生姜という野菜
今回は、また趣向を大きく変えて、生姜(ショウガ)についてのお話です。
最近、個人的に紅ショウガにはまっていて、前まではむしろ苦手だったぐらいの紅ショウガが、今では特に牛丼を食べる際には欠かせない薬味になっています。
生姜というと疲労回復や免疫力向上などに関連して、体を温める作用がある野菜、として度々触れていますが、今回はその生姜そのものについて、まとめて行きたいと思います。
漢方では生姜(ショウキョウ)と読む
生姜は大きく分けて4種類あります。
まず最も一般的な、原型とも言える生姜は多年草の一つで、漢方の原料の生薬として使われることもあり、漢方においては、生姜はショウキョウと読みます。
次に、その生姜を乾かしたものを乾姜(カンキョウ)、そして、紅しょうが、新生姜と続きます。
4つそれぞれ加工方法が異なり、使用目的も変わってきます。
まず生姜と乾姜は、普通の生姜のそのままのものと、乾かしたもの、と分けられます。
生のものは、すりおろして薬味や味付けで使うことが多く、辛みが強いのが特徴で、好きな方も多いかと思います。
乾姜はほとんど漢方でしか使われない生姜で、加熱によって乾燥させているものが多いです。
乾燥させることでいくつかの成分が濃くなるため、体を温める作用などが一層強まり、お薬として最適になります。
新生姜を梅酢で漬けた紅ショウガ・甘酢で漬けたガリ
次に新生姜と紅ショウガですが、新生姜は文字通り収穫時期が早い、新しく柔らかい生姜の事を指します。
生姜よりもはるかに柔らかく、色も薄く辛みも少ないため、非常に食べやすいのが特徴です。
そして、この新生姜を梅酢で漬けたのが紅ショウガで、甘酢で漬けたのが、主にお寿司屋さんで食べられるガリになります。
薬味というよりは付け合わせの、漬物として食べることが多いと思います。
この4種類の生姜は、いずれも内臓に良い影響を与えますが、実はそれぞれ微妙に違いがあります。
生姜の効果
生姜の効果について詳しくまとめてみると、まず普通の生の生姜は、体を温める作用に加えて、消化を助け、胃腸の調子を整える効果がある成分も多く含んでいます。
一方の乾姜はどちらかというと体を温める作用に特化しているため、風邪の引きはじめ、冷え性や胃腸の冷えといった症状に非常に効果的です。
新生姜は胃腸の調子を整える効果が強く、また食欲増進作用に優れています。
ちなみに紅ショウガもガリも、酢漬けされていることで、クエン酸を補給できるのも一つのメリットと言えると思います。
生姜は生ですりおろすのが一番
以上、簡単にですが、生姜についてまとめて行きました。
栄養的には、生のものをすりおろして食べるというのが、最も効果的に摂取出来る方法になります。
おそばやうどん、冷奴といったものに使うのが最適ですが、もちろん煮物や炒め物、スープと言ったものに使うのもおすすめです。
また自分が行っていたラーメン店では、生姜ラーメンとして、生姜をふんだんに使ったラーメンもあって、人気があったのを思い出しました。
乾姜はお薬の原料として使うことが多いため、乾姜だけを使うということはあまりありませんが、漢方茶の中に乾姜が入っていることがあり、自分のところで出しているほうじ茶にも、乾姜を入れています。
最期に新生姜の紅ショウガとガリですが、ガリはお寿司を食べるときのアクセントとしてももちろん便利ですが、ガリだけで漬物の代わりに使ったり、サラダに少し加えるのも実はおすすめです。
紅しょうがは牛丼やチャーハン、お好み焼き、たこ焼き、焼きそばといった料理で登場しますが、これは栄養としても良い上に、彩りになって、食欲が増すというのも効果の一つです。
夏の暑さもまだまだ厳しいですが、是非、生姜を食べて夏を乗り切っていただければと思います。