PM2.5ってなに?気をつけるべき症状と対策は?#862

花粉と同時にPM2.5にも要注意

最近、ついに花粉症の患者さんが増えてきはじめ、花粉症シーズンの到来を感じています。

ですが、この時期に飛散するのは花粉だけではありません。

特に注意が必要なのが、大気汚染物質の一種であるPM2.5です。

PM2.5と、は、直径2.5マイクロメートル以下の非常に小さな粒子で、いわゆる大気汚染物質のひとつになります。

髪の毛の太さで言うとおよそ30分の1程度の大きさしかなく、これを知らず知らずのうちに吸い込んでしまうと、主に呼吸器系の病を引き起こす可能性があります。

今回は花粉と同時に気を付けたい、PM2.5について、今一度まとめていきたいと思います。

PM2.5とは

PM2.5とは、主に車の排気ガスや工場の煙、火力発電所の排出物などから発生します。春先に中国大陸からの黄砂とともに、日本に流れ込むことが多いことで有名ですが、実は山火事や家庭の暖房、タバコの煙などもPM2.5の発生源となるため、意外に身近にある物質になります。

PM2.5は、その大きさが非常に小さいため、鼻や喉を通り抜けて肺の奥深くまで入り込みます。

特に、呼吸器系や循環器系に深刻な影響を及ぼしやすく、例えば喉の痛みや咳、息苦しさといった症状はもちろん、気管支炎や喘息の悪化を引き起こすこともあります。

また、長期間吸い込むことで、COPDという慢性閉塞性肺疾患のリスクも高まります。COPDというと喫煙者の方によく起きるとされていますが、

また、PM2.5は血流に乗って全身を巡るため、心筋梗塞や脳梗塞といった循環器系の疾患のリスクを高める可能性もあり、特に小さなお子さんや高齢者、妊婦の方、そして心臓や呼吸器に持病を持つ方は、PM2.5の影響を一層受けやすいとされています。

PM2.5の濃度と基準値

PM2.5は、常に同じ濃度で存在しているわけではなく、日によって変動します。

現在の日本の基準では、1日平均で35㎍/㎥以下であれば、健康への影響は少ないとされており、70㎍/㎥を超えると健康被害が発生しやすくなるとして、注意喚起の目安になります。

これは実際に、PM2.5の濃度が高い日には体調不良を訴える人が増えることが分かっており、大気汚染と健康への影響には明確な因果関係があると考えられています。

最近は対策も進んでおり、大気汚染に関する報道は一時期よりも減っていますが、PM2.5は依然として存在しておりますので、不安があれば日頃から対策していくのが良いかと思います。

PM2.5対策と日常でできる工夫

PM2.5の、日常的にできるな対策としては、最も効果的なのは情報収集です。

PM2.5の濃度は、各天気予報サイトや環境省の大気汚染予測システムなどで定期的に発表されていますので、すぐに確認できます。冬から春にかけての時期、不安に思う方は定期的にチェックしてみてください。

外出時は花粉症対策に通ずる部分もありますが、不織布マスクを着用は大きな予防になり、高性能フィルター付きのマスクを使用するとより効果的で、目もメガネをかけることである程度は軽減できます。

呼吸時は鼻呼吸を意識するのも予防になり、逆に外で激しい運動をすると呼吸が激しくなり、その分吸い込む量も増えるため、屋外での運動は出来るだけ避けるのが安全です。

室内については、窓を開けると室内に入って来ますので、換気は最小限にして、可能であれば空気清浄機を使用するとより効果的ですので、取り入れてみていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属