腹痛はどんなときに起きる?危険なサインは何?#793

お腹が痛くなる仕組み

貧血、腰痛と続いて、今回は腹痛についてのお話です。

前回の腰痛もでしたが、腹痛が起きる原因も非常に様々あり、一概には言えません。

腹痛と一言に行っても、救急車が必要なレベルに危険なケースもあります。

今回はこの腹痛についてまとめて行きます。

何かに関連して痛みが起こる

体の痛みという反応の大半に通ずることですが、腹痛においては、ほぼ必ず何らかの原因があり、何かに関連して起こっている痛み、と言えます。

例えば下痢や便秘で、便の健康が悪いために痛みが出るとか、ウイルスや細菌によって胃腸炎が起こっているために痛いとか、女性であれば生理によって痛みが起こっている、という風に言えます。

ウイルス性や細菌のものだと急性胃腸炎として、突然激しい痛みが襲い、下痢や吐き気と言った症状が突然起こるのも特徴です。

他に代表的なのだと、過敏性腸症候群も腹痛の原因の一つです。

これはストレスや食生活の乱れに胃腸が過剰に反応してしまい、腹痛や下痢、便秘と言ったことを慢性的に繰り返す病です。

また胆石による痛みや、いわゆる盲腸という、虫垂炎による痛みも激しい腹痛になります。

持続的にずっと痛む場合は救急車を

以上を踏まえて、腹痛時の対処についてですが、まず第一に、持続的に痛みがずっと続く場合、激しい痛みが絶え間なく続いたり、お腹に圧迫感があるような場合は救急車を呼んでください。

その場合は単にお腹を下したという事態ではない可能性があり、胆石や虫垂炎の恐れがあります。

また、突然動けなくなるぐらいの痛みが来たり、お腹を起点に背中まで痛みが広がってくるような場合も、命に関わる事態ですので、救急車を呼んでください。

次に、救急車を呼ぶほどではないもののすぐに病院に行くケースが、腹痛と同時に発熱しているとか、明らかな血便が出た場合、嘔吐時に血が混じっている場合、血そのものを吐いてしまうような場合です。

これらは現時点でどこかで出血が起こっている証拠ですので、自力で動ける場合はすぐに病院に行って処置してもらってください。

また、突然急激に体重が減少したというような時や、持続的に食欲がない場合も、重大な病が起きている可能性がありますので、病院でお医者さんに相談してみてください。

そして、暴飲暴食などで明らかにお腹を壊したと思われる場合や、女性の方であれば生理痛だと思われる場合は、市販薬を使ったり、安静にしていれば治るケースが多いので、それで対応していくのがおすすめです。

食生活の見直しとストレス対策をしっかり行うこと

最後に、腹痛予防についてですが、やはり食生活とストレスへの対策に尽きます。

特に腹痛は腸の不調によって起こることが大半ですので、暴飲暴食は控えて食物繊維を中心にとって、玄米や雑穀と言った全粒穀物を取るのがとてもおすすめです。

可能であれば、食事の時間も毎日ある程度決めて、規則正しくすることでより健康的になるため、腹痛予防にも繋がります。

また、食事の際はしっかりと噛むことも大切です。

水分補給や運動ももちろん重要で、腹筋などお腹周りの筋肉を刺激すると、腸のぜん動運動が活発になり、消化活動に良い助けになるので、胃腸にとっては非常に良い刺激になります。

水分は1日2リットル、と言われることが多いですが、これは野菜や果物などに含まれる水分も込みでの量ですので、トータルで考えていくと良いかと思います。

そしてノロウイルスや食中毒などについて取り上げた際に触れているように、手洗いや手指消毒も、結果的に腹痛予防につながりますので、心がけてみてください。

最後にストレスについてですが、過敏性腸症候群は特にストレスが一番の引き金とも言えるものですので、ストレスもとても大切です。

気分転換やストレス解消法をたくさん作っておいて、そのことをしている時はストレスを解消していると自分で意識することで、効果的にストレスが無くなって行くので、是非試してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属