猛暑は熱中症だけじゃなく光化学スモッグにも注意!#731

光化学スモッグ注意報が発令

薬局には、光化学スモッグ注意報が発令されたという連絡が来る仕組みがあります。

地域によっては無い場所もありますが、東京に所在する当薬局の場合は薬剤師会から、時折FAXが届くことがあります。

これは単に、患者さんや市民に向けての注意喚起のためです。

光化学スモッグとは簡単に言うと、太陽の光に化学反応を起こして、体に悪影響を及ぼすものです。

つまり、夏場にリスクが高まるため、人の多い場所へお出かけする際には気を付けて欲しいことの一つとなります。

今回はこの光化学スモッグについて、詳しく取り上げていきたいと思います。

工場の排煙・車の排気ガスが原因

光化学スモッグの元、原料となるのが工場からの排煙や車の排気ガスです。

これらに太陽の光が当たることで化学反応を起こし、光化学オキシダントというものを生み出します。

光化学オキシダントが大量に生まれると、空気中が白く霞がかかったような景色になります。

これが光化学スモッグです。

光化学スモッグは太陽の陽射しが強いほど、そして気温が高いほどに起きやすくなるため、7月や8月は日本各地で観測されやすくなっています。

また、光化学スモッグは風によって流され、拡散していくため、風が無い場合も一か所に留まることでその地域の濃度が高まり、危険となります。

光化学スモッグの量は1970年代がピークで、現在は公害対策や排ガス規制といった時代の移り変わりによって、注意報は年間数日間程度にまで減っています。

現在、光化学スモッグ注意報が出るのは、空気中の光化学オキシダントがおよそ0.1bPMという濃度を上回った際に発令されます。

光化学スモッグに晒されると、喉の痛みが出たり、目がチカチカと痛くなるとか、頭痛やしびれといった症状が起きます。

現代でしびれが出るほど濃い光化学スモッグが出ることはまずありませんが、昭和の時代には起こっていたこともあります。

pm2.5との違い

現代で大気汚染というと、おそらくpm2.5が思い浮かぶと思います。

pm2.5は正式には微粒子状物質というもので、太陽光の化学反応によってできた光化学スモッグとは全く異なります。

pm2.5とは、直径2.5μmより小さい物質の総称になります。

これはほかの物で例えると、人間の赤血球より小さい物質になります。

一般的には、物を燃やしたことで発生することが多く、工場の排煙や排気ガスはもちろんですが、例えば家庭のガスコンロやストーブ、さらに火山活動や海の動きからもpm2.5が出ることがあります。

そして大陸からやってくる黄砂も、直径2.5μmより小さい粒の場合は、pm2.5になります。

pm2.5もレベル1とレベル2に分かれて注意報が出る場合があります。

pm2.5は前述のように、人間の赤血球よりも小さいため、吸い込んでしまうと肺の奥深くに入ってしまい、ぜんそくや気管支炎の原因となったり、肺がんのリスクを高める一因という説もあります。

さらに、血中に入り込む場合もあり、心筋梗塞など循環器系の病リスクも高める恐れがあるとされています。

光化学スモッグ対策は外出を控えること

光化学スモッグは物質ではなく気体ですので、注意報が出ている場合はなるべく外で過ごさない、というような対策に尽きます。

もし症状が出てきたと思った場合は、目を洗ったり、喉をうがいして洗い流すようにしてください。

万が一、洗い流しても症状が良くならなかったり、逆に痛みが増すようなことがあれば眼科や耳鼻科のお医者さんに診てもらってください。

乳幼児や高齢者は影響を受けやすいため、お住まいの地域に注意報が出ている場合は、可能であれば室内に居て窓を閉めるのが望ましいです。

光化学スモッグは陽射しの強さに合わせて濃くなりますので、日が沈んでいく夕方からはまた窓を開けても大丈夫です。

pm2.5の場合は粒子ですので、一応はマスクで防ぐことができますが、pm2.5を防ぐことが出来るマスクでなければ防げません。

言い換えれば、かなり息苦しいマスクをしないと、pm2.5を防ぐのは難しいです。

ですので、普通の不織布マスクでも良いのでマスクをつけて、大量に吸い込まないようにするのが対策になります。

また屋外での激しい運動を控えるとか、鼻呼吸を意識するのも対策の一つです。

光化学スモッグもpm2.5も、どちらもなかなか対策しづらいですが、高齢者やお子さんが近くにいる場合は、意識して気を付けてみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属