キズパワーパッドが原因で緊急手術をした皮膚科のお医者さん
先日SNSで、キズパワーパッドが原因で緊急手術をせざるを得なくなった、と怒る投稿を見かけました。
今回はこのことから、絆創膏とキズパワーパッドの正しい使い方について、まとめて行きたいと思います。
絆創膏とキズパワーパッドの違い
一般的な、出血するような怪我をしたときには、真ん中にガーゼがついて両端が粘着テープのようになっている絆創膏を使って止血、治療をすると思います。
血が出た傷口をガーゼ部分で覆い、乾燥させてかさぶたを作って治していくという仕組みで、いわば保護するための道具です。
一方のキズパワーパッドは、ぷよぷよとした弾力のある素材で出来ているのが特徴ですが、これはハイドロコロイドという素材で、傷口から出る滲出液(しんしゅつえき)を吸収する働きをします。
滲出液は止血などの怪我の治療に必要な栄養が様々入っており、これを充分に傷口に留まらせて保湿をして、皮膚の再生を強く促して素早く治療をしていきます。
キズパワーパッドは商品名ですが、ハイドロコロイドテープは他にも種類があり、医療現場で使われることもしばしばあります。
正しく使わないと逆効果になることが
このキズパワーパッドは、実は正しい使い方を知らないと逆に怪我を悪化させる可能性があり、緊急での外科手術が必要になるケースもあります。
特に注意が必要なのが、感染している傷口への使用です。
例えば外遊びでの怪我などで泥や砂が傷口に入り込んでいたり、動物に噛まれた傷や深く切れている傷には使うことはできません。
もし傷口が汚れたままハイドロコロイドテープを使うと、異物の上から滲出液を被せるような形になり、雑菌が内部にこもって、最終的に膿が出て腫れていきます。
ですので、汚れがついた怪我をした場合で、すぐに洗い流すことが出来ないときは、応急処置として普通の絆創膏を貼って、今以上に汚れが付かないように保護するのがベストです。
もし深い傷の場合も、絆創膏やハイドロコロイドテープではなく、止血をして、すぐに救急車を呼ぶなどで緊急の処置をしてもらってください。
また他には、水ぶくれができたような火傷や、破れた水ぶくれに使うのも不向きです。
また、免疫力が低下している人や糖尿病の方だと、傷口にわずかな菌でも入ってしまうと、悪化する危険があるため、使用は避けるのが望ましいです。
高齢者も、皮膚が薄く、たるむようになっている場合だと、はがす際に新しい皮膚まではがれることがあるため、お湯などでしっかりとふやかしてからはがすなどの対策をして、使うようにしてください。
キズパワーパッド、ハイドロコロイドテープの正しい使い方
以上を踏まえて、キズパワーパッドの正しい使い方としては、まずは傷口を流水でしっかり洗って、異物や汚れを落とすことです。
およそ1分以上を目安にして水道水やシャワーで流すのがおすすめで、洗った後は清潔なガーゼなどで軽く押さえて止血をして、血が止まってから貼るのがベストです。
もし、止血が不十分で血がにじんだ状態で貼ってしまうと、中で固まってしまい、逆に治りを妨げることがありますので、その場合は絆創膏のほうが適しています。
そして、貼るときは中央から外側に向かって空気を抜くように、優しく置くようにして貼り付けて密着させるのがコツです。
貼ってからは、滲出液を吸収すると白く濁った状態になりますが、これは順調に治っている証拠で、。白くなった部分が端まで広がって、周囲が浮いてきたら貼り替えのタイミングになります。
目安は1日から3日程度で、もし周りが赤くなったり、痛みが強まったり、匂いが強まったなどのことがあると、化膿している恐れがありますので、お医者さんに相談してください。
