医療機関で行うダイエットが話題に
最近少し話題なのが、メディカルダイエットというダイエット方法です。
名前の通り、医療機関で行うダイエットのことで、食事指導や運動指導といったことをお医者さんとともに行うダイエットですが、最大の特徴が医療用のお薬を使うという点です。
保険診療は利かないため全て自費診療となりますが、オンラインで診察と処方が出来、一部で人気がありますが、やはり危険な部分も多いです。
今回はこのメディカルダイエットについて、少しまとめて行きたいと思います。
入念に診察をして副作用のフォローが出来るクリニックを
メディカルダイエットは手軽に、医療用の効果の高いお薬を処方できるとして人気ですが、これは具体的には糖尿病のお薬を用いて、血糖値を強力にコントロールするという手法になります。
診察から処方まで、全てオンラインで出来るところも多いですが、オンライン診療の一番の問題点が、診察をほとんどせずにお薬を処方できる点です。
しっかりとした診察をするところもありますが、その逆に、お医者さんと軽く挨拶をする程度でお薬を処方する、というところも中にはあるようです。
そういったところだと、患者さんの体質や実際の希望といったことが充分に伝わらないまま、一定量のお薬を処方することになるため、重大な副作用が起こる可能性が出てくるのです。
例えば何か持病があって、すでに何らかのお薬を飲んでいるかいないかで、合うお薬は変わって来る上、飲むと危険な事態になる場合もあります。
また、飲んだ後のフォローが出来るような、相談体制が整っていないところも多いと言われています。
血液検査なども含めて、現在の状況をしっかりと診察をして、副作用が出るかどうかを見たり、適切なお薬の量をきちんと診てくれるところが、安全なところと言えます。
医師にしっかりと確認すること
もし、メディカルダイエットの医療機関を探す場合は、自分から細かく質問できるようにしておくのがベストです。
例えば持病があることやすでに服用しているお薬を伝えることはもちろんですが、飲んでる際に副作用らしき症状が起きた場合のケアや相談窓口について聞いたり、適切な飲み方なども含めて、自分から聞いて行くと安全です。
もし万が一、会話を嫌がるようなお医者さんにあたったり、話を適当にあしらうような感じがするときは、途中で辞退することももちろん手です。
しっかりとした診察をしないような病院に行ってしまった場合などは、遠慮せずに辞めてしまって大丈夫です。
メディカルダイエットで使われるお薬
上記を踏まえて、具体的にメディカルダイエットで使われるお薬についてですが、前述の通り糖尿病のお薬を使いますが、具体的に言うとメトホルミン、ゼニカル、リベルサス、オゼンピックといったものが主流となっています。
まず、メトホルミンは脂肪燃焼を促して糖質の吸収を抑えるというお薬で、ダイエットの作用としてはそれほど大きくなく、副作用も起きづらいという特徴があります。
また、糖質の吸収を抑える働きがありながら、低血糖も起きづらくするため、日頃のダイエットの助けとしてはとても役立ちます。
ただし、まれに起こる重大な副作用として、乳酸アシドーシスという症状があります。
初期症状としては下痢や吐き気、筋肉痛といったことが起き、症状が徐々に酷くなっていき、過呼吸や脱水症状が起き、場合によっては亡くなるというものです。
乳酸アシドーシスは完全に引き起こしてしまうと、治らずに死亡してしまう確率が極めて高いという特徴があります。
もちろん、そう簡単に起きる副作用ではありませんが、服薬中に万が一それらしき症状が出た場合にすぐに相談できる体制が整っているかどうか、そして処方の際にこのことをお医者さんからしっかりと指導されるかは非常に重要なことと言えます。
次のゼニカルというお薬は、肥満改善薬という形で販売されており、日本で承認されたものの、まだ正式には国内販売はされていないお薬です。
単純に脂肪の吸収を抑えるという働きをするお薬で、言い換えれば摂取カロリー量を減らせるお薬、となります。
食べた脂肪を胃腸で吸収せずに、そのまま便として排出する仕組みで、脂そのものが肛門から出てくるため、自分の意思と関係なく突然出てしまう、ということがあります。
これはあくまでもお薬の作用の延長で起こることですので、厳密には副作用とは言いませんが、かなりの問題と言えます。
また脂分そのものの吸収量が減るため、お肌などに必要な分の脂分も減り、かさつきの一因にもなります。
最近話題のGLP-1ダイエット
最後に、最近一番話題なのがリベルサスやオゼンピックといったお薬で行う、GLP-1ダイエットです。
平たく言うと、食欲を抑えて、体の消費エネルギーを上げるというものです。
GLP-1ダイエットの最大の問題が、低血糖です。
食欲を抑え、食べる量を減らすため、血糖値が上がるのを大幅に抑えられますが、言い換えれば血糖値が上がらなくなり、低血糖状態になることを意味します。
当然、腹痛や下痢、便秘といった消化器にまつわる副作用が起きやすく、中には急性膵炎という、膵臓に炎症が起きて、激しい痛みとなって現れることもあります。
救急車を呼ぶほどの強烈な痛みが出ることもあるため、充分気をつけてください。
きちんと診察をして、お医者さんの指導のもとで出来るメディカルダイエットもありますので、もし興味があれば検討してみてください。