声がれ解消の鍵!その原因と驚くべき予防・対策は?#785

声の不調で配信が1カ月ぶりに

2月17日から、3月20日までおよそ1カ月、voicyの配信ををお休みさせて頂いておりました。

体調は全く問題無いものの、声が出なく、少し喋ると咳も重く出るため、ラジオの配信がほぼ不可能となっていました。

ようやく一定量は喋れるようになりましたので、今週から復活していきたいと思います。

今回は自分の経験をもとに、喉の不調や声枯れと言ったことについてまとめて行きます。

声が枯れる原因

まず簡単に、声が枯れてしまう原因をまとめてみると、声の出しすぎ、感染症、喫煙、アレルギー、空気の乾燥、逆流性食道炎や声帯ポリープのような病、薬の副作用、と言ったものが挙げられます。

一つずつ見て行くと、まず単純に声を出しすぎると声が枯れる、ということは経験がある方も多いと思います。

大きな声を出すと声が枯れる、と言うのは声帯という器官に負担がかかっているためです。

大声を出すことで、整体に炎症が起き、働きが大幅に制限されてしまうことで、声が枯れるという状態になります。

次に感染症による声枯れですが、これはいわゆる風邪やインフルエンザ、コロナと言ったものによるものです。

これは、喉が腫れることで声帯の振動に影響が出てしまい、それによって声が出にくくなるという仕組みです。

次の、喫煙によって声が枯れるのは、たばこの煙は声帯や喉にとって刺激物になりますので、炎症やアレルギーの原因となるためです。

そしてアレルギー反応による声枯れは、何らかのアレルギー物質が声帯に触れて起きることもありますが、例えば花粉症などのような、鼻で起きたアレルギー反応によって鼻水が出た場合で、後鼻漏と言う喉のほうに鼻水が垂れることがあります。

これが声帯に触れ、刺激物となってアレルギー反応が起き、声が枯れるということも起きます。

そして秋冬の空気の乾燥ももちろん声枯れの原因の一つで、乾燥は喉にとって大きなダメージとなり、必然的に声帯にも影響が出てしまい、声が枯れて行きます。

次に逆流性食道炎や声帯ポリープと言った病ですが、逆流性食道炎とは文字通り胃酸が喉まで逆流してしまい、胃酸によって声帯が荒れて声が枯れるという仕組みです。

声帯ポリープは歌手の方のような、喉を特に酷使する方に起きやすい病で、声帯に膨らみが出来てしまうことで、声が出にくくなります。

最後の、薬の副作用による声枯れですが、実はこれが自分に起こったケースになります。

自分の場合はステロイドの吸入のお薬で、これが声帯を刺激してしまい、逆に炎症が長引いてしまったことで、回復が遅くなりました。

声帯を休ませて回復する

声枯れからの回復は、何よりも声帯を休ませることと乾燥させずに潤すことに尽きます。

声を出すということは声帯が振動することですので、喋るほどに回復が遅くなります。

そしてやはり、乾燥は大敵ですので保湿をすることと、温かいお茶やお湯を飲んで喉を常に潤すことが大切です。

湿度で言うと40%から60%ほどがベストです。

喉を潤すという意味では、直接飲み物を飲むだけではなく、シャワーでお湯の蒸気を吸い込むとか、ハーブティなどお茶の蒸気を吸い込むのも喉にとっては非常に良い栄養になります。

そして当然、タバコの煙は強い刺激物ですので、声の枯れを治したい場合は一時的にでも禁煙することをおすすめします。

また逆流性食道炎の場合も、治療をしなければ声は治らないため、胃のお薬などを使って逆流性食道炎を治していくことが大切です。

もし万が一、原因不明の声枯れが2週間以上続いたり、徐々に酷くなっている場合は、ポリープか結節になっている可能性が高く、自力で治すことは難しいですので、耳鼻科のお医者さんに診てもらってください。

自分の場合だと、時間はかかったものの少しずつ回復していることを実感できているので、ポリープではなく炎症だったと思っています。

調子が悪いと感じたら休むこと

最後に、声が枯れないように予防するためには、調子が悪いと感じたらすぐに喉を休ませて、回復するようにしてください。

喉や声を酷使する職業の方だと難しいですが、負担が重なったとか、声が枯れそうと自覚できる場合は、休んだり喉のケアをするようにすると、枯れが酷くならないうちに回復出来ます。

そしてやはり、刺激物を避けるのも予防になります。

例えば辛いものはもちろんですが、カフェインやアルコールも刺激になります。

特にアルコールは酒焼けという言葉もあるように、喉には非常に重い負担になる上に、刺激物は全般的に胃酸の逆流の一因となるので、声枯れと言う点では二重にリスクを高める要因となっています。

そしてやはり、体調管理と言う面で睡眠時間をきちんととって体を回復させることや、ストレス対策をすることも充分予防につながります。

また外出時のマスクももちろん、乾燥予防やアレルギー物質の予防に効果的です。

ボイストレーニングに行くのも手

ちなみに、声や喉を酷使する職業の方はボイストレーニングに行くのも一つの手です。

トレーニングでは、喉に負担がかからないものの、大きくきれいな声を出す、という練習を行ったりすることもあるので、もし興味がある方は行ってみるのもおすすめです。

自分も以前ボイストレーニングを受けたことがあり、いわゆる腹式呼吸で喋る、ということについても、技術的な面から詳細に講義してもらったという経験があります。

身につけるまでは大変でしたが、身につけると普通の喋りでは全く負担がかからないようになりました。

ステロイドの吸入のお薬を使った場合は入念にうがいを

最後に、今回これほど声枯れが長引いてしまったのが、ステロイドの吸入のお薬によるものです。

現在の吸入のお薬は大半が粉で、薬の一部が喉や口の中に残ることがあります。

洗い流されず、喉や口の中に残ってしまうと、声が枯れることがあるため、必ずしっかりとうがいをするようにしてください。

自分も入念にうがいをしたつもりでしたが、不十分だったようで、少し反省しています。

患者さんにも吸入のステロイドのお薬を出す際はこの旨を伝えていましたが、今後はもっとしっかり、入念に伝えて行かなければと思いました。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属