日本人の死因第三位にある「老衰」
先日コメントにて、老衰で亡くなるためには、と言ったものを頂きました。
人は誰しもが最期を迎えますが、それを簡単に説明すると、年齢を経ることで体の機能が衰えていき、生命の維持が難しくなるため、となります。
そして大抵、最期は何らかの病によって亡くなることが多いと思いますが、そうではなく、老衰という死因も存在します。
現在では、老衰という死因は日本で第3位になるほど多い、ともされています。
今回はこの老衰について、少しまとめていきたいと思います。
ゆっくりと呼吸が停止していく状態
老衰とは、病気ということではなく、ゆっくりと呼吸が薄くなり、最終的には停止して、亡くなるという状態です。
ですので、最初に起こるきっかけとして、食事量が減って栄養が不足していくというのも、老衰のはじまりと言えます。
それに伴って体力や筋力が落ち、寝たきりになると、呼吸機能や心臓を動かす機能も衰えていきます。
呼吸や心臓の機能が小さくなっていき、結果として苦しさや痛みが最小限の状態で死を迎える、ということになります。
これが老衰ですが、こうした最期を迎えるには、家族の方や介護をする方のサポートが極めて重要になって来ます。
これは本人が過ごしやすく、快適な状態を保ち、決して無理をせずに、徐々に衰えて行くという形が必要ですので、周りの方のサポートが不可欠になります。
言い換えれば、老衰の過程によって、自立した生活を送るのはまず難しくなるため、ほぼ確実に何らかの介護は必要になります。
例えば長期間寝たきりの状態が続くのは、意外に穏やかではなく、本人にとってはわずかながらストレスが溜まったり、辛く感じる時間も出てきます。
さらに老衰の過程で認知機能も当然弱まって来て、呼吸や喋る機能が低下することで、そもそもコミュニケーションがとるのが難しくなるのも、ストレスにつながりますので、辛い時間になります。
老化を自分の意思通りに狙ってコントロールするのが難しいように、穏やかに老衰で最期を迎えるのもかなり難しいと言えます。
体の機能を少しでも長く保つことで準備をする
以上を踏まえて、老衰で亡くなるために大切なことは、やはり健康的な生活習慣を維持することに尽きます。
力強く鍛えるように、体を酷使するのではなく、無理のない範囲で運動をすることで、心肺機能や筋力が弱まらずに維持することが出来ます。
食事もタンパク質だけをとにかくたくさんとって筋力をつける、というのではなく、タンパク質も程よく欠かさずに、ビタミンやミネラルも含めて、バランスの良い食事をすることが大切です。
また健康チェックももちろん重要になります。
自分ではわかりにくい、自覚症状が無い病もたくさんあるので、そうした病気について、定期的に検査をして、早めに対処していくことで、ダメージが小さくなります。
ただ、個人的には、前述のように周りの方のサポートが大切になってくるため、普段からの周りの人とのコミュニケーションが最も重要と思います。
弱まってきた時に、最期をどうやって迎えるか、本人の意向や家族の意向をきちんと話し合っておくことが、老衰で亡くなるために大切だと思います。
例えば何らかの病があった時の延命措置について話し合う場合は分かりやすいと思います。
病の種類によっても変わりますが、いくつか段階や種類があり、どの程度の措置をするのかを家族や本人が判断するということがあります。
これは当然、非常に難しく、本人の意向と家族の意向がずれることも珍しくありません。
例えば、何らかの問題によって脱水症状が起きた際、通常は点滴によって水分を補給しますが、実はこれも言い換えれば延命措置の一つになります。
前述のような場合、食欲が低下してきて、自力で水分をとる量も少しずつ落ちている時に、脱水症状があるからと言って、点滴によって水分補給をするのか、という問題が出てきます。
点滴をすれば助かる命、という意味ではそうですが、点滴をせずに、老衰として脱水によって亡くなるという選択をするのも、一つと言えます。
またこれは食事も同様で、点滴によって栄養を補給するのはもちろん、胃に穴をあけて、そこに液状の食事を直接流し、喉や嚥下機能は使わず、本人の消化機能だけを使って栄養を取り入れるという手法もあります。
これによって、誤嚥のリスクをゼロにすることができますが、自力で少量でも食べられなくなったら終わりと思って、この措置をしないという選択も可能です。
こうした選択をするために、事前に本人と家族や介護の方の意向を話し合っておくことが大切です。
周りの人の心理的、身体的両方のサポートが大切ですので、意識してみてください。