不安な幕開けとなった2024年
新年あけましておめでとうございます。
今回は2024年1回目の配信となります。今後も当番組、医療・健康ナビ「なくすりーな」を宜しくお願い致します。
さて、2024年は元日から石川県と富山県で大きな地震が発生するなど、不安なスタートとなりました。
個人的には、年末年始はオンライン診療の患者さんのお薬処方を担い、薬局の業務で息つく間もないほど仕事をしていました。
新年1回目の配信では、七草がゆについて取り上げてみたいと思います。
七草がゆは、お正月には時折ご紹介していると思いますが、健康を願うだけではなく、邪気を払って無病息災を願う意味もあります。
今年1年、これ以上の災厄が無く、安全に過ごせることを祈って、今年は是非食べてみてください。
1月7日に食べる「七草がゆ」
七草がゆは、おせちのようなお正月料理や正月行事の一つとして知られていると思いますが、一番最初の原点は古代中国にて、1月7日にに役人の昇進を決めていたことが始まりとされています。
願掛け、ゲン担ぎとして、今後の出世を願って1月7日に七つの野菜の入った汁物を食べる、というものです。
これが日本に伝わり、おかゆと混ざって現在に至ります。
また、七草がゆには家族の健康を祈るという意味もあり、七つの野菜が一つに入っていて、一家団欒を表している、という説もあります。
七草がゆに入っている「七草」
この七草がゆに入っているものですが、簡単にまとめると、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、です。
まずセリは春の訪れを告げる薬草、と言われることもあり、御存じの方も多い野菜かと思いますが、働きとしては体の中の余分な水分を取るということができるため、正月料理で塩分を摂り過ぎたような際には、元に戻す働きが期待できます。
次のナズナは胃腸への効果があり、ゴギョウは体内の炎症をとったり熱を下げるという作用があります。
ハコベラ、ホトケノザはあまりなじみがないかもしれませんが、ハコベラは中でも特に栄養豊富なのが特徴で、ビタミンCが多い野菜の一つです。
ホトケノザとは、葉が仏様が座る台のように見えることからこの名が付き、野菜でありながらカルシウムをはじめとしたミネラルが多いという特徴があります。
最後のスズナとスズシロは、それぞれカブとダイコンのことを指します。
どちらもビタミンCが豊富な根菜として非常に有名で、漬物などで全国で食べられていると思います。
食物繊維が非常に多く、特にダイコンには食べ物を消化する酵素が多いため胃腸の働きを整える効果も期待できます。
以上が七草がゆの材料で、これらは古来より日本の自然の中で春に採れる野草として存在していたことから、これが七草がゆの材料として定着しました。
七草がゆはお正月特有の暴飲暴食後に非常に効果的で、胃腸を休める働きがありながら栄養満点で、消化吸収もしやすいというとても便利な食べ物です。
野菜中心ですがミネラルも多く、老若男女問わず、正月休み特有の疲れをとるのに最適です。
味付けが薄く、精進料理のようで食べにくいと思われそうですが、最近ではクックパッドなどでも七草がゆの美味しい作り方がいくつもある上に、味付けと材料がセットになったものも販売されているので、是非食べてみてください。
ちなみに、いずれも家庭菜園で育てることもできますので、今年1年かけて育ててみて、来年のお正月に自家製七草がゆを食べるというのも凄く良いかと思います。