ブルーライト神話を手放す!本当に目に良いこと悪いこと!#920

ブルーライトの根拠は無かったことが判明

先日、知り合いのお医者さんから、ブルーライトが目に悪影響になるということのエビデンスは無いと教えてもらいました。

個人的にはブルーライトを気にしていて、ブルーライトカットのフィルムなどはある程度効果的なのだと思っていましたが、実はブルーライトそのものが目の病気を引き起こす、というような明確な科学的根拠はなかったのです。

例えば、ブルーライトカットメガネが眼精疲労を軽減するという効果についても、2025年時点の複数の研究では「有意な効果は確認されなかった」と報告されていました。

言い換えれば、スマホなどの使い過ぎによって起こる目の疲れは、ブルーライトによるものではなく、単に画面を注視するなどで起こっている眼精疲労だったのです。

明るい光が体内時計と睡眠へ影響する

ブルーライトとは少し違いますが、夜寝る前に強い光を浴びると体内時計が遅れ、眠りに影響が出ると言われていると思います。

これも一部ではブルーライトの影響があるとされていましたが、最新の研究では光の色ではなく、単なる光の強さ、画面の明るさによるものの可能性が高く、夜にスマホなどを使う場合はブルーライトカット機能ではなく、画面の明るさを抑えるナイトモードを活用することが有効とされています。

本当に目に悪いのは紫外線・そのほかの目のあれこれ

ちなみに、確実に目に悪影響なのは、ブルーライトではなく紫外線です。

特に強い紫外線は、白内障や黄斑変性症など目の老化や疾患のリスクを高める可能性が指摘されており、日差しの強い夏場など紫外線量が多いときは、UVカットメガネやサングラスを使った目の保護が重要です。

ただ一方で、屋外活動そのものは子どもの近視予防に有効ですので、紫外線対策をしながら外で過ごす時間を確保するのがおすすめです。

また他には、暗いところで本を読んだりスマホやゲームをしたりすると目が悪くなる、と言われていたと思いますが、これも目のピント調節の負担は普段よりかかるため、疲れやすさは上がりますが、確実に視力が悪くなる、というエビデンスはありません。

とはいえ言い換えれば、明かい場所なら目は疲れにくいですので、やはり明るくしてスマホを使ったり本を読むようにしてください。

目を守る生活習慣とセルフケアのポイント

最後に目に悪い習慣をまとめると、長時間連続で顔から近い位置の物を見続ける、ということです。

明るさは関係なく、明るすぎても暗すぎても目には負担になります。

ですので、まずは長時間の近距離作業は避けて、1時間ごとに10分〜15分程度の休憩を取り入れることが効果的です。

そして目の疲れを回復させるための目安として、20-20-20ルールと言うものがあります。

これは、20分集中したごとに、20秒、20フィート先、およそ6メートル先の物を見る、というもので、これをすると目の疲れが溜まりにくくなり、疲れが素早くとれるとされています。

もし目の疲れを感じたときは、目が乾いている可能性が高いですので、ホットアイマスクを使ったり、人工涙液を利用するなどのセルフケアも有効です。

万が一、突然の視力低下や視界の異常が現れた場合は、急性の病の可能性がありますので、速やかに眼科を受診してください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属