お昼寝の効果はどれほどあるの?#692

実はメリットが多いお昼寝

今回も趣向を一気に変えて、お昼寝のお話しです。

自分も普段から昼休みの時に、少し仮眠をとるのですが、大げさですが昼寝は夜の睡眠よりも効果が高い、と言われることもあるほど、メリットが多いとして有名です。

メリットとは、ストレス解消や疲労回復、集中力や学習能力の向上と言った効果が、昼寝をしない1日と比べて高くなる、という事です。

今回はこのお昼寝について、少しまとめてみたいと思います。

昼の眠気は、脳の疲れの表れ

昼寝、仮眠の原因となるのが、お昼に来る眠気です。

お昼に眠気が来るのは、簡単に言うと脳が疲れているためです。

脳が疲れていると集中力が落ちるなど、活動量が下がってきますが、睡眠をとることで回復しますので、お昼に少し眠るだけでも見違えるように気分がスッキリとするのです。

以前、お昼に26分間の仮眠を取った人と取っていない人とを比べた実験データがありますが、この結果仮眠を取った方の認知能力が34%向上して、注意力が54%上がったという結果が出ています。

他にも様々な角度から昼寝の研究がされており、例えば学習能力や記憶力が上がったり、精神的な安定、ストレスの解消に効果があったという事も言われています。

ただ、これは昼夜逆転のような、活動の合間の昼間だけ眠れば良いという事ではなく、夜もしっかりと睡眠をとって、その上で昼も仮眠をとるのがベストです。

この理由は、人間は昼と夜の2回、睡眠をとる動物だったからという説があります。

進化と共に朝から夜になるまでの間は活動を続け、睡眠をとるのは夜だけになり、昼寝の習慣が無くなったとされています。

ですので睡眠のリズムとして考えた場合、眠気を感じる前に、意識して眠るのが最善と言えます。

効果的な昼寝のとり方

最も効果的な、メリットの大きい昼寝のとり方についてですが、まず起きてからいつ眠気が来るかを把握してください。

起きて活動を開始して、およそ8時間後ぐらいからなんとなく眠たくなる、と言うようなときは、その1時間前、起きてから7時間後ぐらいに一度仮眠を取れるように調整してみてください。

時間としては、長くても30分程度眠るのがベストです。これは後述しますが、長すぎると逆にパフォーマンスが落ちる原因となりますので避けてください。

長く寝すぎないように、丁度良く起きるのに便利なのがカフェインです。

カフェインには覚醒効果があり、コーヒー1杯で言うとおよそ30分ぐらいで覚醒効果が出るため、睡眠に入る前に1杯飲むとスッキリと起きられます。

次に環境づくりですが、個人的差があり自分はうるさい環境でもあまり問題ないですが、例えば静かなところでないと眠れないという場合は耳栓やノイズキャンセリングイヤホンを使うとか、明るい所では眠れないという方はアイマスクを使うのがおすすめです。

昼寝は15時までに

次に時間帯についてですが、「昼寝」の時間は遅くても15時までにとってください。

15時以降は普通の睡眠に近くなるため、15時以降に昼寝をすると夜の寝付きが非常に悪くなる可能性があります。

昼寝はあくまでも一時的な、疲労回復や集中力の向上が目的で、1日の疲れを取るのは夜の睡眠ですので、遅い時間の昼寝は夜の睡眠に影響が出てしまいます。

そして前項で触れた昼寝の時間、長さについては、30分以上寝ると本格的な睡眠状態に入るため、起きたときに頭がぼーっと寝ぼけた感じになり、逆に集中力などが大きく低下します。

時間でいうと 寝付いてから1時間から3時間後ぐらいの時間は、かなり深い睡眠状態になり、その途中で起きると目が覚めるまでかなりの時間を要することになります。

軽く眠気をとってスッキリとするための昼寝が、逆に午後の活動に影響が出るほど強く眠気が残る可能性もあるので、時間は特に注意してください。

生活リズムに合わせて、昼寝に入る時間帯と、昼寝に使う時間を考慮して、1日の昼寝は大体30分以内にするように決めるのが最適かと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属