溶連菌の患者さんが増加
最近、たまたまですが溶連菌の患者さんが相次いで来られ、インフルエンザと同時に溶連菌も少し流行っているかもしれません。
溶連菌は流行性の菌の一つですので、voicyでも度々触れており、風邪のような症状があるのが特徴です。
今回は今一度、この溶連菌について詳しくご紹介していきたいと思います。
溶血性レンサ球菌が原因
溶連菌とは、正式には「溶血性レンサ球菌」といいます。
主な症状は喉の痛みが多く、発熱や手足に発疹ができたり、舌にもぽつぽつとした発疹が出来て果物のいちごのようになる事があります。
症状としては風邪と似ていますが、鼻水はほとんど出ず、咳も出ないのが大きな特徴になります。
溶連菌は病院で検査ができ、風邪かどうかの見分けがつけられ、治療も抗菌薬が主なお薬になります。
また、ウイルスであれば免疫を強化してやっつけることが主ですが、溶連菌には専用の抗菌薬があり、菌を直接殺していくという方法を取ります。
これは、溶連菌からリュウマチ熱や急性糸球体腎炎と言った別の重い病を引き起こしかねないためです。
通常、風邪をこじらせたりした場合で使う抗菌薬は長くても5日か1週間程度ですが、溶連菌は10日間飲み続ける必要があります。
体内に溶連菌が残っていると、そういった病が起きる可能性があるため、処方された分は必ず飲み切らなければなりません。
症状としてはお薬を飲んで2,3日もしたら治って行くため菌が無くなったように思えますが、菌が体内に残っている可能性があり、知らず知らずのうちに腎臓に負担がかかっていて前述の急性糸球体腎炎が起きるという可能性があるのです。
病院さんによっては、3週間や4週間ほど経過してから再度尿検査を求めて、溶連菌が完全に居なくなったか確かめるところもあります。
もし、溶連菌と診断されて抗菌薬が処方された際は必ず、指定された分を飲み切ってください。
感染力が極めて強い
そして、溶連菌は症状が出ている際の感染力が非常に強いのも特徴の一つです。
溶連菌は新型コロナとは違い、無症状感染での感染力はあまりありませんが、症状が出ている際の感染力は極めて強いという特徴があります。
例えば、溶連菌で休んでいる子と何かの機会で会ったりした場合、その後で喉が痛くなったとか熱が出て、検査したら溶連菌に感染していたという事がよくあります。
また当然、家庭内でも感染することが多く、特にお子さんが二人以上いて同居している場合などは、一人のお子さんが感染した場合、兄妹全員が感染、発症するというケースがあります。
そういったことを防ぐために、病院さんによっては予防的にお薬を飲むように勧められることがあります。
引き続きしっかりと感染対策を
感染力が強いですが、基本的な感染予防としてはインフルエンザや新型コロナと同じで、手洗い消毒、換気と言ったことを欠かさずに行ってください。
距離を取るなど、家庭内だと難しいこともありますが、現在もインフルエンザやコロナの脅威は依然としてありますので、引き続き基本的な感染対策は続けていきましょう。