ダイエットの停滞期を乗り越えるために大切なこと
前回、ダイエット注射について取り上げましたが、ダイエットと言うと停滞期の問題がとても大きいと思います。
ダイエットを始めた当初は、上手くいけば体重が順調に減っていくのを実感できますが、ある時期から減少がぴたりと止まってしまうことがあると思います。これがいわゆる「停滞期」です。
停滞期とは、体がエネルギーを節約する方向に働く、適応性熱産生という仕組みによるものです。
今回は前回にも関連するダイエットと、この停滞期についてご紹介していきたいと思います。
停滞期は人間が持つ生存本能
適応性熱産生とは、通常、人間の体重が減るということは、命の危険につながり、体重が落ちると、人間の体は基礎代謝を下げて食欲を上げ、なるべくエネルギーを使わないように調整しようとします。
この働きが適応性熱産生です。
例えば体温を下げてカロリー消費を抑えたり、活動量を自然に減らそうとしたり、歩く距離や階段の利用を控えるようになりますが、こうしたことも適応性熱産生です。
特に睡眠不足も重なると、体はより強く省エネモードに入ってしまうため、ダイエットの停滞期はさらに長引くことに直結します。
この時期を過ごす上でまず大切なのは、気持ちの持ち方です。停滞期と思われる時期は、決してダイエットの失敗などではなく、あくまでもダイエットの一環であり、一部であると捉えることが重要です。
停滞期ではなく、むしろ維持期と思って、これ以上体重が増えないように体を慣らす時期だと考えれば、気持ちが少し楽になります。
そして必ず、睡眠時間を確保してください。睡眠不足は食欲を増やすホルモンのバランスを崩し、過食のリスクを高める可能性もあるため、1日7時間程度は睡眠を取るのが理想です。
食事と運動の工夫で停滞期を短くする
多くの人が停滞期に挫折してダイエットをやめてしまいますが、上手く乗り切ることで次の減量フェーズに進めますので、あきらめずに続けることが大切です。
この停滞期を少しでも短くするための、食事と運動のポイントとしては、まず食事では見えないカロリーに注意してください。
1日の食事のカロリー量を計算していても、例えばドレッシングや飲み物に含まれるカロリーを見逃していることがあるため、そうしたものをしっかりと見直すと、ダイエットが一段進む可能性があります。
そして、タンパク質の摂取量はダイエットでは特に重要で、1日100gを目安に取り入れるのがベストです。
タンパク質は満腹感を得るだけでなく、筋肉量の維持、向上につながるため、基礎代謝を上げたり、リバウンドを防いだりと言った効果が得られます。
期間を決めてダイエットをする場合では、減量期と維持期を交互に設ける、間欠的ダイエットを取り入れるのも一つの手です。
例えばダイエット期間を1カ月と設定した場合、2週間は多めの運動などで減量に注力する時間で、その後の2週間は食事制限や運動よりも、体重を増やさずに維持することを意識する時間にする、と決めることで、体重が減りにくい停滞期を感じにくくする、という方法です。
チートデイの効果的な取り入れ方
ダイエットにおいて、チートデイという言葉を目にしたことがあると思います。
チートデイとは、どれだけ食べても良い日を作ってまとまったカロリーを得て、適応性熱産生を軽減したり起こしにくくするという手法ですが、当然ですが食べすぎてしまうとダイエットになりません。
ですので、チートデイを作っても大丈夫な状態かどうかを充分に見極めることが必要です。
ポイントとしては、体温が通常より0.3℃以上下がっている場合は、基礎代謝が落ちているサインですので、その週に1回だけ食べる日を設けるのが良いと良いとされています。
当然ですがそのためには、普段から定期的に体温を測って、自分の普段の体温をきちんと知っておく必要がありますので、普段から測っておくことをおすすめします。
また、ダイエットの終了時期も計画しておくとなお良いです。
目標体重を達成して1〜3か月ほど維持できれば、それに体が慣れて、新しい基準体重となって体が覚えるため、リバウンドするリスクを大幅に下げることができます。
食事としては、やはり前述のようにタンパク質が欠かせませんが、脂質も同時に摂りすぎることが多いため、チートデイなどでまとめてとる際には充分注意していただければと思います。