腰痛のミステリーを解明!効果的な予防と対策は?#792

突然起こる腰痛の対策

先日、人生で初めて、腰の痛みを感じました。

今まで、俗に言う腰痛を経験したことが無かったため、痛みの感覚が全くつかめずに少し不安になりました。

今回は前回から続いて、よくある病気シリーズの2回目として、腰痛について取り上げていきたいと思います。

腰痛の原因の9割は不明

まず、腰痛とは文字通り腰の痛みのことですので、原因は非常に多岐にわたり、特定するのが極めて難しいという特徴があります。

それは実に、全体の8割から9割ほどは原因が分からない、特定できないといわれています。

腰が痛む原因が完全に分かっているケースは、例えば椎間板ヘルニアと言い、椎間板の一部がはみ出るような形で神経を刺激して、痛みが出ているというような場合です。

また、脊柱管狭窄症も、背骨の中にある脊柱が何らかの原因で狭まり、神経が圧迫されて痛む、というのも腰痛の原因が明らかになっているケースです。

逆に言えばこの二つ以外で腰痛が起きているのは、はっきりとした原因が分からないことが多いのです。

ちなみにヘルニアと脊柱管狭窄症の違いは、ヘルニアは椎間板で起きているもので、脊柱管狭窄症は背骨で起きているという違いがあります。

脊柱管狭窄症は背骨という骨そのものの変形などによって起きているため、歩行中など動いている時に痛みが強まるのが特徴です。

そのほか、腰痛の種類としてはいわゆるぎっくり腰、正式に言うと急性腰痛と言うものが有名です。

ぎっくり腰とは、普段やらないような不自然な動きで起こるもので、例えば突然重いものを持ち上げたりとか、変な姿勢で勢いよくくしゃみをするなどで、突然重い衝撃がかかることで起こります。

急性腰痛の反対が慢性腰痛で、長期的に悪い姿勢を続けたり、運動不足や肥満などによって起こる腰痛です。

ですので、例えば加齢によって骨や関節が弱まり、少しずつ腰が痛むのも慢性腰痛の一つで、さらにストレスや緊張によっても起こることがあるのも特徴です。

まずは安静にして痛みをとる

腰痛の治療としては、まずは応急的な対症療法にはなりますが、やはり安静にすることが第一になります。

安静に出来ない場合でも、出来るだけ動かないようにして、痛み止めなどを使って過ごしてください。

次に温熱療法で、温めて血行を良くするか、冷却して炎症を抑え、痛みを取り除きます。

これは痛みの原因によって、温めるか冷やすかが変わるため注意が必要です。

最後に、痛みが和らいで来たら行うのがストレッチのような運動です。

腰痛体操として、しばしば話題になることがあるかと思いますが、そうした軽い運動をすると、腰の筋肉の柔軟性が高まり、痛みが起こらないように予防することにつながります。

この運動について、もし可能であれば、理学療法士さんのようなプロの方に指導してもらうのが最善です。

もし間違った方法で運動をしてしまうと、余計に負担がかかり、腰痛を悪化させる一因になりかねないため、不安があれば利用するのも検討してみてください。

ちなみに、最初に述べた椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症は、専用の治療を行いますが、場合によってはどちらも手術を要するケースがあります。

姿勢に気を付けて腰痛予防を

腰痛の予防は、まず第一に姿勢を良くすることに尽きます。

座り仕事、立ち仕事などで長時間同じ姿勢でいると腰に負担がかかりますので、可能であれば30分に1回ほどは立ち上がったり、体を動かしてほぐすようにするのがベストです。

座っている時間が長い方は、きちんと背もたれを使用して、深く座るようにしてください。

背もたれとフィットする椅子が望ましいですが、難しい場合や腰枕やクッションを使って調整するのがおすすめです。

そして普段の生活の中では、軽い運動やストレッチが大切なのはもちろんですが、重い物を持ち上げる際には、腰を曲げて持ち上げるのではなく、しっかりと腰を落とし、しゃがんだ姿勢から膝も使って持ち上げるようにしてください。

腰を曲げて持ち上げると非常に重い負担となり、ぎっくり腰を引き起こしかねませんので、注意してください。

最後に、肥満とストレスの対策も大切です。

BMIで言うと25以上の方は腰痛のリスクがあり、ストレスや緊張も腰痛の原因の一つですので、気分転換の方法をいくつか作っておいて、痛みが出ないようにコントロールしていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属