夏の紫外線対策!日焼けはどうしたらよい?#734

きちんとしておきたい日焼け対策

先日、事務の方が夏休みをとり、海で遊んできて帰ってきました。

帰ったあと、日焼け痕が酷く、ひりひりと痛みが激しくてシャワーでお湯を当てるのもできないぐらい、と大変な目に遭っていました。

夏真っ盛りの海で、紫外線対策をしないで遊ぶと意外と辛い目に遭います。

どちらかというと日焼けは健康的なイメージのほうがありますが、実は日焼けをすることで得られるメリットはほぼありません。

むしろデメリットのほうが多く、例えば有名ですが日焼けによってシワやシミ、そばかすができやすくなったり、日焼けを繰り返すと皮膚がんのリスクを高めることにもつながります。

普段でも年々陽射しが厳しくなっていますので、是非普段から日焼け対策してみてください。

日焼け止めグッズの選び方

一言で日焼け止めと言っても、今は非常に様々な種類があります。

使い方でも、クリームやオイルだけではなく、ローションやスプレータイプのものまであります。

さらにその中でSPFや、PAといった数字が記載されており、最適なものを選ぶのが難しくなっています。

順に説明すると、まずSPFは日焼けを止めてくれる時間、と考えてください。

日焼けは、紫外線のUVBという成分が、肌にダメージを与えることで起こる反応です。

簡単に言うとUVBが肌に当たることによって、日焼け特有の色素沈着を起こしたり、シミやそばかすを引き起こしているということです。

1年の中でもUVBが肌に特に強く当たるのが、陽射しの強い夏場になります。

このUVBによる肌へのダメージを防ぐのが、日焼け止めグッズに含まれるSPFで、SPFの数字が大きいほど、UVBを防ぐ時間が長くなります。

逆に言えばSPFの数字が小さくても、こまめに使用することで充分日焼け止め効果は得られます。

もう一つのPAは、紫外線のUVAというものを無効化して捨ててくれる、という効果を持ちます。

UVAは肌の色素沈着ではなく、シワやたるみといったものの原因になり、UVBのように夏場だけ強くなるということはなく、年中ほぼ変わらない量で降り注いでいます。

もし、色素沈着ではなく、紫外線によるシワやたるみを防ぎたいというときは、PAのプラスが多いものを年中こまめに使うのが確実な予防になります。

日焼けしてしまったら

日焼けは、分類上では肌の炎症の一つとなっており、実は火傷のようなダメージを負っている状態です。

なので、日焼けしてしまった場合は冷やすという処置が大切になってきます。

特に日焼けの場合は、ある意味低温火傷のように皮膚の奥まで熱が通っている可能性が高いため、長時間しっかりと冷やさないと、肌へのダメージが回復せず、長引くこともあります。

またもう一つ、保湿ももちろん重要です。

肌の回復には水分が必要なうえに、焼けたあとは水分が著しく不足しているため、保湿もしっかりとすることでより早く回復していきます。

そして、この二つの処置は日焼けしてから72時間以内に行うようにしてください。

シミやそばかすの原因となるメラニンは、日焼けしてからおよそ72時間後から作られ始めるため、それまでにしっかりと処置しておければ、メラニンの発生を大きく防げます。

ちなみに、普段から規則正しい食生活をしたり、不摂生をしないでいると、ダメージに強い肌になるため、回復も早まります。

シミが出来てしまった場合

日焼けによるシミが出来てしまった場合は、時間がかかりますがお薬で回復することも可能です。

市販のお薬でおすすめなのが、トランシーノというお薬です。

これはビタミンCとトラネキサム酸を主成分とした飲み薬で、およそ最低3カ月ほど飲むと徐々にシミが薄くなってくるはずです。

お肌にはターンオーバーがあるため、時間としては非常に長いほうですが、シミが気になる場合は飲んでみるのもおすすめです。

特にビタミンCはお肌には非常に効果的で、一度に大量にとっても余分な分が排出されるだけですが、継続してこまめに補給すると、意外にお肌に良いですので、試してみてください。

もう一つ、こちらも時間がかかりますが、家電量販店などでセルフの美顔器が販売されており、コストはかかりますがそれを使うのも一つです。

しばらくトランシーノンを飲んでも消えないとか、痛みが引かないような場合、どうしても気になるというときは、皮膚科でケアを受けるのも検討してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属