なかなか治りにくい手湿疹
先日、うちの娘が手湿疹になったという話を聞きました。広めの手湿疹で全然治らず、結構辛いという話になりました。
手湿疹とは文字通り、手の皮膚に炎症が起こる疾患の一種で、日常的に水や洗剤に触れる機会の多い人に発症しやすく、主婦湿疹とか手荒れ」も呼ばれることもあります。
湿疹については以前voicyでもまとめましたが、今回はこの手湿疹について詳しくまとめて行きたいと思います。
手湿疹の原因
手湿疹の主な原因は、簡単に言うと皮膚のバリア機能が低下することによる刺激やアレルギー反応です。
例えば、普段の食器用洗剤や消毒液、髪に使うパーマ液、カラー剤などの化学物質が皮膚にダメージを与え、炎症を引き起こします。
症状としては、発症部位や進行具合によって異なりますが、初期症状は皮膚の乾燥やかゆみ、軽い赤みが現れ、そこから進行すると、水疱やひび割れ、かさぶたとなることもあります。
手のひらや指先など皮膚が厚い部分では、ひび割れやゴワつきが目立ちやすく、逆に指の間や手首など皮膚の柔らかい部分では、赤みやかゆみが強く出るのが特徴です。
手湿疹の治療法と薬の選び方
手湿疹の治療には、主にステロイドの塗り薬が使用されますが、その場所や症状によって最適な種類が変わります。
ステロイド外用薬には5段階の強さがあり、手のひらなど皮膚の厚い部分には最も強い部類のお薬が処方されることが多く、逆に顔や首など皮膚が薄い部分では吸収率が高いため、弱めの薬が選ばれます。
逆に言えば、皮膚の厚い部分に弱い薬を塗っても、効かないため無意味なのです。
そして、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬などの飲み薬を併用することもあります。
かゆみがひどいと無意識に掻いてしまい、症状を悪化させる原因となります。
湿疹が落ち着いてくると、保湿剤とステロイドを混ぜた軟膏を使って、徐々に薬を減らしていくという方法が最もおすすめです。
手湿疹を予防するために
手湿疹の予防には、日常的なケアが大切です。特に重要なのは、手をできるだけ刺激から守ることです。
例えば、食器洗いや掃除の際にはゴム手袋を使うのは大きな予防になります。
また、美容師の方や医療従事者など、頻繁に化学薬品や消毒液を使用する職業の方は、プラスチック手袋を着用するのも効果的です。
手洗い後のケアとしては、タオルやペーパータオルで軽く押さえるように水分を拭くようにして、できるだけ摩擦を避けるのがベストです。そして速やかに保湿剤を塗って保湿すると、皮膚のバリア機能を維持しやすくなり、湿疹が治っていきます。
特に就寝前にはしっかりと保湿を行うことで、手の乾燥を防ぐことができます。
再発を防ぐためのポイントと注意点
手湿疹は一度治っても再発しやすいのが特徴ですので、こまめに保湿剤を使用して乾燥を防ぐのも大切です。
使う量の目安としては、人差し指の第一関節の長さ分のクリームを手のひら2枚分に伸ばす程度がおすすめです。また、指の関節や指の間など、塗り忘れやすい部分もしっかり保湿することが大切です。
ちなみにお店などで置かれているアルコール消毒もあると思いますが、その消毒液の使い過ぎも注意が必要です。
アルコール消毒は皮膚の水分を奪うため、気になるときは保湿成分が含まれた消毒液を持ち歩くのも手です。また手湿疹に限ったことではありませんが、冬場はエアコンなどによる乾燥が進みやすいため、加湿器を活用するのも一つの予防になります。
手湿疹は、適したステロイドのお薬とこまめな保湿をしていけば治りますので、普段からこまめにケアしてみてください。