牡蠣による食あたりに
先日、ある知り合いから、牡蠣に当たってから食べられなくなった、という話を聞きました。
牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれるほど栄養豊富な食材ですが、一方で食あたりのリスクがあることでも知られています。
牡蠣による食中毒の主な原因はノロウイルスであり、特に冬場に多く見られます。
言い換えれば、ウイルスが無ければ当たらないため、何度も繰り返し起こるものではありません。
食べるたびに何度も当たってしまうのは、一言で言えば牡蠣アレルギーが起きているということです。今回はこの牡蠣と牡蠣アレルギーについて、まとめて行きたいと思います。
牡蠣による食あたりの原因と種類
まず、牡蠣の食あたりはノロウイルスが有名ですが、ノロウイルス以外で言うと腸炎ビブリオ菌による食中毒も発生します。これは生の魚介類全般に見られる細菌で、感染すると腹痛や下痢、発熱などの症状が現れます。
そしてもう一つ、稀にですが貝毒と呼ばれる、牡蠣自体に含まれる毒素が原因で食中毒が起こることもあります。例えば養殖ではない天然のもので、自然の環境で採取した牡蠣にはリスクが高いとされています。
これらはいずれもウイルスや毒素によるものですので、きちんと加熱消毒をしたり安全な養殖ものであれば、当たることは防げますが、ごくまれにアレルギーとなるケースがあります。
牡蠣アレルギーとは
牡蠣アレルギーとは、牡蠣に含まれる特定のタンパク質に対してアレルギー反応を起こしてしまった状態です。
一度当たってしまうと、次にウイルスなどがない牡蠣を食べたとしても、下痢や腹痛と同時に、口や喉のかゆみ、蕁麻疹が起きたり、重症なものだと呼吸困難やアナフィラキシーショックといった症状が現れることもあり、こうした症状が起こった場合は牡蠣アレルギーの可能性が高いです。
この牡蠣アレルギーは、最初に食べた際には発症せず、何回か食べることで突然発症することが多いとされています。
そのため、最初の食あたりがウイルスや細菌によるものであっても、それがきっかけでアレルギー体質になってしまったということもあるのです。
牡蠣による食あたりの予防と対策
最後に、牡蠣による食あたりの予防ですが、何よりも効果的なのは加熱です。中心部を85~90度で90秒以上加熱することで、ノロウイルスを死滅させることができます。
スーパーなどでは生食用と加熱用の牡蠣が販売されていますが、加熱用のものは必ず火を通して食べてください。
また生食用であっても、体調が優れない時は消化の能力や免疫力が落ちている可能性があるため、生食を控えるのも手です。
もし、過去に牡蠣で食あたりを経験してから、再び食べたい場合は、十分に加熱された牡蠣を試してみてください。
加熱した牡蠣を問題なく食べられればウイルスなどによる食あたりだった可能性が高いですが、加熱した牡蠣でもかゆみなどの症状が起きた場合は、牡蠣アレルギーになってしまった可能性がありますので、牡蠣を食べるのは避けることをおすすめします。