真夏と真冬に気を付けたい「緑内障」
今回は、目の病気の一つとなる、緑内障についてのお話です。
似ている病に白内障がありますが、白内障は主に老化によって、目のレンズの部分が曇るというもので、緑内障は神経にダメージが蓄積して、視野そのものが狭くなるという特徴があります。
そして、実はそのダメージは真夏に非常に強まるという特徴もあるのです。
40歳以上の20人に一人の割合で患っている
現在の緑内障の患者数は、40歳以上の方でおよそ20人に一人の割合でかかっているとされています。
男女別で言うと女性の方が多く、そして高血圧や糖尿といった生活習慣病がある方もなりやすいとされています。
緑内障は、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の二種類があります。
目と言う臓器には、常に栄養を含んだ特殊な水分が循環しています。
中には血液が通っていますが、レンズの表面部分には透明な水が流れており、それによってゴミを排出したり、酸素や栄養を補給しています。
文字通りに流れていますので、水が出る部分と排水される部分が目の中にあります。
この、排水の部分が詰まってしまうと、水が給水される一方で、排出が難しくなり、目が圧迫されることになります。
その結果、目の神経を圧迫してしまい、視野が狭くなっているのです。
排水が一部だけ空いており、流れが悪くなっている状態が開放隅角緑内障、完全に詰まって急激に圧力が高まっている状態が閉塞隅角緑内障になり、急性緑内障発作とも言われることがあります。
開放隅角緑内障は進行が極めてゆっくりで、自覚症状があるまで全く気づかないこともありますが、閉塞隅角緑内障は頭痛や目の痛みを伴ったり、突然失明したりと言った深刻な事態が起こることもあります。
真夏と真冬に緑内障のリスクが高まるのは、気温の高さと低さによって圧力が高まるためです。
真夏だと、脱水症状になることにより、冬は寒さによって血流が悪くなることによって、結果的に排水の機能が弱くなり、圧力が高まりやすくなる、ということです。
眼圧を下げる治療を
緑内障の治療は何よりも、目の圧力となる眼圧を下げることをしていきます。
眼圧を下げることで、神経へのダメージが減り、進行が大幅に遅くなります。
まず、開放隅角緑内障の場合は、主に目薬を使います。
もし副作用などで体質的に会わない場合は飲み薬もありますので、上手く活用しながら解消していきます。
閉塞隅角緑内障の場合、急性の発作時は目が急激に痛くなるため、緊急の処置として専用の目薬が必要になりますので、明らかに痛みが強く、おかしいと感じたら救急車を呼んでください。
場合によっては外科的に、レーザー治療を行うこともあります。
一度ダメージを受けた神経は回復しないため、早期の発見と対処が重要になって来ます。
40代を過ぎたら年に1回の眼科受診を
緑内障ははっきりとした原因も分かっておらず、発症しないためにはと考えても非常に難しいのが現状です。
ですので、今はとにかく早期に発見して対処をするのが確実になります。
具体的には、40代を過ぎると1年に1回は眼科で検診をするのが最善です。
緑内障は進行していく病で、回復もしないため、とにかく早期に発見して進行を遅らせるようにすることに尽きます。
非常に簡単にですが、片目をつぶり、片目でものを見てみて、視野が狭くなっているか、一部が欠けているような感じになっているかを確認すると、自力での判別が可能です。
試してみて、もし不安に思うところがあれば、是非早めに眼科のお医者さんに診てもらってください。
そして緑内障の急性の発作を防ぐには、前述のように脱水症状や血行不良がありますので、そうしたものへの対策も大切です。
またもちろん、パソコンやスマホと言ったものに長時間集中することで溜まる眼精疲労も一因ですので、定期的に目を休ませて、眼圧が高まらないようにするのも予防になります。