尿酸値の意味
先日、コレステロールなどの検査数値を取り上げましたが、意外と測られないのが尿酸の値です。
尿酸値が健康診断で測定されるのは、一般的には40歳以上からになることが多く、若い世代では意外と測られない数値になります。
しかし、尿酸値は若いうちから高くなるケースもあり、実は個人的にも20代後半に初めて勤務先の病院の健康診断を受けたとき、尿酸値が12.6となり、再検査では13.6という非常に高い数値を示したことがありました。
そして尿酸値と言うと、痛風という病がセットで言われると思います。
今回はこの尿酸と痛風について、今一度まとめてみたいと思います。
尿酸の役割
まず、尿酸という成分は、エネルギー代謝や細胞の入れ替わりの過程で生じる老廃物です。
いわゆるプリン体が分解されて生まれる物質で、本来は腎臓から排泄されるものであり、老廃物ではありますが決して悪者ではありません。
ただ、血液中で増えすぎることで結晶化し、トゲ状の結晶が関節に沈着してしまい、炎症となります。
この炎症による痛みが、風が吹いても痛いと表現される、痛風という病です。
痛風発作の特徴と注意点
痛風の発作は突然起こり、多くの場合では足の親指の付け根が赤く腫れて、激しい痛みが出ます。
そして、大半のケースでは左右どちらか片側の関節に起こって、さらに進行することで足首や膝へと広がっていきます。
痛風の発作は、脱水が大きな誘因となります。
水分不足によって血中の尿酸濃度が高まり、結晶ができやすくなります。これは当然、夏場だけでなく、冬場の乾燥時期も注意が必要です。
痛風は全体の9割程が男性に起きるとされ、女性は閉経後に尿酸値が上がりやすくなるものの、同じ数値でも男性の方が発作を起こしやすい傾向があります。
ちなみに痛風が起きると、しばしば贅沢病と言われることがあったと思います。
これはプリン体が含まれる食事の代表格が魚卵やビールで、高いものを食べていたから起こった、という言い草がありましたが、現在では研究が進み、食事から得るプリン体の影響は大きくない可能性が高いとされています。
その理由は、日本人は尿酸を排泄する力が弱く、腎臓が尿酸を吸収しやすいとか、プリン体よりもジュースなどに含まれる果糖、フルクトースのほうが尿酸を増やしやすい、とされているためです。
その他、高齢者の場合では、尿酸ではなく別の結晶が原因となって痛風のような激痛が走る、偽痛風もあり、化膿性関節炎や蜂窩織炎などの感染症によって痛みが起きている場合もあります。
もし突然強い痛みが起こったり、痛みと同時に発熱も出た場合は自己判断せずに、すぐにお医者さんに相談していただければと思います。
発作時の対応と再発予防
痛風発作による痛みは炎症による痛みですので、まずは炎症を抑えて痛みをとります。
消炎鎮痛薬や、必要に応じてステロイド薬、コルヒチンなどを使います。
慢性的に痛風を抱えていて、発作の前兆を自覚できるような場合は、違和感を感じたらすぐに薬を飲んで発作を抑えるということも可能です。
発作が起きたら患部を触らずに安静を保って、水分を十分に摂ります。
痛みが落ち着いた後に、再発予防として尿酸値を下げる治療を開始します。
尿酸値の一般的な目標値はおよそ7未満ですが、痛風結節がある場合やすでに発作を繰り返している場合は6未満、場合によっては5未満を目標にすることもあります。
急性期と慢性期では治療の目的が異なりますので、注意してください。
尿酸値を上げやすい生活習慣とは
最後に痛風予防についてですが、まず尿酸値を上げやすい要素がアルコールと、前述したお菓子、ジュース類に多い果糖です。
例えばビールを全く飲まないのに尿酸値が高い傾向にある方は、お菓子やジュースを多くとっていることが多いです。
また、内臓脂肪が増えて、お腹が出てきている方も、尿酸が排出されにくい状態ですので尿酸値が高い傾向にあります。
以上を踏まえて、予防の基本となるのは十分な水分補給になります。
発作を起こしやすい人は、一日2リットル程度の水を目安にして、発作が起きていない普通の方であれば最低およそ1リットルか1.5リットルはとることを意識してください。
痛風においては、出来れば何も入っていない、普通のお水がベストになりますので、意識して飲んでいただければと思います。
そしてもちろん、内臓脂肪を減らす生活習慣の改善も、尿酸コントロールにつながります。
決してプリン体だけにとらわれずに、アルコールや果糖の量と、水分の摂取量を意識していくのが、痛風予防のカギとなります。
