まぐろは今が旬!美味しく健康的な食べ方は?#762

旬を迎える「まぐろ」

お寿司、お刺身で大定番とも言えるお魚が「まぐろ」ですが、実はまぐろは今の時期に旬を迎える魚でもあります。

秋も終わりに近づきましたが、久々に秋の味覚シリーズ的に、まぐろについて触れていきたいと思います。

止まらない魚

魚としてのまぐろの最大の特徴が、泳ぎを止めないという点です。

たまに、まぐろは止まると死ぬとか、泳ぐのを止めると死ぬ、と言われると思いますが、実はこれは確かにそうなる作りになっています。

まぐろ以外の魚はエラを自力で動かし、水を取り込んで酸素を得て活動しています。

しかし、まぐろは自力でエラを動かすことができないため、泳ぎながら口を開け、水を取り込んでその水をエラに流して酸素を得る、と言う呼吸をしています。

そのため、泳ぐ量が減ると、取り入れられる酸素の量が減り、呼吸が出来なくなるということです。

言い換えれば、まぐろは寝ている時、活動をしないときもゆっくりと泳いで、酸素を得ているのです。

この仕組みによって、特有の引き締まった身になっているともされています。

赤身は古来から人気があり、逆に中トロや大トロの部分はおいしくない部位として捨てられたり、焼きや煮で食べられていたようです。

このまぐろが、11月や12月から1月にかけた時期が一番大きくなり、脂も乗るため旬を迎えます。

まぐろの健康効果

まぐろの持つ最大の健康効果が、EPAやDHAとして知られる、オメガ3脂肪酸という脂分です。

主にお魚類に含まれる脂で、非常に健康に良い特徴があり、まず血液をサラサラにする効果があるため、心臓や血管にとても良い効果があります。

また、脂分でありながら中性脂肪やコレステロールといった脂も下げてくれるため、生活習慣病の予防に大いに役立ちます。

さらに赤身の部分はカロリーが低いのにタンパク質の量が多いため、非常に効率の良いタンパク質補給が出来るとか、鉄分も多いため鉄分補給にも便利です。

ビタミン類としては、ビタミンB群が豊富なのが特徴で、疲労回復やエネルギー補給に効果的です。

ただし1点だけ、妊婦さんに知っておいて欲しい点が、マカロニア、メチル水銀というものが微量ながら含まれていることがある、という点です。

メチル水銀とは、一昔前の日本で実際に起こり、現在も社会科などの授業で取り上げられる、水俣病の原因となる水銀の物質です。

まぐろは食物連鎖の上位にある魚で、小さい魚を食べて生きているため、メチル水銀も体内に少しずつ蓄積されています。

まぐろを食べるということは、そうした身を食べる、ということになります。

当然、普通の成人の方であれば全く問題はありませんが、お腹に赤ちゃんがいる妊婦さんや、幼児のお子さんの場合は、排出する能力がまだ未熟ですので、まぐろを大量に食べたりすると、何らかの影響が出る可能性は排除しきれません。

ただ、妊婦さんであっても、週1回にお刺身1人前程度の量であれば問題ありませんので、食べ過ぎないようにだけ気を付ければ大丈夫です。

火を通して食べるのもおすすめ

最後に、まぐろのおすすめの食べ方ですが、寿司や刺身で生で食べる以外にも、焼いて食べたり、スープやシチューなどに入れるのも美味しいです。

例えばダイエット時、さらに摂取カロリーを下げてタンパク質だけをとりたい、と言うときには、焼いて脂を大幅に落とすのも手です。

またスープやシチュー、カレーといった料理だと、火を通しつつ脂も落とさずに食べることができ、一味違った感じで楽しめるためおすすめです。

是非、生以外での食べ方も試してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属