冬場の冷え性!ほっといたらどうなるの?#857

冬こそ気を付けたい冷え性

最近、全国的に急激に冷えはじめ、冷え性でお悩みの方にとってつらい時期になって来ました。

冷え性は病院に行って治すものでもない、と考える方も多いと思いますが、冷えは体からの重要なシグナルになります。

冷え性についてはvoicyでも時折触れていますが、今回は今一度、冷え性について詳しく解説していきます。

冷え性は万病の元

冷え性は、実は「万病の元」と言われています。それは、冷えの根本的な原因が、血液の流れの悪さにあるためです。

血液の流れが悪いということは、体の各部位に十分な栄養や酸素が届かず、体調不良を引き起こします。

例えば、手足が冷たくなる、四肢末端型の冷えは、血行不良が手足に影響を与えていますが、血液の巡りが悪いと免疫力も落ちるため風邪をひきやすくなるだけではなく、体全体の活動が鈍くなり、疲れが取れにくくなるのです。

また、冷えは不妊のリスクを高める要因のひとつとも言われており、女性はもちろん男性でも注意が必要になります。

さらに、ストレスによって血液の流れが悪くなり、冷えの症状が出ることもあるうえ、うつ病のサインとして出ることもあるため、詳しくは後述しますがストレス対策も冷え性の解決に極めて重要になります。

冷え性の4つのタイプ

冷え性は大きく4つのタイプに分けられます。

まずは前項でも出た「四肢末端型」の冷え性です。これは文字通り手足だけが冷たくなるタイプで、10代から20代の痩せ型の女性に多いのが特徴です。例えば普段からシャワーで済ませたり、冷房が苦手で夏場でも足腰が冷えて眠れないという人はこのタイプになります。

次に多いのが下半身型の冷え性です。いわゆる冷えのぼせがあるタイプで、30代以降の男女に多く、下半身だけが冷えて、顔や上半身はのぼせるような感覚があるタイプになります。

そして内臓型の冷え性というものが、30代以降の女性に多くあります。外側では冷えを感じていないものの、内臓が冷えているため、便秘や下痢を繰り返したり、膀胱炎にかかりやすくなるというものです。

例えば、普段から冷たい食べ物や飲み物をとっている方は注意してください。

最後が全身型の冷え性で、年齢を問わず見られるタイプです。夏でも冬でも常に冷えを感じ、手足だけでなく体全体が冷えるものです。

筋肉とストレス管理が冷え解消のカギ

冷え性の対策は、いずれのタイプにしても、運動とストレス管理がカギになります。体が発生する熱は、実は筋肉の動きによって発生しているため、筋肉量が減ってしまうと体温が上がりにくくなり、体が冷えるのです。

運動をして筋肉を付けることで熱が生まれるうえ、血流も良くなるため、冷えが一層改善されるということです。

ですので筋肉を付ける運動がベストですが、はじめは激しい運動ではなく、軽いストレッチ、ウォーキング程度の運動だけでも改善につながります。

次に重要なのがストレス管理と対策です。ストレスを感じると、血管が収縮し、血流が悪化するため、冷え性が悪化します。

ストレス解消の方法は人それぞれですが、湯船に浸かるのは、体が温まって深くリラックスできるためとてもおすすめです。

そしてやはり睡眠時間をしっかりととるとか、気分転換に好きなことをする時間を作ることも大切です。

冷え性改善におすすめな食事と服装のポイント

最後に、食事と服装についてですが、まず食事に関しては、前述の筋肉量にも関連して、タンパク質をとることが重要になります。

お肉、お魚、豆類を積極的に摂るようにして、野菜で言うと大根やごぼう、しょうがなどの根菜類を増やすと、体を内側から温める効果が期待できます。

反対に、葉物野菜やきゅうり、トマトなどの夏野菜は体を冷やす性質があるため、注意してください。特にバナナやパイナップルは体を冷やしやすいとされています。

そして内臓型の冷え性の場合は、消化器官の冷えによって起きているため、食べ過ぎると体に大きな負担がかかりますので、食べ過ぎないのが重要です。例えば温かい飲み物を飲む回数を増やして、内臓を温めるようにするのも効果的です。

服装については、冷え性のタイプによって異なりますが、お腹周りを冷やさないことを意識してください。

お腹周りは血液が集まりやすく、消化器官もある部分ですので、ここを温めることで全身の血行が促進されます。

通気性が良い素材で、汗をかいても蒸れにくくして、冷えないようにしてください。

全身型の冷え性の場合は、長袖や重ね着をしたり、羽織れるものを持ち歩く、温度調整ができる服装にしていくと、良いかと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属