インフルエンザが全国的に大流行
今年は全国的に、9月末の現時点でインフルエンザが全国的に大流行しています。
各都道府県の医療機関が行う定点観測での報告では、先週の1医療機関当たりでのインフルエンザの患者さんが4.48人でしたが、現在は7.03人に上がっています。
少し分かりづらいですが、これは患者さんの数が1.6倍ぐらいに増えていると思ってください。
東京では注意報が出ており、沖縄や佐賀、愛媛ではすでに警報レベルを超えるほどの患者さんが確認されています。
例年だと10月11月ごろから徐々に気を付けて行きたいインフルエンザでしたが、今年はまだ10月に入っていない今から、充分注意していってください。
軽い症状であれば病院には行かないのがおすすめ
数年前と現在で決定的に違う点が、インフルエンザとコロナの両方が流行っているという点です。
このどちらに感染したかを見分ける方法は、検査キット以外ではありません。
これを踏まえて、どちらの場合でも言えることが、軽い症状なら病院には行かないで、家で安静にして様子を見ることがおすすめです。
以前のインフルエンザの回でも少しお伝えしましたが、軽い症状があるからと言って、インフルエンザが流行している最中の病院に行くと、逆にそれによって感染してしまい重症化するリスクが高まります。
さらに現在ではコロナウイルスも5類になっているため、コロナへの感染リスクも気を付けたいですので、病院に自ら行くのはなるべく避けるのが安全です。
家で安静にする際は、水分補給を欠かさず胃行って、市販の風邪薬や熱さましを使ってゆっくり休むようにしてください。
目安としては、38℃以上の熱がある場合は発熱外来へ連絡して、3日ほど経っても熱が引かなかったり具合が良くならなかったりした場合は受診するようにしてください。
例えば、38℃の高熱が出たら必ず病院に行って診てもらわなきゃならない、というような方がいますが、普段から特に持病等が無く健康なのであれば、基本的にはその必要はありません。
高熱が出たからと言ってすぐに病院に行って検査をしても、インフルエンザのウイルスが体内で増えていない状態だと正しい結果は出ません。
ですので、出来れば78時間ほどは家で市販薬を使いながら様子をみて、それでも熱が引かない場合は行くようにするのがベストです。
コロナ禍での感染対策を徹底して続ける
最後にインフルエンザの予防についてですが、これまでも度々お伝えしているように、コロナの際の感染対策と同じもので大丈夫です。
感染経路は飛沫感染と接触感染ですので、くしゃみや鼻水に感染力があるため、マスクをつけるのも一つの予防になります。
そして食事前の手洗い、手指消毒ももちろん非常に重要です。
食器洗いの際もきちんと洗うとか、トイレの蓋をしてから流すなども大切です。
ちなみにコロナではエアロゾル感染と言い、非常に細かい粒子でも感染力を持ち、感染する恐れがあるとして知られていますが、インフルエンザのエアロゾル感染はまだはっきりとは確認されていないものの、エアロゾル感染する可能性はあるとされています。
茨城県の小中学校では、換気している教室としていない教室とで学級閉鎖率が変わり、換気していない教室のほうが学級閉鎖の数が多かった、というデータがあります。
確実に実験したということは無いため、一概には言えませんが、もしかしたら一部ではエアロゾル感染する可能性もあります。
ですので、換気も含め、コロナの際の感染対策は一通り効果があると思って差し支えありません。
1点だけ、インフルエンザで特筆すべき点が、湿度です。
コロナウイルスでは湿度はあまり関係ありませんが、インフルエンザウイルスは室内の湿度が50%に保たれると、ウイルスそのものの活動が弱まることが明らかになっているため、加湿するのが非常に重要です。
これからの時期は特に乾燥しやすいですので、忘れずに加湿するようにしてください。