インフルエンザ流行中!かからないためには?#858

インフルエンザの猛威が全国的に

最近、発熱や鼻水、咳といった風邪の症状の患者さんはもとより、インフルエンザの症状となる高熱や喉の強い痛みを訴える方が急増しています。

実は現在、全国的にインフルエンザの患者さんが急激に増加している状況にあり、特に都市部での感染者数が激増しています。

一部地域ではすでに注意報レベルを超え、年末年始には多数の地域で警報レベルに達する恐れもあり、さらには以前お伝えしたマイコプラズマ肺炎などの流行も重なる可能性があるとされています。

今年の冬の感染症への対策は、これまで以上に一層大切になりますので、是非今一度気を付けてみてください。

インフルエンザの特徴と現在の流行り方

インフルエンザは、主に冬に流行する感染症で、特徴的な症状には高熱、急激な体のだるさ、筋肉痛、関節痛、喉の痛みなどがあります。

鼻水も初期症状として出ることがありますが、高い発熱は大きな特徴になります。

現在の流行については、都内では今から2週間ほど前には、一医療機関あたりの患者さんが8.19人でしたが、先週は17.5人と倍増以上になっています。

この数値が30を超えると警報となりますが、もしこの伸び率で行くと年末には警報になってもおかしくないと言えます。

そして当然、患者さんが増えるということは、医療への負担も多大になっていきます。

年末年始の移動の際には、他の人への影響を最小限にするためにも、是非後述する予防策を徹底していただければと思います。

インフルエンザかもと思ったときは

もし、インフルエンザかもと思った場合は、やはり先述のように高い熱に注意してください。

そして同時に、倦怠感、筋肉痛、喉の痛み、咳といった症状も現れているかを確認してください。

熱が低い一般的な風邪と区別しにくいですが、急に高い熱が出た場合はインフルエンザの可能性が高いと考えられます。

疑わしいときは病院で検査を受けるのが望ましいですが、インフルエンザの検査キットは、発熱してすぐに使用してしまうと、体内でウイルスが増えていないため、インフルエンザに感染しているのに検査結果に出ないという場合があります。

ですので、発熱からおよそ8時間以上経過してから受診すると、体内でウイルスが増えているため、検査キットでの判定がより正確になります。

併せてインフルエンザの治療薬は、症状が出てから48時間以内に服用しないと効果が薄くなるため、こちらも早期の対応が必要です。

つまり、検査の正確な結果が得られるのは発熱から6時間から8時間後、治療薬は症状が出てから48時間以内に服用と、シビアに感じるかもしれませんが、あくまで目安として考慮して、受診のタイミングを測っていただければと思います。

インフルエンザ予防のポイント

最後にインフルエンザの予防についてですが、最も効果的なのは、ワクチンの予防接種です。

特に子供や高齢者、基礎疾患のある方は重症化リスクが高いため、ワクチン接種が推奨されます。

以前、点鼻薬のように鼻にスプレーするタイプの生ワクチンについて取り上げましたが、こちらは実際に高齢者はお子さん専用ではありますが、実用化されており、従来のワクチンと選べるようになっています。

健康な成人の場合については、ワクチンの接種は同居する家族などのや、自身の健康状態を考慮して判断するのがベストで、例えば職場や学校で集団感染が発生するリスクがあるなどの場合は、予防接種をすると安全かと思います。

そして感染予防の基本となる、手洗い、消毒、マスクの着用、換気の徹底、そして適切な湿度の維持は欠かせません。

インフルエンザウイルスはコロナウイルスと同じく、飛沫感染やエアロゾル感染を介して広がるため、室内の空気をこまめに入れ替えることが有効です。

湿度も、50%から60%に保つと、ウイルスの感染力を抑えることができます。

そして自身の免疫力についても、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけて、ストレス対策もできると、感染症に対抗する力がつきます。

特に年末年始の多忙な時期には、体調管理が感染症予防の鍵となりますので、是非日頃から意識を高めて、無事に乗り切っていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属