小林製薬製造の紅麹サプリメントで健康被害が
先日3月22日に、小林製薬さんが製造する紅麹が含まれた製品の使用中止と回収が発表されました。
きっかけとなったのは、小林製薬さんが製造する紅麹関連のサプリメント内に、把握できていない未知の物質が含まれていた、ということからです。
簡単に言うと、本来入るべきではない物質が入っていたということで、その原因等は現在調査中とのことです。
そして、この製品を摂取した方で腎臓への悪影響が発生しており、現状だと6人が入院してそのうち5人は退院、その他7人の方が通院中、ということが確認されています。
今回はこのニュースについて、現在分かっている最新情報等をまとめて行きたいと思います。
実際に健康被害が確認された製品
現在、小林製薬さんから正式に発表している、健康被害が確認された製品は、紅麹コレステヘルプ、ナイシヘルプ+コレステロール、ナットウキナーゼさらさら粒GOLD、の3製品です。
紅麹コレステヘルプのみ、45粒入り以外にも90粒入りと60粒入りがあるため、厳密には5製品が対象品となっています。
ただ、サプリメントは同じような名前が多く、ナイシヘルプとナイシヘルプ+血圧には、紅麹が含まれていないため、回収対象にはなっていません。
もし万が一、これらの製品が手元にある場合は使用をせずに、購入先等に連絡をしてください。
今回の問題はこれだけではなく、小林製薬さんが製造を担当した紅麹は、およそ50社の飲料メーカーや食品メーカーに食品原料として販売しているという点です。
これについて、小林製薬さんは具体的にどこのメーカーに販売したかは、現時点では発表しておらず、今後の動向に注目が集まっています。
紅麹とは
今回取り上げられた、紅麹と言う物質ですが、これは文字通り、麹の一つです。
味噌や醤油、焼酎と言ったものの原料として有名ですが、紅麹は中国で薬膳の原料として用いられることが多く、非常に古い医学書となる、本草学(ほんぞうがく)に記述があるほど、古い時代から健康食品で使われていた麹の一つです。
具体的な効果は、主に消化や吸収の働きを高めたり、血液の流れを良くするといったことがあります。
サプリメントとして使われているのは、コレステロール値を下げる効果が期待されているためです。
今回、小林製薬さんが作っていたサプリメントでも同様に、悪玉コレステロール値を下げる効果が認められていたため、入れていたとされています。
しかし、実は欧米では紅麹に関して注意喚起がされており、紅麹菌の一部では有毒性が確認されていたという点があります。
シトリニンと言う物質で、実際に腎機能障害を引き起こしたという事例があるため摂取量の基準値が定めされており、スイスでは紅麹の売買について法で禁じられています。
シトリニンではない未知の物質が入っていたのが原因
ですが、小林製薬さんはその紅麹の研究と改良を進め、2020年に世界で初めて、シトリニンを生まない紅麹菌を開発し、それによって紅麹を製造していたという経緯があります。
ですので、今回腎機能障害を引き起こしたのは、そのシトリニンではない、把握していない物質によるものですので、注意してください。
どのような経緯で未知の物質が混入したのか、腎機能障害が起きたのかは調査中であり、続報を待ちたいと思います。
サプリメントの健康被害を防ぐために
最後に、今回のような健康被害を防ぐために大切なことですが、前提として今回のような事態は非常にイレギュラーで稀なケースですので、正直に言うと、防ぎようがないと言っても過言ではないと思います。
出来ることは限られますが、まず一つは何かあった時にすぐに相談できる体制を作っておくことも手です。
お薬の場合だと、何らかの副作用や不調があった場合には、かかったお医者さんや薬剤師にすぐに連絡する、ということは思いつくと思いますが、サプリメントも同様で、何かあった場合は購入先の方や薬剤師等に相談するようにしてください。
そのためには、パッケージを取っておくか、パッケージの裏面のような成分表の部分を写真に撮っておくことがおすすめです。
メーカーに連絡するのも手ですが、実はメーカーに連絡をしても、クレーム処理的な対応に終始するケースもありに、健康被害だと真剣に受け取らないこともまれにあります。
ですので、もし心当たりがあって不安になあった時は、まずはドラッグストアの店員さんや薬剤師と言った、医療従事者の方に相談するのが最善です。