円玉大の量で、タイミングは朝に1回だけではなく、数時間おきに塗り直すと、より効果を発揮してくれますので、意識してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属