ジェネリック医薬品に新たなカテゴリーが
先日ネットで「オーソライズドジェネリック」という言葉が出てきました。
お薬には一番最初に開発、流通した、オリジナルともいえるお薬の先発医薬品と、そのお薬の特許切れなどの理由で出てくる後発医薬品があります。
後発医薬品が、いわゆる「ジェネリック医薬品」となります。
具体例を挙げると、痛み止めで知られるロキソニンは先発医薬品で「ロキソニン」という名前が付けられており、そのロキソニンのジェネリック医薬品にはロキソプロフェンなどといった種類があります。
このように、ジェネリック医薬品の名前はお薬の一般名や、語尾にメーカーの名前を付けるなどで区別するように定めています。
ジェネリック医薬品については以前、319回で取り上げていますが、今回取り上げるのは「オーソライズドジェネリック」という種類のお薬になります。
オーソライズドジェネリックとは
普通のジェネリック医薬品の利点といえば、何よりも安価なことが挙げられます。
先発医薬品と比べると3分の1ほどにまで価格が下がるケースもあります。
現在では様々な種類があり、非常に便利な選択肢の一つですが、一昔前まではジェネリック医薬品は品質に少し差があり、お医者さんとしてはあまり推奨しないということもありました。
今回のきっかけとなった、オーソライズドジェネリック医薬品ですが、簡単に訳すと「許諾を受けたジェネリック医薬品」となります。
この許諾とは、先発医薬品を出したメーカーさんが出したものになります。
先発医薬品を出したメーカーが、そのお薬のジェネリック医薬品を出すということがあり、具体例を挙げると大塚製薬さんはムコスタという先発医薬品を出した後、レバミピド「オーツカ」というジェネリック医薬品も発売しました。
これはムコスタのオーソライズドジェネリック医薬品となります
オーソライズドジェネリック医薬品と普通のジェネリック医薬品の違いは、全く同じ添加物や製法で作れる、ということにあります。
実は、普通のジェネリック医薬品では、先発医薬品のお薬の成分の特許が切れていても、その作り方の特許は切れておらず、全く同じもので全く同じ作り方で作って販売する、ということができないケースが多々あります。
オーソライズドジェネリック医薬品は、先発医薬品を出したメーカーが正式に許諾を出すことで、他社でもほぼ同じ作り方、同じ成分を使って同じお薬を作るということができるということです。
ちなみにジェネリック医薬品を使うか先発医薬品を使うかは、患者さんが選べるという特徴がありますが、これはオーソライズドジェネリック医薬品でも同様で、選ぶことができます。
ただ、その薬局がオーソライズドジェネリック医薬品を扱っているかは不明で、取り寄せるのに時間がかかる可能性はあり、また現状のオーソライズドジェネリック医薬品は供給が不安定なため、注文をしても入ってくるのにかなりの時間を要することがありますので、注意してください。
添加物に不安がある時には選択肢になる
普通の、一般ジェネリック医薬品とオーソライズドジェネリック医薬品では、許諾を受けているオーソライズドジェネリック医薬品のほうが良いように思えますが、最近は一般のジェネリック医薬品でも、先発医薬品やオーソライズドジェネリック医薬品に近いものを作ろうとする、企業努力を続けるメーカーが多くあります。
ですので、特に理由なくオーソライズドジェネリック医薬品を選ぶ必要はあまりありません。
ただし、まれに一般ジェネリック医薬品だと、入っている添加物が体に合わないということがあり、コスト的に先発医薬品を選ぶのは負担が重いものの、一般ジェネリック医薬品はあまり使いたくないというケースがあります。
そうした場合には、オーソライズドジェネリック医薬品はとても便利な選択になりますので、服用しているお薬がある場合は是非相談してみてください。