手荒れ・あかぎれにサヨナラするケア法#768

つらい手荒れとあかぎれの対策

秋から冬場にかけて患者さんが増える病は様々ありますが、ここ最近増えてきたのが手荒れやあかぎれの患者さんです。

手荒れもあかぎれも、やはり、「肌の乾燥」によって起きていることですので、乾燥対策が何よりも大切になります。

冬に起こりやすいあかぎれ

あかぎれとは、手の指の関節部分のひび割れが深くなり、痛みが出たり、皮膚が切れたように出血するような状態です。

手荒れは季節を問わず、素手での水仕事などによって手を酷使すると起こりますが、あかぎれは冬に起こりやすいという特徴があります。

例えば水仕事でも、夏は冷水だったのが冬場になってお湯で皿洗いや手洗いをすると、肌の油分が大幅に失われてしまうとか、加湿をせずに暖房器具を使うことで乾燥がより進むということが起きます。

また、手袋の材質が刺激になっているとか、外と室内との温度差も肌に負担になるなど、あらゆる面で手指の皮膚のダメージが増える季節が冬なのです。

様々な要因が重なり、乾燥が進むことで、単なるひび割れから深刻なあかぎれになって行く、ということです。

保湿とダメージ対策を入念に

手荒れ、あかぎれの対策と治療は、やはり保湿とダメージ対策にあります。

保湿アイテムで言うと、冬場は効果が長持ちしやすいクリーム、ローション系のものがおすすめです。

お肌に合うものや、使用感が良い物で選んで大丈夫ですが、タイミングとしてはお風呂上りがベストで、寝る直前に厚めに塗って、その上に綿の手袋をはめると、寝ている間に保湿剤がとれることなく、一晩過ごせるためおすすめです。

塗り方は表面がしっかりと光るぐらいまで塗るのが大切です。

具体的な成分で言うと、ヘパリン類似物質が入ったものがベストで、ヒルドイドやヒルマイルドと言ったものが該当します。

次に、冬場に意外と忘れがちなのが水分補給です。

そもそも体に水分が足りていないために、お肌が乾燥しやすくなっているという可能性もあるため、野菜や果物と言った食事からの水分補給も含めて、出来れば1日で2リットルほどとるのが望ましいです。

そしてダメージ対策についてですが、まず水仕事の際に使うお湯は、常温か人肌よりは冷たいぐらいにするのがベストです。

もし可能であれば、水仕事の際に手袋を使うのも手ですが、お肌に合わないものだと重いダメージになるため、不安があればニトリルという手袋を使うのが安全です。

ちなみに、手洗い後のアルコール消毒をこまめに行うと、手指によりダメージになってしまい、手荒れやあかぎれが治らないということもあります。

その場合は、アルコール消毒液に保湿剤が含まれている製品と言うのがあり、消毒と保湿が両方できるというものがありますので、そういった製品を持ち歩くなどして使うのが最善です。

全粒穀物がお肌に良い

最後に食事についてですが、やはりビタミン類とたんぱく質は欠かすことのできない栄養素で、特にビタミンで言うとA、E、Cが重要になります。

そのほかで言うと、実は玄米やライ麦と言った全粒穀物は、意外にお肌に優しい成分が多いため、興味があれば取り入れてみてください。

ビタミンもたんぱく質も、コンビニで売っている乳製品やカットフルーツ、カット野菜、サラダチキンなどで充分補給できるため、是非意識して摂って頂ければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属