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今回は安価なお薬として有名な「ジェネリック医薬品」のお話。
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ジェネリック医薬品の意味
病院や薬局ではもちろん、テレビCMでも「ジェネリック医薬品」という言葉を見かけることが多いと思います。
薬局で薬をもらう時「ジェネリック医薬品にされますか?」と聞かれた方もいらっしゃると思います。
ジェネリック医薬品は普通のお薬と同じなのに、安価で財布に優しいというのが特徴ですが、今回はそのジェネリック医薬品について詳しくご紹介していきます。
「先発医薬品」の特許が切れたものが「ジェネリック医薬品」
まず、最初に世の中に出た薬を「先発医薬品」と言います。
完全に新しく発売されたもので、「特許」を得たばかりのお薬のことです。
特許があるうちは、そのお薬はその会社だけが発売できますが、特許は時間とともに「切れる」ことになります。
切れたら、同じ成分のものを他の製薬会社さんが作ってもOKとなります。
この時、他の製薬会社さんが作ったものを「ジェネリック医薬品」と呼びます。
代表的なものだとロキソプロフェンナトリウム「日医工」というものがあります。
ロキソニンの処方をするというケースでジェネリック医薬品をという時は、これを処方することがあります。
一般名とい名前に、製薬会社さんの名前を付けることが大半で、この場合だと日医工さんが作ったもの、となります。
ジェネリック医薬品の方が安い理由
ジェネリック医薬品の一番のメリットでもある「価格の安さ」ですが、なぜ安くなるのかというと、まず新薬の特許が切れるのが、出てからおよそ10年、15年後の時期です。
それだけ時間がたっているという事は、効果もきちんとわかっていて、さらに副作用の有無、出方もしっかりとわかっている状態になり、それにかける費用を大幅に抑えることができます。
わずか1億円程度で開発、販売ができる、とされています。
ただし、実は具体的にどれくらい安くなるのかと言うのは、難しいところがあります。
薬そのものの値段は、先発医薬品と比べて半額か、7割程度の値段になることが多いですが、薬局での技術料などコストを含んだ総額にすると、結果的に先発医薬品を使うのとそこまで変わらない、という事がしばしばあります。
元々のお薬が高い場合は、その分大きく下がって1000円以上安価になることはありますが、逆に元値が10円程度で、半額の5円になるだけということもあるのです。
元々のお薬が安価な場合はジェネリック医薬品の安さをあまり体感できないことがあるので、注意してください。
ジェネリック医薬品か先発医薬品かは、薬局で選べますので、お気軽に尋ねてみてください。もし、その薬局内に在庫が無い場合は取り寄せとなり、ある程度時間がかかるのでこちらも注意が必要です。
ジェネリック医薬品と先発医薬品は、成分と量が同じ
この二つで、具体的に何が同じで何が違うのか、という事ですが、まずは当然と言えば当然ですが含まれる薬効成分とその量が全く同じです。
ロキソニンであれば、ロキソプロフェンという成分が60mgあり、後発のものもこれが60mgあります。もちろん得られる効果も同じです。
この「含まれる薬効成分」が重要な意味を持ちます。
薬効成分とは、薬の中でわずか1%か多くても10%しかない、直接効く成分のことで、これをしっかりと効かせるために、残りの99%や90%の成分に様々なものを入れて、一つの薬を構成しています。
その他大半の部分に何を入れるか、どう作るかは製薬会社さん次第で決められます。
ただし、ジェネリック医薬品と先発医薬品とで効果が変わると大変なので、今では厚労省が「生物学的同等性試験」ということをして、これを通ったものが認可を受け、流通します。
ジェネリック医薬品と先発医薬品は価格・添加物、作り方が違う
違いとしては、前述したように価格の違いが一番ですが、ジェネリック医薬品を作るのは何も1社に限ったことではなく、様々な製薬会社さんが同じ成分と効果を持つお薬を開発しています。
当然、製薬会社さんの大小もあり、生産が突然止まる、製造しなくなることもあります。
どの会社のジェネリック医薬品を仕入れるかは薬局が決めますが、自分の場合は発注したらすぐに届くところを一つの基準にしています。例えば発注してから届くのが1週間後とかになる所は使っていません。
ジェネリック医薬品によって、薬を選ぶ幅が広がる
また、添加物や作り方が違うのも特徴です。
認可を受けるためには厳しい試験をクリアする必要がありますが、それでも添加物によるアレルギーが出ることは、まれにあります。
ただ、これは添加物の違いですので、逆にジェネリック医薬品から先発医薬品にしたことでアレルギー反応が出るということもあり得るので、一概には言えません。
特に、湿布や軟膏のような、貼り薬や塗り薬でもジェネリック医薬品はあり、先発医薬品とジェネリック医薬品とで使用感が変わると言ったことはあります。
例えばヘパリン類似物質外用スプレー」というものが日医工さんから、それのジェネリック医薬品として販売されており選ぶことができます。
夏はさらっとスプレーで、冬は保湿もできるローションタイプ、と言う使い分けが可能なのです。
さらに、お子さんの飲み薬で特に重要な「薬の味」もジェネリック医薬品によってある程度選べます。
特に、OD錠という飲み込まずに口の中で溶かす錠剤などで、お薬の独特の味を我慢しないとならない、という事がありますが、今ではそのジェネリック医薬品もあるので、薬局で軽く味見して、患者さんにおすすめしていくという事を良くします。
自分もOD錠や子供用のお薬で、サンプルをもらって味見して決めて行ったことがあります。
また、ジェネリック医薬品の方が先発医薬品よりも改善されている、ことがよくあります。
先述したように特許が切れる10年、15年の間で製薬技術はかなり変わるので、より良い作り方が出来るということがあります。
例えばクラリスロマイシンと言う抗菌薬がありましたが、この先発医薬品は一度飲むとその後しばらくは何を食べても苦くて、食事が厳しいということがありました。
ですが今クラリスロマイシンのジェネリック医薬品を作っている高田製薬さんのは、それがほとんどありません。
ジェネリック医薬品には、こうしたことを考えられる幅が、薬剤師と患者さん双方にあるのが、大きなメリットと思います。