「サプリメント」という食品
先日から、紅麹関連の話題が相次いでいます。
仕事柄もあり、インターネット上でも目にする機会が特に多く、温かい声で支える方も多い一方、デマや心無い批判もあり、嫌な気分になることもあります。
voicyでも度々、サプリメントや健康食品について取り上げたことがありますが、今回は今一度、この話題にも関連して、「サプリメント」そのものについてまとめて行きたいと思います。
アメリカではサプリメントによって年間2万3000件の方が救急外来へ
サプリメントとは、日本での扱いを簡単に言うと健康食品のカテゴリーに入るもので、何かの病を治す治療薬とは全く異なるものです。
例えば、脂肪の消化吸収を抑える成分を1錠に凝縮したものや、ビタミンを1錠に入れたものなどです。
ちなみにサプリメントは、アメリカでは日常生活に欠かせない必需品みたいな位置で使われています。
またプロスポーツ選手など、アスリートにとっても欠かせない栄養補給源になっています。
しかし、サプリメントは、飲むこと出られる効果は、種類や開発メーカーによってバラバラという点があります。
アメリカの事例で言うと、NEJMという医学雑誌で、サプリメントにおける事例を調べた結果が載っています。
それによると、サプリメントの副作用や有害事象によって、およそ2万3000件の方が救急外来を受診されていたというデータがあります。
もちろん、人口比が大きく違い、サプリメントの利用者数は全く違いますが、医薬品とは製造過程も認可の基準も違うというだけで、副作用が起きる可能性は飛躍的に高いことは確かです。
具体的にどういうサプリメントで、副作用が起きやすいかと言うと、ダイエットや精力増強といったことに関するものが中心です。
こうしたものだとやはり、心臓に負担がかかり、不整脈などを引き起こしやすいとされています。
その他では、サプリメントはほかの医薬品との飲み合わせに注意が必要になるものも多いという特徴があります。
例えばリラックス効果が高い、セントジョーンズワートと言うものがありますが、これは何らかのお薬を服用中の方は非常に注意が必要なサプリメントになります。
また、公式な競技に出る方や、プロシーンで活躍するアスリートの方は、適当にサプリメントを飲んでしまうと、うっかりドーピング違反になるということもあります。
意図しないドーピングは、現在の日本でも年間4例ほどは起こり得ることですので、これも注意が必要と言えます。
サプリメントの選び方
サプリメントの正しい選び方ですが、まず前提として日本で一般的に流通しているサプリメントは、全て食品として認可を受けているものですので、重大な副作用が起こることはまずありません。
そしてそれを踏まえると、まず治療薬を使った方がいいのか、サプリメントで大丈夫なのかをきちんと判断するのが良いかと思います。
例えば血圧やコレステロール値が気になる方に向けたサプリメントは非常に多いです。
そのサプリメントの使用を考えた時、本当に常に血圧が高いとか、コレステロール値が異常になっている、と言うときは、サプリメントではなくお医者さんの指示の元で治療をする必要があります。
そうした場合では、サプリメントを飲んでもその場しのぎにもならず、徒労に終わってしまうのです。
サプリメントを使うのは、検査値が少し高めだから今から対策をしておくとか、家族などでコレステロール値が高い人が居たから、自分も高くならないように予防として飲んで、コレステロールや血圧対策を始めていく、という場合にするのがベストです。
具体的に選び方についてですが、まずは単純に、そのサプリメントが信用できるかどうかがポイントになります。
これは実体験に基づく、主観的な部分ではありますが、怪しいサプリメントほど広告が誇大なのは確かだと思います。
例えば、一つであらゆる悩みが解決するとか、内容よりも体験談とかレビューが中心になっているもの、即効性が期待できるとうたった広告は危険と言えます。
日本では薬機法の関係もあって、広告にはルールが定められていますが、怪しいサプリメントほどそうした法律を無視するため、やはり誇大表現がされているものは避けるのがおすすめです。
そしてアスリートの場合、ドーピングにならないものを選びたいというときは、第三者認証マークがあります。
第三者認証がされているものは、その製品の中にドーピングになる恐れがあるものは除いているということが確認され、販売されているものですので、そうしたものを選ぶのが最善です。