しゃっくりってどうやって止める?危険なしゃっくりって何?#801

危険な場合もある「しゃっくり」

先日、通勤途中の電車内で、大きめのしゃっくりが突然出てしまい、困っている方を見かけました。

しゃっくりは、voicyでも一度も取り上げたことが無かったようですので、今回はこのしゃっくりについて、詳しくまとめて行きたいと思います。

呼吸に関わる筋肉が急激に収縮する現象

人間のしゃっくりという現象は、簡単に言うと呼吸に関わる横隔膜という筋肉が、何らかの原因で急激に収縮してしまう、という現象です。

収縮することで急に肺に空気が吸い込まれ、声帯が閉じ、意図せず声が出ることがあります。

横隔膜が収縮する原因は様々あり、暴飲暴食や急激な温度変化、何らかのストレスや、興奮することで起きるとされています。

基本的には、しゃっくりが起きても数分程度か、長くても数時間程度で収まることが大半ですが、もし24時間以上続くような、睡眠にも影響が出てしまうようなしゃっくりの場合は、何らかのはっきりとした原因がある場合がありますので、注意してください。

しゃっくりを止める方法

しゃっくりを止める方法というと、都市伝説的なおまじないのようなものから、ツボを抑えるもの、物理的に横隔膜に影響を与えて止めるものなど、様々あります。

例えば、ゆっくりと時間をかけて深呼吸をしたり、息を止めたり、水をゆっくりと飲んだり、水に砂糖を入れて一気に飲み込むなどです。

いずれも肺や横隔膜の筋肉に刺激を与えて、収縮を抑えるという形です。

また、紙袋に口を入れ、紙袋の中で呼吸をするように、ゆっくりと息を吸うとか、砂糖水ではなく細かく砕いた氷を飲み込む、レモンを齧るといったことも、刺激になってしゃっくりが止まると言われています。

漢方薬で言うと、柿蒂湯(していとう)という漢方で、市販薬だとネオカキックスという名前で売っていることがあります。

もう一つ、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)という漢方もおすすめですので、興味があれば調べてみてください。

48時間以上続いた場合はお医者さんへ

次に、危険なしゃっくりについてですが、しゃっくりが起きてから48時間以上経過している場合は、お医者さんの診察を受けてください。

肺ガンや肺炎と言った呼吸器の問題はもちろん、中枢神経に異常があり、脳腫瘍や脳卒中のサインとしてしゃっくりが起きていることがあります。

そういった場合では、胸の息苦しさや発熱と言った、その他の症状も併発することが多いですので、見逃さないで、心当たりがあれば病院に相談してみてください。

48時間以上、しゃっくりが治らずに続いているという場合は、恐らく前項に挙げたような解消法は一通り試しているかと思いますので、もし一通り試しても治らないという場合であれば、病院に相談するのをおすすめします。

一度治ってもすぐに再発するような、慢性的なしゃっくりは、睡眠に影響が出るなど、日常生活に支障が出ることもありますので、心当たりがなく、何かおかしい感じがするしゃっくりであれば、早めに病院に行くのがベストです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属