今年は9月に入っても厳しい残暑が続いており、未だ熱中症による救急搬送者が後を絶ちません。
特に今年は5月から7月までの患者さんの累計が5万9218人と、観測史上2番目の多さとなっており、暑さの影響がいかに深刻かが分かります。
残暑が厳しいと、今後考え得るのが激しい秋バテです。
9月は台風や秋雨が多い季節で、湿度がさらに上がる傾向にあります。
湿度が上がるとその分、体もだるくなり、秋バテを誘発しやすくなります。
voicyでもこの時期は度々、秋バテについて触れていますが、今年も一層警戒していただければと思います。
秋バテが起こる理由と症状
秋バテとは、夏バテのような体調不良を意味しますが、秋バテは夏場の疲労や自律神経の乱れが秋口に表面化することで起こる体調不良です。
主な症状は夏バテと同じく、強い疲労感や食欲不振、胃もたれ、めまい、頭痛などがありますが、その最大の要因は寒暖差や気圧変動です。
例えば夏の終わりごろになると、日中は暑いのに朝晩は涼しいという日があると思いますが、1日で気温差が大きいと自律神経の切り替えが難しくなり、体の調子が崩れやすくなります。
これが秋バテの仕組みです。
また、残暑が厳しいと水分不足を起こしやすく、知らず知らずのうちに水分と塩分が出て行き、脱水気味になったことから体調不良を起こす、ということもあります。
秋バテからの回復と予防のポイント
秋バテの回復と予防についてですが、前述のことを踏まえるとまずは自律神経を整え、水分と塩分補給をすることが大切です。
暑さについては自力で対策するのが難しいですが、室温は日中26から28℃程度に保ち、外との温度差を大きくしないことが望ましいです。
水分は食事を含めて1日2リットルが目安とされていますが、これは食事に含まれる水分も含んでの量ですので、食事以外ではおよそ1.2リットル程度を飲むのがベストです。
そして汗をかいた場合は、スポーツドリンクか経口補水液を500ミリリットルから1リットル程度追加して摂取するのが良いとされています。
水分補給のタイミングはとにかくこまめに行うのが最善ですが、おおよそ朝起きたとき、入浴前後、就寝前の4回で、コップ1杯ずつ程度飲むとおよそ800ミリリットルになります。
これに併せて、500ミリリットルのペットボトル1本分の水分を1日の間で補給して、そしてバランスの良い食事を摂っていくと良いかと思います。
そして睡眠ももちろん大切で、出来るだけ早起きをして朝日を浴びて、体内リズムを整えることが有効です。
自律神経についてはvoicyでも度々取り上げていますが、しっかりと湯船につかって体を温め、リラックスすることも大切です。
夏場はシャワーだけで済ませがちですが、38から40℃のお湯に10分、15分程度浸かることで副交感神経が働き、質の良い休息につながります。
もし、重いめまいや頭痛、吐き気などの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。