日常の疲労対策!精神的疲労編!#636

体が感じる「精神的」疲労

今回も前回に続いて、疲労のお話です。

前回は主に筋肉や体の動きの疲労、「肉体疲労」でしたが、今回は「精神的」疲労というものです。

ざっくり一言で言えば「ストレスが原因の疲れ」ということですが、もっと詳しくお伝えしていきたいと思います。

心の疲れによって起きる症状

まず、前回の肉体疲労を簡単におさらいすると、体を動かすことでエネルギーを消費し、使うエネルギーが不足することで出るサイン、となります。

傷や炎症が起これば痛みというサイン、エネルギーが不足が起これば疲れというサインが出る、ということです。

精神的疲労はストレスが重くかかり、体ではなく心が疲れている状態、と言えます。

ストレスはどんな場所にいても必ず、多かれ少なかれ発生しますが、それによって心が疲労し、様々な症状を引き起こします。

気分が良くならない、不安が消えない、自律神経やホルモンバランスが乱れて生活リズムが不安定になるとか、食欲不振や不眠の症状が出ます。

そして、そうした症状が続くと当然、肉体的な影響にもつながっていきます。

もちろん、ストレスが重ければ体に起こる症状が激しくなり、動悸やめまい、抜け毛なども起こり得ます。

ストレスは自分では気付きにくいケースも多く、心当たりがないのに何か眠れない、食欲がない、というときは知らないうちにストレスが重くかかっている可能性があります。

精神的疲労をとるのも「寝る」のが一番

肉体疲労の一番の対処が「睡眠」と書きましたが、精神的疲労も「睡眠」をとるのが最善の方法です。

しかし、精神的疲労があると、そもそも上手く眠れないという事がほとんどだと思います。

ストレスの元をすべて無くすことは難しいですが、ひとまず「寝る」という事を大切にして、きちんと睡眠をとれるようにストレスを解消、回避していくように考えて行くと、精神的疲労がたまり過ぎずに、上手に付き合っていく手掛かりになるはずです。

それでも難しいというときは、いわゆる「リラクゼーション」を試すのも手です。

オイルマッサージやエステのような、リラクゼーションのサービスを使って、その場で深い睡眠をとります。

これだけでも大幅にストレスが軽減される上に、肉体疲労も一気に回復できます。

ただし、かかるコストは非常に高く、何度も使うのは難しいと思います。

ですのでやはり、日ごろから簡単に出来るストレス解消法をいくつも作って、気分転換をしていくことがおすすめです。

軽いスポーツ、運動はもちろん、食べることもストレス解消には適しています。

食べる内容や時間、食べ方などによっては逆にストレスを重くする原因になったり、体に悪影響が出るため十分な注意が必要ですが、食べ物はストレス解消にとってとても大切な要素になります。

そのほかは、触り心地の良いものを触るとか、寝るときにはアロマオイルなどを使ってリラックス効果のあるにおいを嗅ぐのも一つの疲労回復になります。

朝起きて「すぐに」好きなことをする

個人的に凄くお勧めなのが、朝一に、朝起きてすぐに好きなことをする、というものです。

起きてすぐに自分の好きなことをすると決めると、前の日の夜から朝起きることが楽しみになったり、その日1日を気分よく過ごす動力源になります。

朝は時間が無くて忙しい事も多いと思いますので、色々な事は出来ませんが、例えば起きた時にかける音楽を決めておくとか、見たいテレビやドラマを夜見るのではなく、朝起きて見るなど、朝に一つ楽しみを作っておくようにすると良いかと思います。

もう一つおすすめなのが、カーテンを開けて寝ることです。

家や寝室の位置的に難しい場合もあると思いますが、カーテンを開けて寝ることで朝に自然と日光が部屋の中に入り、体内時計のリセットが促されます。

その他は有名ですが、寝る直前のスマホやパソコンは睡眠に悪影響ですので1時間前ぐらいからは控えるとか、ブルーライトカットのフィルムを使って、刺激を抑えるようにするのも一つです。

サプリメントは「セントジョーンズワート」が便利

最後にお薬やサプリメントについてですが、精神疲労に対して便利なサプリメントが「セントジョーンズワート」というものです。

凄くざっくりと説明すると、セロトニンの分泌を促す作用があるサプリ、となります。

セロトニンは日光を浴びた時などに分泌される、幸せホルモンとも言われる物質で、不安を取り除いて気分を良くする働きがあります。

セントジョーンズワートでセロトニンの分泌を助けることで、不安や憂鬱な気分を抑えるということです。

ただし、お薬の飲み合わせによってはそのお薬の効果が出過ぎてしまうことがあるため、何らかのお薬を服用中にセントジョーンズワートを飲む時は必ず薬剤師に相談してください。

次におすすめなのが、「GABA(ギャバ」という成分で、特にチョコレートの食品で見かけることがあると思います。

GABAは神経の高ぶりを抑える働きをする物質で、イライラや興奮の感覚を抑えることで、ストレスを和らげて行くことができます。

他にはどちらかというと睡眠の方になっていきますが、グリシンや市販のアレルギーのお薬があります。

グリシンはアミノ酸の一種で、飲むことで熟睡しやすくなるという働きがありますが、寝付きが良くなる働きはないため、眠りに入るまでが難しいという方にはあまり向いていません。

市販の睡眠薬の大半は、アレルギーのお薬の副作用を用いたもので、アレルギーを抑える副作用で起こる眠気を利用して眠りにつくという仕組みになっています。

精神的疲労に効く漢方薬

最後に漢方薬についてですが、前回の肉体疲労にも出て来ましたが、食欲があまりない場合、動く気力がわかない場合は「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、「六君子湯(りっくんしとう)」がおすすめです。

「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」は食欲は普通でも元気あまり出ない場合に、「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」は元気もあまりなく眠れないという場合に便利です。

また、ヒステリー球という、ストレスから喉の奥に違和感があるという場合には「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」という漢方がおすすめです。

どちらかというとイライラのストレスが多い場合は「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」というものがあります。

現在抱えているストレス、感じている不安の種類によって最適なものが変わるので、使用を検討される際はしっかりと考えて、見極めて行くようにしましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属