ダイエットについて回る「リバウンド」
今回はまたこれまでとガラッと趣向を変えて、ダイエットのお話しです。
ダイエット関連で必ず出て来るのが「リバウンド」という言葉です。
体重を減らしてもすぐに元に戻ってしまうとか、逆に一層増えてしまうようなことですが、今回はダイエットそのものというよりも、この「リバウンド」の意味、仕組みについて深く掘り下げて行きます。
ホメオスタシス(恒常性維持)が働く
リバウンドが起こるのは、ホメオスタシスが働いているためです。
日本語で言うと恒常性維持が働いているため、となります。
どちらにしても難しい言葉でわかりにくいですが、簡単に言うと、体が一定の状態を保とうとする働きをしているため、減らした体重が元に戻るのです。
ダイエットによって体重が減るということは、体がいわば飢餓状態のような、異常で危険な状態になっていると判断してしまい、消費するエネルギーの量が減るように体質を変化させます。
例えば、筋肉は動くだけで多大なエネルギーが必要になるため、筋肉を分解することで消費するエネルギー量を抑えます。
ダイエット中、ある程度体重が落ちてからなかなか体重が落ちなくなってきた時期、いわゆる「停滞期」は、このホメオスタシスが働いてエネルギー消費が落ちた状態になっているためです。
それまでしていた運動量や食事制限では体重が落ち切り、これ以上を同じことをしても体重は減らない、という状態です。
そして、この時に食事量をダイエット開始前の量に戻したり、運動量が落ちてエネルギーの消費量が増えたりすると、また飢餓状態に陥っても大丈夫なように、体に脂肪を溜め込もうとします。
この働きも、ホメオスタシスによるものです。
結果として体重が元に戻る上に、筋肉量がダイエット前よりも減っているため、ダイエット開始前よりも太りやすく痩せにくい体質になってしまうのです。
はっきり言ってしまえば非常に悪く、まずい痩せ方と言えます。
ゆっくり痩せることが大切
リバウンドを防ぐためには、何よりも「ゆっくりと体重を落とすこと」が大切です。
体重変化が大きいとホメオスタシスの働きが強くなり、リバウンドが大きくなることに直結します。
目安としては、減量するのはひと月におよそ体重の4%にしてください。
例えば現在体重が50kgであれば、減量するのは最高で2kgに収める、ということです。
この程度に収められれば、ホメオスタシスの働きは緩やかになり、リバウンドが起きにくく、時間はかかるものの着実に体重が落ちて行きます。
次に筋肉についてですが、筋肉量が落ちないように工夫することも必要です。
通常、ダイエットで食事制限をすると、多かれ少なかれ筋肉量は落ちます。
脂ものを控えて野菜中心の食生活に切り替えるということは、必然的にタンパク質の摂取量も落ちるため、自然と筋肉が無くなって行きます。
ですのでタンパク質は必ず、欠かさずにとることと、やはり同時に運動も必要です。
体は動かしていない筋肉があれば、それは不要と判断して落ちやすくなるため、筋肉が無くならないように最低限でも動かしてください。
最大の敵はストレス
最後に、リバウンドというよりもダイエットそのものにも通じることですが、一番の敵は「ストレス」です。
ストレス無く、ゆっくりと減量していくことが、リバウンドを防ぐ一番の秘訣になります。
ストレスをかけて激しく、偏ったダイエットをすると、減量生活が終わった時にストレスから解放されたおかげで食事量も増えてしまい、簡単にリバウンドします。
これに併せて、ダイエットをした後の生活習慣もリバウンド予防には大切です。
例えば、ダイエットが終わってからも体重の推移を測って、自分の状態を逐一確かめるのは非常におすすめです。
体重の推移を見て、少し増加気味であれば、併せて間食や食事バランスなどの食生活を少し見直してみる、という風にすると激しいリバウンドを防げるはずです。
またこれはダイエットの仕方そのものですが、食べる順番を気を付けて、血糖値が上がらないように野菜など繊維質から食べるようにするのももちろんリバウンドを防ぐことにつながります。
運動についてですが、これは正直難しい部分があり、ダイエットが終わるとさっぱり辞めたくなる気持ちもあると思います。
しかし、前述のように運動量は筋肉量に直結しますので、それまでしていた運動を辞めるということは筋肉が落ちることにつながります。
ですので、ある程度、最低限の運動量は維持するようにしてください。
例えば最近ではスマホアプリでもありますが、万歩計を使って歩いた歩数をカウントして、これもダイエット後に逐一記録しておくと便利です。
そして最後に睡眠もやはり大切です。
睡眠不足は体にとって大敵ですが、実は睡眠不足によって食欲を促すホルモンが分泌されることが分かっているため、ダイエットにとっても悪影響が出ます。
ダイエット中のようなしっかりとした食事制限や運動は不要ですが、体重の推移を確認したり、ある程度の運動量を維持することが、リバウンド予防につながりますので、是非意識していきましょう。