梅雨時の体調不良【梅雨だる】の原因は低気圧!どうしたらよい?#716

梅雨の時期に気分が優れない理由

2023年も6月に入り、本州では本格的に梅雨を迎えました。

voicyでは、この時期に来る特有の体調不良を「梅雨だる」や天気痛として取り上げています。

まだあまり知名度が無く、認知がされていないと思いますが、梅雨などで天気が悪いときに体調が優れない、というのは実は気のせいではなく、実際に起こっている症状のことです。

今回は梅雨に入った今、梅雨だるについてご紹介していきます。

梅雨に起きる体調不良

梅雨に起きる体調不良は、重いものはほとんどなく、体のだるさや食欲不振、頭痛や肩こり、気分が優れないといったものがほとんどですが、体がむくんでいる感じがすることもあります。

ある調査では、女性のうち62%ほどの方が梅雨時期に体調不良になった経験があるとされています。

梅雨だるが厄介なのは、その体調不良を抱えたまま季節が夏に変わり、夏バテの大きな原因になり得るという点です。

季節の移り変わりに応じて、きちんと体調を整えないと、長い期間気分が優れないまま過ごすということになります。

気圧が低いと副交感神経が働きやすくなる

梅雨だるが起こる最大の原因が、低気圧です。気圧が低くなると、副交感神経が働きやすくなり、それが体調不良につながります。梅雨だるが起こる最大の原因が、低気圧です。

副交感神経は、簡単に言うと体を休めるための神経で、睡眠中などリラックスするときに活発にさせる神経となります。

ですので、日中に副交感神経が活発になるということは、体が勝手に休もうとするため、日中の活動のやる気が無くなることにつながります。

また、低気圧が続くと、体内でヒスタミンという炎症が起きるときに分泌される物質が出てきて、それによって頭痛や肩こりといった症状が起きます。

さらに雨によって気温が低くなって、体が冷えて血行が悪くなるのも大きな原因です。

特に、体温を上げるためには交感神経が働く必要がありますが、夜に寝るときに体温を上げるべく交感神経が働いてしまうと、質の良い睡眠がとれなくなり、より長く体のだるさが続くことになります。

ちなみに漢方の東洋医学では、湿度が高いと本来出て行ってくれる水分が出ていかず、湿気が体の中に溜まってしまうことで、むくみやお腹の張り、食欲不振といった症状で現れるという考え方があります。

交感神経を刺激する

梅雨だるを防ぐために、解消するためには、やはり自律神経を整えることが大切、という一言に尽きますが、どちらかというと交感神経を刺激するということを意識してみてください。

まず朝起きたらすぐにカーテンを開けるなどで、日光を浴びると体内時計がリセットされる、というのはvoicyでも度々ご紹介していますが、実はこの時に交感神経も大きく刺激され、1日の活動が始まると体に認識させることもできます。

また、最近ご紹介している、朝起きてすぐに好きなことをする、というのも、気分が良くなって1日の動きの活力になります。

それ以外だと冷えの対策が重要になってきます。

梅雨は、雨や風で気温が一気に下がる季節でもあるため、薄手で大丈夫なので1枚羽織れるものを持ち歩くとか、シャワーではなくお風呂にきちんと入るといったことをして、体温を保持してください。

食べ物で意外とおすすめなのが、夏野菜です。

夏野菜は体を冷やす作用がありますが、同時に体の中の余分な水分を排出するという働きもあるため、高い湿度によって溜まった水分を外に出していくということができます。

ですので、きゅうりやトマト、スイカといったものを食べるのも一つの良い対策になります。

そのほかだと、やはりたんぱく質は体の活動に必要ですので、たんぱく質、アミノ酸類も欠かさずにとるようにしてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属