3大夏風邪が流行中!どう予防したら良い?#718

お子さんを中心に「夏風邪」が大流行

最近、徐々に新型コロナの感染が広がっているというニュースも入ってきますが、それ以上に急速に拡大しているのが、夏風邪です。

特に小児科の領域、お子さんを中心とした流行が去年よりも多く、原因の一つとしてはコロナが5類になったことで、去年よりも感染対策への意識が下がっているというのもあると思いますが、やはりウイルスそのものの感染力も強いのも大きな要素です。

今回は現在流行している夏風邪の種類について、詳しくまとめて行きたいと思います。

3大夏風邪とは

夏風邪とは、文字通り主に夏に流行しやすい風邪のウイルスのことで、大きく分けると3種類あるため、3大夏風邪と言われることもあります。

プール熱、手足口病、ヘルパンギーナの3つです。

まずプール熱は、正式には咽頭結膜熱と言い、お子さんが夏に入るプールの水から感染することが多いため、プール熱と呼ばれるようになりました。

症状としては一般的な風邪の症状が主ですが、プール熱の特徴は目が充血するという症状がある点で、目の充血や目やにが多いのと同時に風邪の症状がある場合は、プール熱の可能性が高いといえます。

プール熱は症状が出てからおよそ1週間程度で治って行きます。

次の手足口病は、風邪の症状と同時に名前の通り手のひらや足の裏などに湿疹ができるというもので、大きさとしては米粒程度から水ぶくれのようになるものまであります。

これも多くの場合は数日程度で治って行きますが、ごくまれに脳炎のような合併症が起こる可能性があるため、結構厄介な病です。

最後のヘルパンギーナは、急な高熱と激しい喉の痛みが特徴で、痛みによって食事が難しくなることもあるという病です。

ヘルパンギーナによる喉の痛みは、喉の奥に小さい水ぶくれなど、湿疹ができ、それが刺激されることで激痛が走るという仕組みです。

これも数日程度で治ることがほとんどですが、まれに無菌性髄膜炎などの合併症が起こることがあり、こちらも注意が必要です。

以上が3大夏風邪です。

いずれの病名も、お子さんがいる方で小児科に行ったことのある方でしたらポスターなどで見たことがあると思いますが、実は全て普通の成人でも感染することがあり、また感染した際には症状が重く出ることがあるため、しっかりとした感染対策が大切です。

水分を補給して安静に

これらの3大夏風邪の治療ですが、そもそも風邪の治療というと、解熱剤などを使って安静にして休むのが主なように、これらの夏風邪もそのようにして治す以外ありません。

つまり、インフルエンザにおいてのタミフルのような専用の治療薬は無いということです。

ですので、安静にして自力で、免疫力を使って治していくしかないですが、大切になるのが水分です。

いずれも風邪の症状ですので、発熱を伴うことが多い上に、夏場で暑い環境にあると、水分補給は非常に大切になってきます。

ですが、ヘルパンギーナのような喉の痛みが激しい症状の時は、お水を飲むのも難しくなる場合があります。

その場合は自力での水分補給ができないほど悪化しているという現れですので、病院で点滴による処置が必要になります。

喉の痛みが強く、水分補給をうっかり忘れてしまい脱水症状になるということが非常に多いため、必ず忘れずに意識してください。

合併症の初期症状を見逃さない

夏風邪で厄介なのは、前述のように合併症です。

特にお子さんが感染した場合で、合併症を引き起こすと重大な事態になることが多いですので、もし初期症状があればすぐに病院に行くようにしてください。

ポイントは、明らかに風邪とは違う症状があるかどうかを確認してください。

例えば頭痛や吐き気、息苦しさがあるというようなときは、一般的な風邪とは違うため、別の病が起きている可能性が高いですのですぐに病院に行ってください。

頭痛と言っても、お子さんの自己申告だと判断が難しいと思いますが、普段と様子が違う感じがする場合は悩まずにすぐに相談に行くのがおすすめです。

普段の感染症対策で予防を

これらの夏風邪は、いずれも新型コロナやインフルエンザと同じく、飛沫感染や接触感染ですので、これまでのコロナの感染対策で予防ができます。

ですので、まずはトイレの後や食事の前などのこまめな手洗い、手指の消毒は欠かさずに行ってください。

特にこれらの3大夏風邪のウイルスはいずれも、症状が治った後でも、1カ月ほどはウイルスが体から排出されるため、家族や他人に感染させる恐れがあります。

また、ヘルパンギーナはノロウイルスのように、一般的なアルコールの消毒液は効きづらいという特徴があるため、アルコール消毒だけに頼るのではなく、きちんと石鹸での手洗いを意識することが大切です。

そしてプール熱は、プール熱によって出た目やにに感染力があるため、バスタオルやフェイスタオルを他人と共有すると、それによって感染することがありますので、タオルの共有は控えてください。

手洗い、手指消毒以外だと、換気も有効ですので、引き続き基本的な感染対策を続けていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属